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[ドクター連載 第2回]脳卒中の種類と危険因子、生活習慣改善による予防が第一に--脳卒中編(その1)

2012.04.24 06:00 更新

  高齢者に気をつけて欲しい病気の一つに脳卒中があります。とくに、脳卒中は発症すると命に関わる重大な病気で、日本の3大死因(平成22年統計)におい て、悪性新生物(がん)、心疾患に次ぐ第3位が脳血管疾患(脳卒中)となっています。また、命をとりとめたとしても、後遺症によって寝たきりなどになる ケースも多く、平成22年国民生活基礎調査では「要介護になった主な原因」の第1位が脳血管疾患(脳卒中)という結果が出ています。

 そこで、今回は、まず脳卒中とはどんな病気なのかを、みなさんに理解していただきたいと思います。脳卒中は、脳の血管障害を総称したもので、その 種類は、血管が詰まる「脳梗塞」と血管が破れて出血する「脳出血」の2つのタイプに大きくに分けられます。そして、それぞれのタイプごとに、さらにいくつ かの病態に分類されます。

 脳梗塞は、詰まる血管の太さやその詰まり方によって、「ラクナ梗塞」と「アテローム血栓性脳梗塞」、そして「心原性脳塞栓症」の3つのタイプに分 けられます。ラクナ梗塞は、脳の細い血管が詰まって起こる脳梗塞です。また、アテローム血栓性脳梗塞は、脳の太い動脈が詰まって起こるもので、この2つは 「脳血栓症」として総称されます。一方、心原性脳塞栓症は、心房細動によって心臓にできた血栓が血流に乗って脳の動脈へと運ばれ、そこで詰まって発症しま す。

 脳出血には、脳の細かい血管が破れる「脳出血」と、脳の動脈瘤に関係する「くも膜下出血」の2つのタイプがあります。くも膜下出血は、脳を覆って いる3枚の膜(外側から硬膜・くも膜・軟膜)のうち、くも膜と軟膜の間で脳の動脈にできた脳動脈瘤(コブ)が破裂することで起こるものです。いずれも、発 症すると命の危険性が高い重篤な病気といえます。

 これら脳卒中を引き起こす危険因子としては、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、飲酒などがあげられます。「脳卒中治療ガイドライン2009」によ ると、例えば高血圧の場合、収縮期血圧160以上、拡張期血圧95以上の方は脳卒中のリスクが3倍になるとされています。そのため、収縮期血圧140未 満、拡張期血圧90未満を目標に、高血圧を改善することが重要になります。

 また、糖尿病を患っている方も、同じくリスクが3倍に高まります。さらに、総コレステロールが240以上の方も、脳卒中の死亡率が上昇。そして、 喫煙は、脳梗塞を引き起こす大きな危険因子になると考えられています。飲酒は、1日3合のお酒を飲んだ場合、脳卒中のリスクは2倍になりますが、少量の飲 酒ならば、逆に発症率は0.8倍と危険性が下がることが指摘されています。

 こうした危険因子は、生活習慣を改善することで取り除くことができます。つまり、脳卒中は予防することができる病気なのです。とくに、脳卒中の大 きなリスクとなる高血圧については、減塩の食事を心がける、運動する習慣をつける、禁煙する、お酒を控えるなどによって、血圧を改善することを心がけてく ださい。また、普段から血圧を測る習慣をつけて管理をすることも大切です。この時は、お風呂あがりや運動直後は避け、毎日決まった時間に測るようにしてく ださい。

 ここまで、脳卒中がどのような病気なのか、ご紹介してきました。そして、正しい生活習慣を心がけることで、予防できることもおわかりになったと思 います。しかし、脳卒中は、前ぶれがなく、突然発症することも特徴です。そこで次回は、脳卒中が疑われる症状を紹介し、そのリスクや対処法をご説明したい と思います。(医療法人偕行会グループ 名古屋共立病院 脳神経外科部長 青山国広)

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