オルツ、人格生成プラットフォーム「CLONEdev」のα版をリリース、WEB UIのシンプルな操作でデジタルクローンを生成

「CLONEdev」α版で生成されたオルツの米倉千貴代表取締役、経済学者・データ科学者 成田悠輔氏、アーティスト・シンガーソングライターの静電場朔氏のクローンによるディスカッションの様子

P.A.I.(パーソナル人工知能)をはじめ、AIクローン技術でつくり出すパーソナルAIの開発および実用化を行うオルツは、デジタル上で人間の再現を可能にする人格生成プラットフォーム「CLONEdev(クローンデブ)」のα版および、同社が開発した大規模言語モデルである「LHTM-2」を基盤としたノーコードエージェント生成プラットフォーム「altBRAIN(オルツブレイン)」のα版を発表した。これらの詳細を5月24日に六本木で開催された「オルツカンファレンス2023 -生か死か 生成AIの齎す破壊と創造-」で紹介した。

オルツの米倉千貴代表取締役

「当社は、国内外最高峰のアカデミア連携と最先端テクノロジー分野の研究者からなるテクノロジー企業で、累計資金調達額は60億円超となっている」と、オルツの米倉千貴代表取締役が挨拶。「今回発表する『CLONEdev(クローンデブ)』は、人工意識を生成するCLONE MODERING ENGINEを通して、利用者の人格をデジタル上に再現する世界初のシステムとなる。利用者のライフログと連携し、WEB UIのシンプルな操作でデジタルクローンが生成される」と、人格生成プラットフォーム「クローンデブ」の概要について説明する。「このプラットフォームは、オルツのデータ保管システム『alt ID(オルツID)』で保管されるSNSやLINE等のライフログのデータと、言語処理や画像生成などの技術を組み合わせて一人ひとりの人間の個性を導き出すことで、その人の意思を汲んだ対話が可能なアウトプットを生成する」とのこと。「α版では、私に加え、国内外で活躍する経済学者・データ科学者 成田悠輔氏、アーティスト・シンガーソングライターの静電場朔氏の3名のクローンをトライアルすることができる」と「クローンデブ」のデモを開始。「オルツカンファレンス2023 -生か死か 生成AIの齎す破壊と創造-」では、3名のデジタルクローンによるディスカッションも披露した。

「『クローンデブ』のクローン生成プラットフォームは、オルツ独自の大規模言語モデルである『LHTM-2』を使用。このモデルは膨大な計算リソースを必要とするため、今後は当社の分散演算基盤『alt Emeth(オルツ・エメス)』プロジェクトとの連携を進める」と「クローンデブ」の今後についても発表した。

オルツの米倉千貴代表取締役

「『クローンデブ』は、日本語と英語の対話をサポートすることで、海外でも広く活用されることを目指しており、当社は、8月までに一般のユーザーにもクローンの生成機能を提供する予定となっている。オルツは、当社が開発・提供するP.A.I.(パーソナル人工知能)によって人類の労役をなくすとともに、人類全体をデジタル化し、未来に向けて人類を保管していく仕組みの実現に向けて、邁進する」と、非創造的な行動から人類を解放したいと述べていた。

altBRAIN(オルツブレイン)のデモの様子

次に、ノーコードエージェント生成プラットフォーム「オルツブレイン」について紹介。「『エージェント』とは、人間の代行として処理を実行するソフトウェアの通称となっている。『オルツブレイン』は、織田信長や著名人のキャラクター生成をはじめ、ゲーム攻略エージェントや内科・小児科などの問診で使用可能な問診エージェントなど、多岐にわたるエージェントの作成をノーコードで容易に行うことができるプラットフォームとなっている。現在のα版では約20種類のエージェントを用意し、そのすべてを無料で利用できる」という。

