Thinkings、「採用管理システムsonar ATS」で社内公募とキャリア採用を統合管理する新機能「sonar Connecter」を提供開始

左から:Thinkings 新規事業開発責任者の森田徹氏、人材研究所 代表取締役社長/Thinkings組織再考ラボ フェローの曽和利光氏

組織づくりのプラットフォーム「sonar HRテクノロジー」を展開するThinkings(シンキングス)は、「採用管理システムsonar ATS」において、社内公募とキャリア採用を統合するポジション管理ソリューションとして、新機能「sonar Connecter」の提供を開始した。10月28日に行われたプレス説明会では、「sonar Connecter」の開発背景やサービス概要について紹介したほか、ゲストに人材研究所 代表取締役社長/Thinkings組織再考ラボ フェローの曽和利光氏を迎え、近年注目されている“静かな退職”の一因とされる「埋もれ人材」(能力が活かされていない人材)に関する調査結果を踏まえたトークセッションを実施した。

Thinkings 新規事業開発責任者の森田徹氏

「当社は、テクノロジーとデザインの力で、組織づくりをサポートするHR Tech企業で、2020年に設立。今年10月1日からビズリーチの子会社となり、ビジョナルグループにジョインしている。組織づくりをエンパワーし続ける、その始まりが採用であると考え、主軸プラットフォームとして『採用管理システムsonar ATS』を展開している」と、Thinkings 新規事業開発責任者の森田徹氏が挨拶。「『採用管理システムsonar ATS』では、企業が行うあらゆる採用を一元管理することができ、応募から入社に至るまでの各種業務の自動化や、データ分析による効率化を実現する。これによって、採用担当者の業務負荷を大幅に削減し、求職者としっかり向き合う時間を生み出すことができる。2012年からサービス提供を開始し、今年7月時点で導入実績は2300社を突破している」と、大手からベンチャーまで幅広い企業や官公庁に「採用管理システムsonar ATS」の利用が広がっていると紹介した。

左から:Thinkings 新規事業開発責任者の森田徹氏、人材研究所 代表取締役社長/Thinkings組織再考ラボ フェローの曽和利光氏

ここで、人材研究所 代表取締役社長/Thinkings組織再考ラボ フェローの曽和氏をゲストに迎え、Thinkingsが実施した「社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査」の結果をもとにしたトークセッションを実施した。今回、Thinkingsでは、ポジション管理の新機能「sonar Connecter」の提供開始に合わせ、社内におけるキャリア開拓や社内公募の取り組み、それらの課題を把握するため、ビジネスパーソン1069名(全国の従業員1000名以上の企業の一般職)へのアンケート調査を9月に行ったという。

調査結果のトピックスとして、回答者全体の約4割が、能力が十分に発揮されていない「埋もれ人材」であることがわかった。また、必要以上の努力や関与を極力避ける“静かな退職”予備軍の割合は全体の約1/4であった。その割合を「埋もれ人材」と「能力発揮人材」で比較すると、「埋もれ人材」のほうが3倍以上多いことが明らかになった。

人材研究所 代表取締役社長/Thinkings組織再考ラボ フェローの曽和利光氏

この結果について曽和氏は、「『埋もれ人材』の割合が予想以上に多いと思った。少子化で人手不足が社会課題になっている中で、『埋もれ人材』がこんなにいるのは大きな問題だと感じている。また、“静かな退職”予備軍が全体の約1/4いるということは、将来的に組織の弱体化を招く可能性が高い。そして、『埋もれ人材』に“静かな退職”予備軍が多いという結果は、まさにその通りだと思う」とコメント。これに森田氏が、「『埋もれ人材』と回答した人は、仕事面だけでなく上司や同僚などとの人間関係も影響しているのではないか。人材配置を最適化するにはどうしたらよいのか」と質問すると、曽和氏は、「先進的な組織開発の取り組みでは、業務に対する能力や志向性はもちろん、パーソナリティーの相性まで最適化するのがポイントになる。今の組織開発には、性格面の最適化が欠けていると思う」と答えていた。

Thinkings 新規事業開発責任者の森田徹氏

2つ目のトピックスは、「社内公募制度」の実態について。回答者全体の約4割が「社内公募制度」があると回答。「埋もれ人材」の勤務先は、キャリアなどに関する制度導入や環境整備が進んでいない傾向がみられた。また、社内公募に応募した人は全体の約2割、応募して異動した人は全体の約1割。社内公募で異動した人には「会社への満足度が上がる」などのポジティブな変化があることがわかった。

