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東洋製罐グループ、"人を包む"組立式ダンボールテント「DAN DAN DOME」を提供開始、極地建築家・村上祐資氏との共同開発でダンボールの新たな可能性を提案

2021.08.18 12:55 更新

 東洋製罐グループは、様々な課題に向き合うことでイノベーションを起こし、より豊かな社会の実現を目指すプロジェクト「OPEN UP!PROJECT」の一環で、被災地から観光地まで様々なシーンでの活用を想定した“ダンボールアーキテクチャー”として、組立式ダンボールテント「DAN DAN DOME」を提供開始した。今年秋頃から一般販売を開始する。8月16日に行われた発表会では、極地建築家の村上祐資氏と共同開発した背景や、「DAN DAN DOME」のプロダクト概要、利用シーンなどについて説明した。

 「当社は、104年前に缶を作る事業から創業し、現在では、金属、ガラス、プラスチック、紙などさまざまな素材を使った包装容器のリーディングカンパニーとなっている。容器を通じて、食品や飲料などの社会インフラを支える重要な役割を担っていると自負している」と、東洋製罐グループホールディングス グループ技術開発機能統轄・イノベーション推進室の中村琢司室長が挨拶。「一方で、容器は、バイオプラスチック問題やリサイクル、食品ロス問題等の社会課題に密接に関わっており、社会的な責任が問われている。そのため当社では、社会課題の解決に貢献することを技術開発の最重要ポイントとしている」と、社会課題の解決に必要となる技術開発に力を注いでいるという。「近年では、容器の形状・素材が多様化したことで、従来のような回収や循環のサイクルがうまく回らなくなってきていると感じている。そこで今回、当社が扱う多様な素材の中から、生活に身近なダンボールに着目し、“捨てること”の意味を再定義するプロダクトを提案する」と、循環型社会に貢献するべく、ダンボールの新たな可能性を指し示していくと意気込んだ。

 続いて、日本トーカンパッケージの佐藤康博包装開発センター長が、「DAN DAN DOME」の開発背景について説明した。「東洋製罐グループでは、100年以上、食品や飲料、生活用品を“包むこと”に真剣に向き合う一方で、使い終わった後の“捨てること”にも常に最前線で向き合ってきた。その中で今回、気兼ねなく捨てられるからこそ、作るプロセスや使うプロセスにも新たな価値を生むことができると考え、“捨てること”からデザインしたプロダクトの開発に取り組んだ」と、「DAN DAN DOME」を開発するに至る経緯を紹介。「開発に当たっては、さまざまな極地や被災地を訪問し、プラスチックダンボール製の組立式テントで居住空間を提供している極地建築家の村上祐資氏との共同開発を行った。当社の持つダンボール加工技術・製造技術と村上氏の知見と経験を掛け合わせ、ダンボールを使った新たな組立式テントを目指した」とのこと。「日本における古紙回収率は95%といわれ、ダンボールは非常に高いリサイクル率を誇っている。また、ダンボールは、二次利用がしやすく、子どもの工作や製品のプロトタイピングなどさまざまな用途に使われている。そして、二次利用した後も、容易に分別して捨てることができる。今回の『DAN DAN DOME』では、誰でも扱いやすく、リサイクル率の高いダンボールの利点を生かしながら、“人を包む”ダンボールアーキテクチャを追求した」と、ダンボールを素材に使うことの意義を訴えた。