altBRAIN(オルツブレイン)のデモの様子

「『オルツブレイン』は、オルツが開発・提供する大規模言語モデル『LHTM-2』の能力を活用している。このプラットフォームの重要な機能の一つとして、LINE、Slack、Discordなど、多用なプラットフォーム上でエージェントを自動生成できる点が挙げられる」と、LINE Botなどを簡単に作成することができるため、コミュニケーション領域における新たな可能性を追及することができるのだという。「また、このプラットフォームは、急速に成長する大規模言語モデルのニーズに即座に対応可能な柔軟性を有している。そのため、エンターテインメント領域から、企業内のエキスパートシステムやFAQシステムまで、様々な用途に応じたエージェントをスピーディーに構築することができる」と、WEB UIによる操作で医療国家試験に合格するレベルの超高度なエージェントを生成できると紹介する。

altBRAIN(オルツブレイン)のデモの様子

「当社は今後、プラットフォームの利用者数の拡大を目指すとともに、企業に対するエージェント生成の受託生産も行う予定」と、様々な分野で業務をサポートできると力説する。この一例として、野村証券のお問い合わせフォームに入力された質問に「オルツブレイン」が回答するデモも披露された。

「『LHTM-2』という『事実性』を重視した大規模言語モデルをノーコードで利用できる環境は、当社が挑む新たな試みとなる。実際のユースケースを容易に作り出すプラットフォームを提供することで、当社は次世代のコミュニケーションの形を創造し、ユーザーに革新的な体験を提供していく」とアピールした。

なお、「オルツブレイン」の正式ローンチは7月を予定しており、その時点では100体以上のエージェントの提供を目指しているという。

オルツ 執行役員の西川仁CTO

次に、「LHTM-2」の特長と優位性、GPTとの比較やサービス活用例、生成AIに関する同社の取り組みについて、オルツ 執行役員の西川仁CTOが説明した。「当社独自の大規模言語モデル『LHTM-2』は、約1600億パラメタ(GPT-3が1750億パラメタ)で、約10億パラメタの小型モデルも存在する。言語は多言語対応で、日本語のみのモデルも存在する。学習データは、インターネット上のテキストおよびWikipediaを中心に訓練している」と、概ね「GPT-3」相当のスペックを有しているとのこと。「個人や企業などの特定の組織におけるユーズケースを想定し、カスタマイズのしやすさを念頭に設計。事実性を加味した出力を誘導する。単一の大規模言語モデルを多数のユーザーが使い回すのではなく特定のユーザーが独立した大規模言語モデルを情報漏洩等の恐れなく使えるように設計する」と、役立つ情報だけを提供する大規模言語モデルなのだと話していた。

「『ChatGPT』は、『GPT-3』を基礎に派生モデルを構築しその中で『Chatbot』というUI/UXが素晴らしく、『ChatGPT』が急速に普及した。一方、『LHTM-2』はそもそも適切な派生モデルとそのUI/UXを作ることに中核的な価値があり、その点に注力した」と、根本的な方針が異なるのだという。「『LHTM-2』のユースケースとしては、企業などの特定の組織における知識の集約と活用が可能で、医療や法律など特定の分野でのAIエキスパートとしても活用できる」と、ナレッジベースの優位性があると強調。「個々人のための意思決定、ルーチン作業代行といったパーソナルアシスタントとしての役割の他、卓越した営業手法の模倣、分析や、応答が必要な作業の代行。傑出した能力の人々の行動原理の保管といったAI Cloneとしてのケースも想定される」と、カスタマイズ性、事実性、独自性を基礎に個々の目的に注力できると解説する。「具体的には、当社とファストドクターが共同開発した生成系AIが禁忌問題を含む医師国家試験において合格点に到達した」と、特定分野でのAIエキスパートの実例を紹介した。

オルツ 執行役員の西川仁CTO

「『LHTM-2』は、『GPT-3』相当の能力を保持し、カスタマイズを念頭に置き、事実性を重視し、独立した環境で動作させることを想定して設計した。プロンプト・エンジニアリングのための補助機能を搭載し、『alt developer』経由で利用できる」と、従来の対話型AIの課題を解決した大規模言語モデルなのだとまとめていた。

オルツ=https://alt.ai/
CLONEdev(クローンデブ)=https://clone.dev/
altBRAIN(オルツブレイン)=https://altbrain.ai/


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