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ソニースクエア渋谷プロジェクト、「ファッション×プログラミング コンテスト」を開催、未来のデザイナーが「KOOV」を使いテクノロジーを融合させたファッションアイテムを披露

2019.07.08 19:20 更新

 ソニーは、東京・渋谷モディ1階にあるソニーの情報発信拠点、ソニースクエア渋谷プロジェクトにおいて、ファッション業界を志す未来のクリエイターが、ソニーのロボット・プログラミング学習キット「KOOV」を使い、テクノロジーを融合させたファッションアイテムを制作する「ファッション×プログラミング コンテスト」を7月6日に開催した。コンテストでは、バンタンデザイン研究所の専門学生5チームが参加し、制作したアイテムをファッションショー形式で披露した。

 ソニースクエア渋谷プロジェクトでは、クリエイターや渋谷の街の人々と共創することで、クリエイティビティを広げ、次世代のクリエイターを生み出すワークショップ「Square Program」を継続的に開催している。今回の「ファッション×プログラミング コンテスト」は、未来のクリエイターであるファッション業界の学生が表現の幅を広げ、クリエイティビティを高める場を創ることを目的として開催するもの。未来のファッションデザイナーがプログラミングという新たな表現方法を学習し、ファッションの新しい手法として取り入れ、世界で活躍するデザイナーに自身の作品を評価してもらうことで、若手デザイナーが自己成長するきっかけを提供する。

 コンテストの作品テーマは、ファッションと「KOOV」を掛け合わせたファッションアイテム。「KOOV」は、ブロックで自由な「かたち」をつくり、「プログラミング」によってさまざまな「動き」を与えて遊ぶ、ソニーのロボット・プログラミング学習キット。少ない種類で多くのアイデアをかたちにできる美しいブロックを立体的に組み合わせることで多彩な表現を実現できる。また、動きを加えるモーターや光を発するLED、音を鳴らすブザーに加えて光やモノを検知するセンサーなど、各種電子パーツを組み合わせることで自分だけのプログラムを構築することが可能となっている。

 コンテスト当日は、バンタンデザイン研究所の専門学生5チームが、約2ヵ月間の製作期間を経て完成させた作品を持ち込み、ファッションショー形式でゲスト審査員に向けて発表した。ゲスト審査員には、ファッションブランド「ANREALAGE」のデザイナーである森永邦彦氏が参加。また、「KOOV」の開発に携わったソニー・グローバルエデュケーションの礒津政明社長と、「KOOV」のプロダクトデザインに携わったソニー クリエイティブセンターの奥村光男シニアアートディレクターの3名でファッションとテクノロジー両観点から審査を行った。

 では、各チームの発表作品を紹介しよう。チーム「亮8亮」の作品コンセプトは、「Stop!地球温暖化、Let's go outside」。地球温暖化、空気汚染の悪化により人間が地下で暮らす近未来を想定し、未来の子どもたちが安全に外出するための機能が備わった仮想未来現実便利アイテム「Randoseru.O」を発表した。ボタン操作で自動開閉するタブレット収納用ランドセルや、仮想汚染物を検知しブザーや発光で警告するシューズを披露し、「このファッションアイテムを通じて、現代社会の若者にも、改めて地球温暖化への認知と再確認をしてもらうと共に、テクノロジーと自然を融合させ、新しい未来を作り上げていきたい」とアピールした。

 チーム「松丸」の作品コンセプトは、「『KOOVE』を着るタウンスタイル」。新しいワークスタイルを想定した実用的なプログラミングによる、機能的なベストを発表した。「渋谷や原宿など、個性的で奇抜性のある若者が多い街を想定タウンとして、機能性や利便性を備えつつ、デザイン性のあるファッションアイテムを目指した。これによって、ハンズフリーな生活を提案する」と説明してくれた。制作した機能性ベストには、自動で口元まで昇降するドリンクホルダーや傾き操作が可能なスマホホルダー、必要な時に浮上する小テーブルなどの機能を搭載。また、ボトムズを彩るアイテムとして、「KOOVE」のブロックをスカート状に施した装飾も披露した。

