その他ニュース

"お風呂のプロ集団"ノーリツが3月10日に創業70周年、お風呂の歴史と共にノーリツの歩みを振り返る、「音声ボイスリモコン」は累計販売台数1600万台を突破

2021.03.04 17:05 更新

 湯まわり設備メーカーのノーリツは、3月10日に70周年を迎える。1951年「能率風呂工業株式会社」として創業してから70年、創業の原点である「お風呂は人を幸せにする」の理念を大切に、日本ひいては世界のお風呂の進化を目指し活動してきた。ノーリツを象徴する一つの存在が、一度は聞いたことがあるかもしれない、あのお風呂が沸いた時のメロディ。この「幸せのスイッチ」が誕生したのは1997年。そこから遡った46年前に風呂釜の製造を開始した時から、ノーリツはずっと“お風呂で人を幸せにする”ことを考え続けてきた。そして昨年、同社の「音声ボイスリモコン」の累計販売台数が1600万台を突破したという。そこで今回、ノーリツ70年の歩みを振り返ると共に、「音声ボイスリモコン」の開発秘話を紹介する。

 ノーリツの歴史を辿ることは、お風呂の歴史を辿ることでもある。お風呂の歴史は、薪、ガス、電気の導入、そして環境性能の高い省エネ方式へと変化した家庭エネルギーの進化と切り離せない。その中で、お風呂や給湯器の機能は、顧客のニーズや悩みに応える形で進化を続けてきた。ノーリツの一つひとつの製品や技術には「お風呂は人を幸せにする」という価値の提供、そして安全・安心に入浴してほしいという思いが込められているという。

 それでは、ノーリツが「能率風呂工業」として設立された1951年まで、お風呂の歴史を遡ってみよう。1950年代までのエネルギーは薪や石炭が一般的で、風呂釜は鋳物であった。戦後のエネルギーが希少な時代、少ない燃料でも能率よくお風呂を沸かせる商品として、ノーリツのさめないタイル風呂「能率風呂 A型・B型」が誕生したとのこと。

 1960年初期からは、エネルギーがガスに移行し、風呂沸かしの手間が大幅削減。風呂釜の製造は職人による鋳造から工業生産へと移行した。その中でノーリツは、1961年に業界初のアルミ製ガス風呂釜「GS型」を発売。1968年には空焚き防止安全装置「ガスカット」付きのガス風呂釜を発売した。各家庭に浴室が普及したこの時代、浴槽への水の入れ忘れや排水栓の締め忘れなどによる空焚きが原因で火災が発生することもあり、安全性が求められる中で同製品が誕生した。また、1970年に、浴室内から種火の点火・消火ができる「マジコン」を発売。屋外での点火・消火が一般的だった中、“雨の日、寒い日の湯沸かしが大変”という声に応えた画期的製品であった。

 1970年後半からガス機器にエレクトロニクス技術の導入が始まる。ノーリツでは、1977年にガス瞬間貯湯式給湯器「ユービック」を発売。業界初、ガス給湯器に電気を初導入し、台所からリモコン操作で点火することが可能となった。1979年には、給湯器と風呂釜を業界初一体化した「ユラージ」を発売。給湯用の湯沸し器と、追いだき用の風呂釜をそれぞれ設置することが不要となり、これが今日の「ガスふろ給湯器」のスタンダードにつながっているという。

 1982年、現在も主流の家庭用ガスふろ給湯器「GTシリーズ」として「GT-1600W」を発売した。浴槽のお湯の上部と下部では温度差が発生するため、お湯をかきまぜる専用グッズが普及する中、お湯の強制循環で温度差を解消する商品が誕生。追いだき機能付き給湯器は浴室に隣接して設置というそれまでの制限がなくなり、住宅設計の意匠性にも貢献した。1983年には、リモコンを押すだけで全自動でお風呂が沸く全自動ガスふろ給湯器「オートユラージ・GRQ-1600A」を発売。これにより、熱すぎ、ためすぎ問題を解消した。

 ライフスタイルが多様化し、浴室と台所で同時にお湯を使用したいというニーズが高まる中、給湯と追いだきが同時に可能な商品として、1992年に業界初の「冷水サンドイッチ現象」を解消した「GT-243AWX」を発売。「プロテックメカ」の新技術搭載でシャワーを断続的に使用した際のお湯が熱く、その後、冷たくなる現象を解消している。

 音声とメロディでお風呂が沸いたことを知らせる業界初の「音声ボイスリモコン」が誕生したのは1997年。ユニバーサルデザインを目指し、「人の声」を給湯器リモコンに採用。お風呂が沸くとおなじみの「人形の夢と目覚め」のメロディと音声で知らせてくれる。