曽和氏は、「思っていたよりも多くの企業が『社内公募制度』を導入していると感じた。この結果の裏側には、企業側が社員のキャリアプランに責任を持てなくなってきていることがあるように思う。企業が決めるのではなく、社員にキャリアを選択してもらうことで、企業側の責任は軽くなる。一方で、社内公募に応募した人が全体の約2割にとどまっているのは、企業と社員の意識に大きなギャップがあるとも考えられる。さらに、社内公募で実際に異動した人はその半分しかおらず、このことも『埋もれ人材』を増やすことにつながっているのではないか」と考察していた。

3つ目のトピックスは、社内公募・異動への期待について。社内公募によって異動をした人は、「能力発揮人材」のほうが「埋もれ人材」の約2.5倍多いことがわかった。「埋もれ人材」が応募しなかった理由の最多は「希望するポジションの公募がなかった」。今後希望するポジションの社内公募があれば応募意向があると回答した人は、全体の約半数を占める結果となった。

この結果を受けて、曽和氏は、「『埋もれ人材』には、自己認知が低い人が多いように感じる。自分がどの能力を伸ばせばよいのかわかっていないから、社内公募に応募もしないし、異動もできない。自己認知を高める方法の一つとして、社員の悪い部分を指摘するネガティブフィードバックがある。日本では、まだ企業側もうまくできていないのが実状だが、これからはネガティブフィードバックをうまく活用していくことも大切になる」と指摘する。「また、社内公募を広げるためには、職務記述書の内容もレベルアップする必要がある。例えば、人事部長という職種を公募する際には、単に人事部長が担当する仕事を羅列するのでなく、人事部長に求められるスキルや能力、価値観まで可視化することで、マッチングの質がさらに高まると考えている」と提言していた。

「sonar Connecter」の機能概要

最後に、新機能「sonar Connecter」の概要について、森田氏が紹介した。「『sonar Connecter』は、『採用管理システムsonar ATS』において、社内公募とキャリア採用を統合する新たなポジション管理ソリューションとなる。事業戦略と人事戦略をアラインするプラットフォームとして、事業部門の人材ニーズの把握から獲得、配置までを一貫して支援する」と、「採用管理システムsonar ATS」の価値を、人材最適配置プラットフォームへと拡張する新機能の一つなのだと強調する。「『sonar Connecter』は、外部労働市場と内部労働市場を同期し、最適な人材を最速で獲得するためのプロセスの質向上と業務効率化に寄与する。特に、募集ポジションの解像度を上げるジョブマネジメントを行うことで、必要なポジションの充足率を上げ、充足までの期間を短縮することができる。さらに、ポジションの理解促進を実現し、ミスマッチを防止するとともに、人的資本開示情報の向上も図ることができる。代表的な導入事例として、トヨタ自動車では、『sonar Connecter』を活用し、外部へのキャリア採用の募集枠を、社内公募枠としても同時に展開している。これによって、キャリア採用に社員が自ら挑戦できる機会を提供している」と、トヨタ自動車の導入事例を示しながら、「sonar Connecter」の導入価値を訴えた。

「sonar Connecter」の主な機能としては、人材リクエスト機能では、事業部門で必要な人材要件を申請し、事業部門や人事部門とのコラボレーションによって人材要件のすり合わせ、決定を行うことが可能。AIによるサジェスト機能によって、簡単に情報を生成できる。求人票作成機能では、人材リクエストで決定した人材要件を基に、社内(社内公募)・社外(キャリア採用)に利用する求人票を作成する。AIによるサジェスト機能を活用することで、人材要件から求人票への転換をスムーズに行うことが可能となる。

社内向けジョブボードでは、社内公募を行う際に、社員向けに募集ポジション一覧を公開し、応募受付ができる。応募した社員情報は「sonar ATS」に自動連携され、選考管理を「sonar ATS」で行うことができる。また、作成した求人票を応募以後の選考管理を行う「sonar ATS」に連携することが可能で、社内外の応募者情報を「sonar ATS」に集約することができる。

ダッシュボード画面イメージ

ダッシュボード・モニタリング機能では、社内外の採用活動の進捗状況を全社、部門別、職種別といった切り口で把握することができる。経営者、人事責任者や部門責任者、採用担当や部門担当など、それぞれの役割に応じた必要な情報を提供。人事部門と事業部門が円滑に連携し、適切な施策を迅速に講じることを支援する。

[調査概要]
調査名称:社内におけるキャリア開拓に関するアンケート調査
調査実施主体:Thinkings
調査対象者:調査会社のモニター登録者 ビジネスパーソン1069名
(全国の従業員1000名以上の企業に勤務する一般職)
調査期間:9月3日(水)~9月5日(金)

Thinkings=https://thinkings.co.jp/
採用管理システムsonar ATS=https://hr.sonar-ats.jp/1028_Connecter


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