ウォッチニュース

[ドクター連載 第8回]失明につながる眼の病気とは? 加齢にともない発病リスクが高まる「緑内障」--眼疾患編(その1)

2012.10.30 05:49 更新

  私たち人間は、生活するために必要な情報の95%を眼から入手しているといわれています。もし、両眼が失明することになったら、これほど悲しいことはあり ません。それだけに、眼の健康を維持することは、とても大切なことなのです。しかし、「視力検査で問題がないから大丈夫」、「視力が悪くてもメガネやコン タクトレンズをすれば大丈夫」と、視力があるからといって、眼の健康を気にしない人が多いのが現状です。実は、眼の病気はほとんど自覚症状がなく、ゆっく りと進行していきます。そして、気づいた時には、失明寸前だったというケースも珍しくありません。そこで、今回からは、失明に至る恐れのある眼疾患につい てご紹介していきたいと思います。

 失明につながる眼疾患として、とくに注意したいのが「緑内障」「糖尿病網膜症」「黄斑変性症」の3つ です。視覚障害者手帳を交付された人の原因疾患を見ても、1位が「緑内障」、2位が「糖尿病網膜症」、そして4位が「黄斑変性症」と、この3つの眼疾患が 上位を占めています。以前は、これらの眼疾患にかかると、失明は避けられない状況でしたが、現在では、眼科医療の進歩にともない、早期発見・早期治療に よって失明を予防できるようになってきました。

 では、「緑内障」「糖尿病網膜症」「黄斑変性症」とは、それぞれどのような病気なのでしょう。ここからは、失明につながるこれら3つの眼疾患について、その特徴や症状、早期発見のポイントを説明していきたいと思います。

 まず、緑内障は、加齢にともなって眼圧が上昇し、眼の神経(視神経)や見える範囲(視野)が妨げられる病気です。眼圧とは、眼球の形を保つために 欠かせない圧力です。しかし、加齢により、眼の中の水が流れにくくなると、眼圧が上昇。眼圧が上がると、視神経にダメージを与え、視神経乳頭の陥凹が大き くなり、視野に障害をおよぼします。また、眼圧には日内変動があるのですが、眼圧が上がり、この変動が大きくなると、緑内障を発症・悪化するリスクが高ま るとされています。

 緑内障にかかると、視野がゆっくり、少しずつ欠けていきます。ただ、ほとんどの人は、相当進行しないと自覚症状が出 ることはありません。なぜならば、視野は中央から欠けていくわけではなく、また、欠けた視野が黒くなるわけでもないからです。さらに、片方の眼の視野が欠 けていても、もう片方の眼で補ってしまうため、なかなか視野が欠けていることを自覚することができないのです。例えば、ある患者さんのケースでは、右眼が 見えなくなっているのに全く気づかなかったという例もあるほどです。

 今や、40歳以上の20人に1人は緑内障といわれています。しかし、自覚症状がほとんどないだけに、自分自身で緑内障に気づくのは難しいといわざるを得ません。そこで、早期発見のためには、眼科検診を受けることが第一です。

  緑内障の検診では、眼圧検査、眼底検査、視野検査を行います。まず、眼圧検査では、眼圧の数値を調べます。眼圧の正常値は、12?18mmHgとされ、こ れを超えると緑内障のリスクが高まります。次に、眼底検査では、視神経乳頭などの状態をチェックし、視神経の障害の程度を検査します。ここでは、視神経乳 頭のくぼみの大きさが、緑内障の診断に役立ちます。そして、視野検査では、視野の中で見えにくいところ、見えていないところをチェックし、視野障害の程度 を調べます。

 これらの検査を行うことで、自分が緑内障であるかどうか、またその進行度合いも知ることができます。とくに、40歳以上の方は、1年に1回は眼科検診を受けることをおすすめします。

  さて、加齢にともない発症リスクが高まる緑内障に対して、糖尿病が原因で発症するのが糖尿病網膜症です。この病気は、若年層での発症も珍しくなく、糖尿病 人口の拡大にともない、今後、患者がさらに増加することが予測されます。次回は、この糖尿病網膜症、および黄斑変性症について詳しく見ていきます。(偕行 会 共立眼科クリニック 院長 長木康典)

医療法人偕行会グループ=http://www.kaikou.or.jp/
医療法人偕行会グループ facebookページ=https://www.facebook.com/kaikou


このページの先頭へ