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LIFULL、不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」で「洪水ハザードマップ」を「地図から探す」機能に追加、水害リスクから考える住まいの探し方を提案

2021.09.13 20:12 更新

 LIFULLが提供する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」は、6月16日から不動産ポータルサイトで初となる「洪水・土砂災害・地震ハザードマップ」を新築一戸建て物件詳細に提供を開始した。9月10日に行われたオンラインセミナーでは、このハザードマップ提供の背景やハザードマップの利用方法などについて紹介した他、京都芸術大学教授で、Earth Literacy Program代表の竹村眞一先生が、猛威をふるう気候変動の最新動向と気候変動への創造的「適応」と題したセミナーを開催した。

 まず、LIFULL LIFULL HOME'S事業本部プロダクトプランニング1部の大久保慎部長が、LIFULL HOME'Sの事業戦略と世界各国のハザードマップの提供状況について紹介した。「当社は、日本最大級の不動産・住宅情報サイト『LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)』の運営を行う他、世界最大の不動産アグリケーションサイト『Trovit』と『Mitula』の運営を行っている。さらに花の定期便サービス『LIFULL FLOWER』も運営している」と、事業概要について解説。「そして、『LIFULL HOME'S』では、不動産ポータルサイトで初となる『洪水・土砂災害・地震ハザードマップ』を新築一戸建て物件詳細に提供を開始した」と、災害リスクを確認して、安心の住まい探しができるサイトへと進化させたのだと強調する。「不動産情報サイトにハザードマップを提供する動きは、我が国だけでなく、米国でも始まりつつある」と、米国3位の不動産情報検索サイトや全米4位の不動産サイトおよびオンライン仲介では全米1位のサイト、オンライン仲介サイト全米2位のサイトで、洪水や気候リスクなどのハザードマップの掲載を開始しているという。「しかし、米国以外での提供例はほとんどなく、提供方法も試行錯誤で、ビジネスの影響から踏み切れないサイトもある」と、二の足を踏む企業も少なくないと指摘していた。

 次に、同 蔭山亜由美氏が、ハザードマップ提供背景と災害意識独自調査およびハザードマップの利用方法について説明した。「近年全国各地で、集中豪雨による水害で住宅に甚大な被害が生じている」と、毎年のように大きな災害が全国で発生していると訴える。「国土交通省『災害リスク地域に居住する世帯の状況』(出典:国勢調査および国土数値情報より国土交通省作成)では、土砂災害・水害のリスクがあるエリアに居住している世帯が約23%あると推計されており、不動産取引時においても、水害リスクに係る情報が契約締結の意思決定を行う上で重要な要素となっている。これらの背景を受け、同機関から、水害ハザードマップにおける物件の所在地の説明義務化が昨年8月28日から施行した」とのこと。「これを受けて、LIFULL HOME'Sでは、住まい探しの段階から物件エリアにおける洪水リスクを知ることができるよう、地図から探す機能に『洪水ハザードマップ』を昨年8月に追加した」と、想定降雨量で河川がはん濫した場合において、浸水が想定される区域をシミュレーションしたものを提供しているという。

 「消費者の自然災害に対する意識も変化しており、住み替え・建て替えの際に調べた情報として、“災害に強いエリアかどうか”を調べた人は賃貸・売買ともに2019年に比べて2020年では6ポイント以上増加した」と、住まいを選ぶうえで、災害は重要なファクターになってきているとの見解を示す。「そこで、LIFULL HOME'Sでは、不動産ポータルサイトで初となる洪水・土砂災害・地震ハザードマップを新築一戸建て物件詳細に提供を開始した」と、洪水、土砂災害、液状化、最大震度の4項目を調べることができる機能を追加したのだと説明する。「この機能によって、物件探しの初期段階から、物件周辺の災害リスクを確認することができ、複数の災害リスクを網羅的に確認できる。また、動的な地図によって周辺の災害リスクも確認できる。そして、あらゆる人が情報を取得できるよう、色のバリアフリーに対応した」と、洪水・土砂災害・地震ハザードマップのメリットについて説明した。

  「利用者からの評価についても、別のサイトに行かずに物件詳細画面で災害リスクを確認できるので便利といった声が寄せられた」と、好評であるとのこと。「今後は、マンションなど戸建て以外の物件にも展開していく」と、洪水・土砂災害・地震ハザードマップが確認できる物件を増やしていくことで、消費者の安心・安全な物件選びのサポートをしていきたい考えを示した。

 そして、京都芸術大学教授で、Earth Literacy Program代表の竹村眞一先生が、変動する地球との創造的共生~異次元の適応策にむけて~と題した講演を行った。「地球温暖化の兆候から水害が全世界に急増している」と、日本だけでなく、米国やフィリピン、タイなどの水害を紹介。「社会がグローバル化していく中、地球の裏側の災害も他人事ではない時代に突入した」と、2011年に起きたタイの日本企業の工場水没を例に、外国の災害も日本に多大な影響を与えるようになっていると話していた。

 「地球温暖化によって災害のリスクは増えているが、温暖化を食い止めることができれば、リスクを低減させることができる」と、私たち自身で未来を変えることができるとのこと。「このまま二酸化炭素を放出し続けると、地球の大地は砂漠と化してしまう。しかし、気温を1.5℃下げることで、現在の環境を維持することができる」と、シミュレーションを示しながら、リスク回避が可能である点を示した。

 「また、内なる脆弱性に目を向けることも必要になる」と、東京は元々湿地帯であり、そこにどれだけの人口と社会資産が増えたのかということを把握しておく必要があると訴える。「東京だけでなく、上海などの中国沿岸部やバンコク、ニューヨーク、ロンドンといった世界の大都市に対しても、同様に把握しておく必要がある」と、災害についてはグローバルに見ていく必要性を説いていた。「そして、これからは水害(水没)を前提にした都市デザインの思考を備えることも大切になる」と、異次元の適応戦略が重要なのだと訴える。「逃げ出す街から、逃げなくて済む(逃げ込める街)という考えを持つ必要も大切だ」と、水害や水没をある程度想定した、都市デザインや住居の間取りなどを考えることも重要になってくるとまとめていた。

LIFULL=https://lifull.com/


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