- Health&Medical2025/10/30 20:21
エムスリー、「帯状疱疹ワクチン」の接種検討を呼びかける「帯状疱疹ワクチンに関するメディアセミナー」を開催

エムスリーが主催する「帯状疱疹ワクチンに関するメディアセミナー」が10月29日、都内にて開催された。エムスリー総合研究所 副所長の松山亮介氏、愛知医科大学皮膚科 教授の渡辺大輔先生、厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部 予防接種課 主査の竹内皓太氏がトークセッションを行い、帯状疱疹ワクチンの接種検討を呼びかけた。
エムスリーは、日本最大級の医療従事者専用サイト「m3.com」を中心とする巨大医療プラットフォームを活用し、多様なサービスを展開するベンチャー企業。2000年以降創業で唯一、日経225銘柄にも選ばれており、国内30万人以上、世界600万人以上の医師が利用するプラットフォームを活用し、日本、世界の医療の変革にチャレンジしている。

セミナーではまず、愛知医科大学皮膚科 教授の渡辺先生から「帯状疱疹」の特徴や症状などが説明された。「帯状疱疹」とは、過去に水痘(水ぼうそう)にかかった時に体の中に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することによって、神経に沿って、典型的には体の左右どちらかに帯状に、ときに痛みをともなう水疱(水ぶくれ)が出現する病気。70歳代で発症することが最も多く、合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともある。
渡辺先生は、日本では80歳までに約3人に1人が発病するといわれていることを説明。ワクチンを接種することで、発病に加えて後遺症も減らせるという報告が世界中であがっていることも紹介した。

続いて、厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部 予防接種課 主査の竹内氏からプレゼンが行われた。予防接種法の概要、帯状疱疹ワクチンの予防接種について、2025年度から65歳の人などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が予防接種法に基づく定期接種の対象になったことなどが説明された。

帯状疱疹ワクチンの全国接種率は15.2%となっているが、エムスリー総合研究所 副所長の松山氏は、都道府県別の最新のデータを用いて、平均接種率が最も高い長野県で25.4%、最も低い愛媛県で10.1%と約2.5倍の差が生じていることや、接種率上位5県の自己負担額は平均6640円と比較的低く設定されている傾向にある一方で、接種率下位5県では自己負担額が平均1万1500円と高く、自治体の助成額の格差による接種率の違いが浮き彫りとなっていることなどを紹介した。
プレゼンの後、渡辺先生、竹内氏、松山氏(MC)によるトークセッションと質疑応答が行われた。
「帯状疱疹ワクチン」の予防接種は「した方がいい?しない方がいい?」との疑問がテーマにあがると、竹内氏は自治体からの案内をよく読んだうえで医師に相談することを勧めた。

「生ワクチン」と「組換えワクチン」のどちらを接種すべきかという点については、渡辺先生は最新の調査報告などを踏まえ「定期接種の方に関しては助成をうまく活用し、効果の高いとされる組換えワクチンを打ってもらうのがいいのかなと個人的には思っている」とコメント。
「帯状疱疹ワクチン」の安全性に関しては、竹内氏は「審議会の方で議論してもらったうえで定期接種を導入している」と事実を提示。渡辺先生は、痛みが出ている人もいるものの「長く続く副反応が出たというケースは今のところ僕は聞いていないので、(痛みなどの副反応が出たとしても)数日間の副反応ということで理解してもらえればいいのかなと思っている」と見解を語った。
