 チーム「merror」では、「ファッションをプログラミングする」というシンプルなコンセプトのもと、交通安全をイメージした近未来的な雰囲気の衣装に、「KOOVE」によるギミックを搭載したファッションアイテムを発表した。ギミックとしては、向ける方向によってベストの胸元にある異なるLEDがそれぞれ発光するステッキや、自動開閉可能な収納ケースを制作。また、パンツは、ベルトを使ってパーツを組み替えられるようになっている。「今回の作品では、プログラミングを衣装の一部として組み込んだ。ギミックは、『KOOVE』の学習コースにある基本的な技術を使っているので、子どもでも簡単にプログラミングでき、ファッションに興味を持ってもらえるきっかけにもなると思う」と話していた。

 チーム「sereko」は、「おもちゃ箱がひっくり返って洋服と一緒になった」という世界観を再現した衣装と、ブロックやプログラミングを女の子も楽しく遊べるギミックとして変身グローブと変身ベルトを発表した。ギミックは、変身グローブを着用し、変身ベルトの前で動かすと、ベルトのランプが順番に発光する仕掛けになっている。「『創造』と『想像』をファッションに取り込むことをテーマに作品を制作した。ブロックやプログラミングは男の子のイメージが強いが、女の子にも興味を持ってほしいという願いを込めて、可愛らしいデザインにした。また、『KOOVE』の包装箱が気に入ったので、帽子として活用している」と、作品のこだわりポイントを紹介した。

 チーム「kogami」は、「憂鬱な雨の日の気分を少し盛り上げる傘」を発表。雨が傘に当たる振動を検知すると、傘に搭載されたLEDパーツが発光すると共に、ブザーパーツが音楽を奏で、傘の中を自分だけのための空間にするプログラミングを提案した。「傘の中をライブハウスのような空間にすることをイメージした。視覚的には傘に雨が当たるとLEDが光り、聴覚的には雨の強弱によって音楽が変わるなど、雨そのものを楽しめるギミックを搭載している。将来的には、別の音楽デバイスと連動して、自分の感情とリンクした音楽を聴くこともできると考えている」と、さらに発展する可能性を秘めた作品であると述べていた。なお、傘と合わせたファッションアイテムとして、滴る雨を表現したイヤーカフと、傘の中の特別な空間にいる別世界の自分の姿をイメージした衣装も披露した。

 すべてのチームの発表が終わると、審査が行われ、グランプリにはチーム「kogami」の作品が選ばれた。ゲスト審査員を務めた森永氏は、グランプリ作品について、「やりたいことが明確だったことに加えて、今までの傘の常識だった機能をアップデートして、人に新しい感情を与えるためのテクノロジーが搭載されている点がよかった。また、今後さらに進化していく可能性があって、雨音がどんな表現に変わっていくのか、未来の姿にも期待できる作品だった」と、評価のポイントを教えてくれた。

 最後にコンテストの総評として、ソニー クリエイティブセンターの奥村シニアアートディレクターは、「どのチームの作品も素晴らしくて、インパクトのあるファッションアイテムばかりだった。もともと『KOOV』は、小学生・中学生に向けたプロダクトだが、ファッションを学んでいる専門学生たちが、プログラムをしっかり使ってギミックを動かしてくれたことをとても嬉しく思う。プロダクトデザインを担当した身として、これからの『KOOV』の新しい可能性を感じた」と、コンテストを通じて「KOOV」の新たな魅力を発見することができたと話していた。

 ソニー・グローバルエデュケーションの礒津社長は、「私も度肝を抜かれてばかりで、甲乙つけがたい作品が揃ったと感じている。今、プログラミングで作っているアプリケーションやシステムはすべて言語化できるものであり、言語で仕様を書いて、それをプログラミングするのが通常のプロセス。しかし、今回の作品では、ファッションという言語化できないものとプログラミングを組み合わせて、うまく形にしてくれた。今後の『KOOV』の商品展開に向けて学ぶことも多く、感謝している」と、ファッションとの融合で得たものを次の商品開発につなげていきたい考えを示した。

 森永氏は、「“ファッション×プログラミング”は難しいことだと思っているが、機能とファッションは一緒になって成長してきているものでもある。新しい機能ができると、新しいデザインが生まれ、それがまた新たなライフスタイルにつながっていく。この取り組みを諦めずにやることで、今の日本でしかできないことがやれる土壌が作られていくと思う。今回のコンテストを機に、今までのファッションにはないプログラミングとの新たな融合を目指して、これからも頑張ってほしい」と、未来を担うファッションデザインデザイナーたちにエールを送った。

ソニースクエア渋谷プロジェクト=https://www.sony.co.jp/square-shibuyapj/


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