その他ニュース

アイモバイル、社会課題の解決と地方創生を目指す「ふるさと納税地方創生協働ラボ」を設立、ひとり親家庭と農家を支援する実証実験を開始

2021.12.11 17:51 更新

 アイモバイルは、12月9日に、企業版ふるさと納税を起点にした、産官学の協働で社会課題の解決と地方創生の実現を目指す「ふるさと納税地方創生協働ラボ」を設立した。同ラボでは、民間企業が自治体、NPO法人、教育機関等のさまざまなステークホルダーと協働することで、企業版ふるさと納税を活用する企業を拡げるとともに、社会課題の解決、地方創生、企業SDGs課題解決を目指す「“三方良し”の新しいふるさと納税」の実証を目的として取り組んでいく。また、この実証の第一弾として、12月10日から、コロナ禍で疲弊するひとり親家庭と担い手不足や消費減少によって苦しむ農家に対する支援を実施する。12月9日に行われた、ふるさと納税地方創生協働ラボローンチ発表会では、新たな協働ラボを設立する狙いや意義、実証の概要について説明した他、第一弾の実証実験に参加する茨城県つくばみらい市の小田川浩市長と、しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長をゲストに迎えたトークセッションを実施した。

 「当社は、『“ひとの未来”に貢献する事業を創造し続ける』ことをグループビジョンに掲げ、『マーケティングで価値ある体験を提供し続ける』ことをミッションとして事業を展開している。また、このグループビジョンの実現に向け、事業を始めとした企業活動を通じ、社会課題の解決に取り組み、すべてのステークホルダーにとって魅力的な企業として、継続的な企業価値の向上を目指している」と、アイモバイルの田中俊彦社長が挨拶。「サステナビリティへの取り組みとしては、地方自治体および広範なステークホルダーとの連携を図り、地方創生に資する持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献するため、『官民連携プラットフォーム』に参画している。また、『企業版ふるさと納税分科会』に参加し、社会課題の解決に対して『企業版ふるさと納税』を活用するメリットを周知していく。この他、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、TCFDコンソーシアムに参加している」と、サステナビリティ推進に向けた活動にも注力していると述べた。

 「当社では、ふるさと納税事業『ふるなび』による社会課題の解決に加え、企業版ふるさと納税(地方創生応援税)を活用した寄附を通じて、地方創生の支援を行っている。また、ふるさと納税ポータルサイト『ふるなび』は、3年連続で『利用者メリット』『利用者満足度』『注目のふるさと納税サイト』の3つの部門でNo.1に選ばれている(日本マーケティングリサーチ機構調べ)。さらに『ふるなび』は、国税庁からふるさと納税に係る特定事業者に第一号認定された」と、ユーザーの利便性向上と社会貢献の2つを軸に、「ふるなび」関連サービスを展開していると説明する。「地方創生に向けた活動としては、旅行で地方と都市部をつなぐ『ふるなびトラベル』、美食体験で地方と都市部をつなぐ『美食体験返礼品』を提供している他、ふるなび災害支援やふるなびクラウドファンディング、新型コロナウイルス感染症に対する支援などを行ってきた。そして今回、民間企業と自治体が協働することで、新スキームによる社会課題の解決および地方創生に資する新事業の創造を目指し、ふるさと納税地方創生協働ラボを立ち上げた。民間企業がさまざまなステークホルダーと協働し、ふるさと納税の新たな可能性を探っていく」と、ふるさと納税地方創生協働ラボを設立した背景を語った。

 続いて、アイモバイルの文田康博取締役が「ふるさと納税地方創生協働ラボ」の概要を紹介した。「制度開始から13年を超えた『ふるさと納税』は、変化をともないながら地方創生の制度として定着しており、コロナ禍においては、生産者支援などによる社会課題の解決という地方創生の新しい可能性が示された。また、開始からから6年目を迎えた『企業版ふるさと納税』も税制改正によって件数が大幅に増加している。こうした状況の中、『ふるさと納税地方創生協働ラボ』では、『企業版ふるさと納税』を活用した官民連携と、『ふるさと納税』を活用した個人の協働による社会課題の解決、地方創生を実証し、成果を社会に還元していく。これによって、サステナビリティを起点とした経営や地域経営の拡大に貢献していく」と、同ラボの活動主旨を説明する。「今回、実証実験の第一弾にあたっては、『農業人口、米需要の減少と米作産業の衰退』と『ひとり親家庭の貧困』、『企業のSDGsに向けての活動の課題』という3つの社会課題に着目した。茨城県つくばみらい市の戦略に賛同し、地方創生に資する産業振興、食料自給率維持のため、需要減少に悩む米作産業に対する支援を行うと同時に、ひとり親家庭の貧困問題についての支援を行うことで、2つの社会課題の解決に取り組む」と、コロナ禍に苦しむひとり親家庭と、担い手不足や消費減少によって苦しむ農家を支援する実証実験に着手するという。