 そして、東洋製罐グループと共同で開発を手掛けたNPO法人フィールドアシスタント代表で極地建築家の村上祐資氏が、「DAN DAN DOME」に込めた想いを語った。「私が東洋製罐グループと出会ったのは2年ほど前。そこで初めて、モノを包み、送り届ける包装容器の世界に触れた。私は、以前から極地や被災地で居住空間を確保できる組立式テントの提供を行ってきたが、この出会いを機に、人の暮らしそのものを包み込めるようなプロダクトを作りたいと考えるようになった」と、「DAN DAN DOME」の構想が生まれたきっかけを明かす。「そして、日本トーカンパッケージのダンボール加工・製造技術と、私が経験した極地で暮らすノウハウや知見を組み合わせ、ダンボールの持つ力を最大限引き出した“人を包む”組立式テント『DAN DAN DOME』が完成した。『DAN DAN DOME』というネーミングには、ダンボールテントを作る作業を通じて、見ず知らずの人がだんだん仲間になっていく、テントがだんだん出来上がっていくといった、ゆっくりだが確実に人々の暮らしを築いていくという想いを込めている」と、従来のプロダクトとは一線を画す組立式ダンボールテントが完成したと目を細めていた。

 次に、日本トーカンパッケージ 包装開発センターの一丸欣司包装技術グループリーダーが、「DAN DAN DOME」の製品特長やラインアップについて詳しく紹介した。「『DAN DAN DOME』は、軽くて丈夫な素材で耐久性に優れたダンボール製の組立式テントとなっている。ネジや釘を一切使用せず、プラスパーツとマイナスパーツを組み合わせるプッシュジョイントでダンボールをつないでいくことが可能で、誰でも簡単に作業をすることができる」と、工具などを使うことなく直感的に組み立てることができるという。

 「また、ダンボールは水分が最大の弱点となるが、『DAN DAN DOME』では、東洋製罐グループ独自のラミネート技術『たもっちゃん』を採用。ダンボールの表面に薄い樹脂をラミネートすることで高い耐水性を実現しており、雨の中でも使うことができる」と、ダンボールでありながら雨にも強いテントになっていると胸を張る。「使用するパーツは、通常のダンボールと同様にリサイクルが可能で、テントや居住空間の再生可能資源への代替としても活用できる」と、使い終わった後は、パーツを分解して資源ごみとして捨てることができると教えてくれた。

 「製品ラインアップは、『STANDARD』、『LITE』、『ART』の3モデルを展開する。『STANDARD』は、屋外への設置を想定した耐水モデルとなっている。キャンプ場や街なか、屋外撮影現場、フェス仮設テントなどでの利用シーンを想定している。丁寧に解体することで、再度組み立てて使うこともできる」とのこと。

 「『LITE』は、一般ダンボールを構造材とした屋内用モデル。体育館をはじめとした公共施設、イベントスペース、災害時の避難所などでの利用を想定している。1度きりの使用となるが、素材以外の構造・スペックは『STANDARD』と同等になっている」と、利用シーンに応じて屋外用モデルと屋内用モデルを用意したという。

 「『ART』は、屋外使用に対応した『STANDARD』をベースにしたホワイトモデル。オプションとして加えたインナールーフにより内外とも表面に突起がほぼなくなるため、ドーム内部でプロジェクターを投影することも可能となる。また、白色の外壁テクスチャーは、印刷やペイントにも対応しており、『DAN DAN DOME』を使ったアート創作やプロモーションメディアなど組立式テントの新たな可能性を開拓していく」と、「ART」モデルは多目的に使うことができるとアピールした。

 「今後の展開としては、今年秋頃に一般販売する3モデルに加えて、極地遠征での使用を想定した『EXPLORE』モデルの開発を進めている。また、『DAN DAN DOME』のテント内で使う窓枠や消臭フィルター、ベッド、テーブル、スツールなどのオプションパーツも提供していく予定。新たなサイズ展開も検討しており、1/2サイズの子ども用モデルや、1/8サイズのペット用モデル等も提案していく」と、バリエーション豊かなラインアップを揃え、「DAN DAN DOME」の活用シーンをさらに広げていく考えを示した。

東洋製罐グループホールディングス=https://www.tskg-hd.com/
日本トーカンパッケージ=https://www.tokan.co.jp/ntp/
DAN DAN DOME公式サイト=https://dandandome.com/


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