 2000年初頭に入ると、お風呂は環境負荷を軽減した高効率化時代を迎える。ノーリツでは、環境に配慮した住宅に対するニーズの高まりを受け、ガス給湯器でも高効率な省エネを実現。2004年に、熱効率95%を達成した高効率ガスふろ給湯器(エコジョーズ)「GT-C2431AWX」発売した。CO2排出量削減で環境にやさしく、ガス料金低減で財布にも優しい給湯器となっている。また、2006年には高効率石油給湯機(エコフィール)も発売している。

 2017年、業界初の「見まもり」機能搭載&「UV除菌ユニット」搭載のエコジョーズを発売。浴室への入室、入浴を自動センサーで検知し、台所リモコンから入浴状況を確認できるようになった。衛生意識への高まりを反映し、浴槽内のお湯をUVで99.9%除菌する機能を搭載している。2018年には、無線LAN対応給湯器リモコンとスマートフォン用「わかすアプリ」をリリース。スマートフォンでのお湯はりや見まもりを可能とした。スマートスピーカーにも対応している。高齢者の浴室事故死亡者数が交通事故での死亡者数を超え社会問題化していた中、安心して入浴できる視点を商品開発に活かし、入浴事故軽減につなげたという。

 2010年代後半からは、電気(空気熱)とエコジョーズの特長を併せ持ち、さらに環境性能が高い「ハイブリッド給湯・暖房システム」が注目され、コージェネレーションシステムなどと共に温室効果ガス削減時代に突入した。その中でノーリツは、2018年、ハイブリッド給湯・暖房システムのブランド名として「ユコア HYBRID」と命名。省エネ・環境性に優れ、ZEH(ゼッチ)にも最適な製品として販売を開始した。

 そして、3月10日、ノーリツは70周年を迎えることとなる。ノーリツを語るうえで欠かせないのが、やはり「音声ボイスリモコン」だ。同社は、1997年にお湯はり完了をメロディと音声で知らせる業界初の「音声ボイスリモコン」を発売。ユニバーサル化やバリアフリーの考えが浸透する中、視覚障害を持つ人のお風呂を沸かす時の不便さを解消するため、「人の声」で知らせるアイデアを形にした製品だったという。音声でのお知らせ機能は、他の家事をしていても気づきやすいというメリットもあり、音で伝えることでより多くの人が快適に使えるユニバーサルデザインを目指したとのこと。

 この「音声ボイスリモコン」で、お風呂が沸いた際のメロディとして採用したのが、ドイツの作曲家テオドール・エステン(オースティン)のピアノ曲「人形の夢と目覚め」の第2部「夢を見ているところ」。流行に左右されないクラシック音楽に絞り、利用者にこれからお風呂に入る高揚感と幸福感を感じてほしいという思いで曲を選定したという。

 発売以来、「音声ボイスリモコン」の出荷台数は増え続けており、今ではお風呂が沸いたメロディと音声は、多くの人にとって日常生活を送るうえでの“馴染みある音”となりつつある。1997年からの累計販売台数は1625万台で、この数字を設置された世帯数とし、1世帯の平均人数2.39人と掛けると、日本の人口総数の約3人に1人の割合に相当するとのこと。(1世帯の平均人数は、厚生労働省の2019年国民生活基本調査から。また、日本の総人口は、総務省統計局の人口推計(2020年8月確定値)から)

 最後に、「音声ボイスリモコン」の開発秘話を紹介しよう。音声ボイスリモコン発売以前の全自動給湯器では、お湯がたまったことを水位で検知し、ブザーを鳴らす器具が主流だったという。「音声ボイスリモコン」の開発にあたっては、当時、ノーリツグループからピアノが弾けるスタッフを選抜し、元の音源としたとのこと。24年目の今でも、この時の音源が使用されている。

 音声はナレーターの声を採用している。実は、音声は数年ごとにアップデートしており、最新機種は5代目のナレーターだとか。また、フレーズではなく、「お風呂」「が」「わき」「ました」のように単語ごとにデータ化することで、容量を軽くしている。自然に聞こえるよう「が」だけでも数種類、データがあるとのこと。

 なお、「音声ボイスリモコン」で使われている「人形の夢と目覚め」のフレーズは、ノーリツ本社の電話保留音にも使用されており、顧客やノーリツ社員にも“ノーリツらしい”と好評を得ているという。

ノーリツ=https://www.noritz.co.jp/


このページの先頭へ