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東洋製罐グループ、ロボット用遠隔型スプレー缶噴射装置「SABOT for Drone」の実用化モデルを提供開始、様々な社会課題の解決へドローンに新たな価値提案

2020.12.16 12:25 更新

 東洋製罐グループは、より豊かな社会の実現を目指すプロジェクト「OPEN UP!PROJECT」の一環として、ドローンなどに着脱可能な世界初(同社調べ)のロボット用遠隔型スプレー缶噴射装置「SABOT for Drone」の実用化モデルを完成させ、提供を開始する。12月15日に行われた発表会では、「SABOT for Drone」の開発背景や製品概要について説明した他、実用化モデルを初公開し、ドローンによるスプレー缶噴射のデモンストレーションを披露した。

 「当社は、包装容器のリーディングカンパニーとして、缶やペットボトル、紙コップ、びん、キャップなどで高い市場シェアを持っている」と、東洋製罐グループホールディングス グループ技術開発機能統括兼イノベーション推進室長の中村琢司取締役常務執行役員が挨拶。「創業100年を超え、次の新しい100年に向けては、リサイクルやフードロスなど、様々な社会課題の解決に必要な技術開発が最重要ポイントになると考えている。そこで昨年、容器から日本の社会課題の解決に挑戦するプロジェクトとして『OPEN UP!PROJECT』を始動した」と、持続可能な社会の実現に貢献するプロジェクトに取り組んでいるのだと力を込める。「今回の『SABOT for Drone』も、このプロジェクトの一環として開発を進めてきたものとなる。容器という側面からドローンに新たな付加価値を与えることで、様々な社会課題に対して解決の糸口を示すことができると確信している」と、「SABOT for Drone」への期待を述べた。

 続いて、東洋製罐 テクニカルセンター 技術開発統括室 新製品創出チームの荒木宗示副主査が、「SABOT for Drone」の製品概要について説明した。「近年、労働人口の減少にともない、人の代替となるロボットが台頭してきているが、考える・移動する・見る・聞くといった役割がほとんどで、人の作業を代替することはできていない。そこで、当社ではスプレー缶に着目し、ロボットと組み合わせることで新たな作業力を付与できるのではないかと考え、遠隔型スプレー缶噴射装置の開発を進めてきた」と、「SABOT for Drone」の開発に着手した背景を語る。「現在のドローンの役割は、カメラなどによる検査が中心となっているが、ドローンにスプレー缶を適用することで多様な作業を実現することができる。例えば、農場や工場での害虫発生の駆除、建設現場における測量作業のマーキング、プラントにおける経年劣化に対する防錆・防水処理などを、遠隔から効率的に行うことが可能となる」と、作業現場でのドローンの用途を大きく広げることができるとアピールした。

 「装置構成も多様な利用シーンを想定したものになっており、上下左右に稼働するノズルジンバルや、対象物との距離を測るLiDARセンサ、対象物を捉えるノズルカメラを搭載し、操縦者の思い通りの方向に缶の内容物を噴射できるように設計されている。また、インターフェイスも利用者目線に立った開発を行い、内容物表示や残量表示、安全性に配慮したインターロック、着弾予測位置の表示などにより、使い勝手が良く自由自在な操作を実現している」と、機能性と操作性の特長について解説。「ドローンのカメラポートにワンタッチで着脱することでき、電源供給で自動認識する。スプレー缶やノズルも交換が容易で、内容物の迅速な切り替えが可能となっている。スプレー缶の内容物を塗料、防錆剤、殺虫剤、防水剤、洗浄剤、水などに交換することで、多くの機能を1台の装置で実現することができる」と、利便性にも優れているという。

 「装着するスプレー缶には、安全性の高いBOV(Bag-On-Valve)を採用。創業100年で培ってきた総合容器メーカーとしての技術力や実績・ノウハウを活かし、容器製造から処方開発、実証実験・改良、受託製造まで一気通貫で対応していく」と、スプレー缶を含めた装置全体の安全性にもこだわった設計になっていると強調した。

 ここで、「SABOT for Drone」の実用化モデルが公開され、スプレー缶噴射のデモンストレーションが披露された。デモンストレーションでは、ドローン飛行から上下左右への噴射や広範囲への噴射、真下への広角噴射、高粘度内容物の噴射、マーキング剤の噴射を実施した。また、タブレット端末のインターフェイスから「SABOT for Drone」を操作して、誰でも容易にスプレー缶噴射ができるデモンストレーションも行われた。

 今後の展望について、荒木副主査は、「『SABOT for Drone』の適用拡大に向けて、建設会社や電力会社との取り組みの中で、様々な用途開発を行っていく。また、自治体との取り組みも進めており、神奈川県の目指す『ドローン前提社会』第二期モデル事業としてSABOTが採択されている。スプレー缶の内容物についても、大手薬剤メーカーや大手塗料メーカーとの協業により、多様な用途に対応できるよう処方開発していく。さらにドローン以外にも、人が作業をすることが困難な場所や時間、環境下において活用できる可能性を検討していく」と、様々な人や地域の抱える課題を解決できるよう「SABOT for Drone」のさらなる可能性を追求していくと意欲を示した。

東洋製罐グループホールディングス=https://www.tskg-hd.com/


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