 「実証実験の支援スキームとしては、アイモバイルが、つくばみらい市に対して『企業版ふるさと納税』による事業支援を行い、つくばみらい市では市内米作農業支援事業を推進する。一方、『ふるさと納税』では、ふるなびクラウドファンディングによって個人から寄附を募り、域内米5kgをしんぐるまざあず・ふぉーらむを通じて、ひとり親家庭に届ける。第1期の受付期間は12月10日から来年1月31日までとなる。寄付額2100万円を期間目標とし、5kgの米袋約9000袋分の食糧支援を想定している」と、ひとり親家庭と市内米作農業の双方を支援する具体的なスキームについて解説した。「今後は、今回の実証実験をモデルケースとして、産官学の連携による、企業版ふるさと納税制度とふるさと納税制度を活用した社会貢献のフォーマットを作る。そして、これらの制度を活用する企業を広げ、社会課題の解決と地方創生の実現を目指していく」と、ふるさと納税制度を活用した社会課題解決型の支援フォーマットを作成し、幅広い企業や自治体に展開していく考えを示した。

 文田取締役の発表を受け、実証実験の政策評価アドバイザリーを務める明治大学公共政策大学院 ガバナンス研究科 研究科長の長畑誠専任教授が、「ふるさと納税地方創生協働ラボ」による官民協働の可能性と事業の評価についてコメントした。「この実証スキームの大きな特長は、個人が、ふるなびクラウドファンディングで、つくばみらい市に寄附を行うという点にある。寄附したお金は、しんぐるまざあず・ふぉーらむを通じて、支援品のお米5kgとなって、ひとり親家庭に届けられる。寄附者に返礼品が戻ってこないという、この仕組みがちゃんと機能するのかがカギになる」と、個人への返礼品がない新しい形のふるさと納税にチャレンジすることになると指摘する。「また、ふるさと納税制度と企業版ふるさと納税制度を一体化したスキームになっているのも大きな特長といえる。個人の寄附者、寄附を受けて活動しているNPO法人、社会課題に貢献したい民間企業、そして課題を抱える自治体まですべてを巻き込み、課題解決を目指す仕組みとなっている。今回の実証実験を経て、このフォーマットが他の企業や自治体にも受け入れられるかが2つめのカギになるとみている」と、ふるさと納税地方創生協働ラボの成功に向けた期待と課題を語った。

 ここで、第一弾の実証実証に参加するつくばみらい市の小田川浩市長と、しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子理事長をゲストに迎え、アイモバイルの田中社長を含めた3名によるトークセッションが行われた。なお、アイモバイルの文田取締役がファシリテーターを務めた。

 つくばみらい市の小田川市長は、「つくばみらい市では、米作農業を主力産業としてきたが、近年は農業従事者の高齢化と後継者不足により離農が進み、農家数が激減している。これにともない、一人当たりの耕作面積は東京ドーム1個分にまで広がっている」と、基幹産業である米作農業が非常に厳しい状況にあると説明する。「そこで、米作農業への新規就労者を増やすべく、『みらい型農業』に取り組んでいる。クボタと提携し、全国で初めて『農機シェアリングサービス」を開始した。新しく米作農業を始めたい人の負担になる農業機械などへの初期投資をサポートしている。また、井関農機と連携し、農作業のデータ化や労働力の削減を図るため、スマート農機を用いた取り組みも進めている。さらに、つくばみらい市のお米が、今後より一層評価され消費の拡大につなげていけるよう、米コンテストを開催した。食味分析の結果、食味値平均は80点以上となり、つくばみらい市のお米のおいしさが証明された」と、同市が取り組む「みらい型農業」について紹介した。

 しんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石理事長は、「昨年4月に緊急事態宣言が発令されて以降、ひとり親家庭からのメール相談が激増した。一斉休校時の食品支援アンケートでは、『出かけずにじっとしている。子ども達も私も1日一食になった』『自分のご飯は2日に一度にしている』など深刻な回答が寄せられた」と、コロナ禍で困窮するひとり親家庭の実態を語る。「こうした状況を受け、私たちは『だいじょうぶだよ!プロジェクト』を立ち上げ、お米や食品、お菓子などを延べ5万5000世帯のひとり親家庭に届けてきた。ひとり親家庭は、平常時でもさまざまな不利があることに加え、コロナ禍でさらに不利が重なり、経済的に厳しい生活を強いられている」と、ひとり親家庭を救うべく、生活に必要な食料を届けているという。「今回、『ふるさと納税地方創生協働ラボ』の実証実験に参加し、つくばみらい市のおいしいお米を届けられることをうれしく思っている。これを機に、社会課題の解決に多くの人が賛同してくれることを願っている」と、ひとり親家庭の支援に多くの寄附が集まることに期待を寄せた。

 アイモバイルの田中社長は、「米作農家の離農が増加している状況、またひとり親家庭が困窮している実態を改めて認識することができた。この他にも、日本にはさまざまな社会課題があり、悩みを抱えている自治体や組織、家庭は多いと考えている。当社では、『ふるさと納税地方創生協働ラボ』を通じて、ふるさと納税の活用方法をさらに広げていくと共に、企業版ふるさと納税についても利用企業の拡大を図り、これからも社会貢献に努めていきたい」と、ふるさと納税を活用した社会課題の解決と地方創生に全力で取り組んでいくと意欲を見せていた。

アイモバイル=https://www.i-mobile.co.jp/
ふるなび=https://furunavi.jp/
つくばみらい市=https://www.city.tsukubamirai.lg.jp/
しんぐるまざあず・ふぉーらむ=https://www.single-mama.com/


このページの先頭へ