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鯖江市とLIFULL、お母さんが自分らしく生きられる社会を目指す「わたしの日プロジェクト」を始動、地域で女性を支える新しいまちづくりの在り方を全国に発信

2019.06.28 17:25 更新

 福井県鯖江市とLIFULL(ライフル)は、365日休みのないお母さんたちが、「わたしらしく」生きられるようまち全体で取り組む「わたしの日プロジェクト」を始動する。同プロジェクトの立ち上げにともない、6月23日に鯖江市内で、共同での記者発表会を開催した。

 時代の変化とともに、女性の生き方や「お母さん」という既成概念も崩れつつある現代。平成9年に共働き世帯が専業主婦世帯を上回って以来、その割合は上昇し続けており、女性が社会に求められる活躍の場は広がる一方で、家事・育児と仕事の両立は、家族だけでは解決が難しい大きな課題となっている(男女共同参画白書 平成30年版)。

 今回始動する「わたしの日プロジェクト」は、女性の就業率が全都道府県で第1位(52.6%)の福井県の中でも55.1%と高い水準を誇る鯖江市(平成27年国勢調査 就業状態等基本集計(平成29年4月27日公表)とともに、働く女性が子育てと仕事を両立しながらスキルアップできるママの就労支援事業を運営し、鯖江市内にもオフィスを展開するLIFULLのグループ企業であるLIFULL FaMが中心となって推進していくもの。

 プロジェクトでは、お母さんが「お母さん」という枠にとらわれず、「わたしらしく」生きられるよう、鯖江市、市内の企業、商店などまち全体でそれぞれの立場から、今後「わたしの日」の推奨日とする毎月第二日曜日を中心に、お母さんを応援する取り組みを行っていく。そして、今回の記者発表を皮切りに同プロジェクトを推奨しながら、働く女性を支えるまちづくりのかたちとして、鯖江市から日本全国へと発信していくことを目指していく。

 記者発表会では、まず、主催である鯖江市の牧野百男市長とLIFULL FaMの秋庭麻衣代表が「わたしの日プロジェクト」の正式発表を行った。鯖江市の牧野市長は、「鯖江市は、女性の就業率や共働き率が国内でもトップレベル。そんな女性に支えられてきた鯖江市だからこそ、この時代に合わせた『女性を支えられるまちづくり』に取り組みたいと考えている。今年も、昨年に引き続きNYの国連本部でビデオメッセージという形で参加し、女性活躍を中心としたSDGsの取り組みや『インポスター症候群』に取り組み始めた報告を行った。また、『鯖江市から世界へ』女性活躍社会の実現に向けたムーブメントを起こしたいと考え、国際女性会議の開催や国連女性資料館の設置についても協力要請をした」と、鯖江市の活動について紹介。「鯖江市のまち全体で、十分すぎるほど頑張ってくれているお母さんたちへの『優しさ』を広げていくプロジェクトとして、『わたしの日プロジェクト』を鯖江から発信し、女性活躍社会実現に向けた『ロールモデル構築』の大きな弾みにしていきたい」との考えを示した。

 LIFULL FaMの秋庭代表は、「女性が会社の中核を担うためには、『女性の働く意欲・企業の考え方・家庭や地域の考え方が重要』だと考えている。鯖江市のなかには、女性が働きやすいビジョンを掲げている企業や職員の職場環境をより良くしたいと考えている会社がたくさんある。また、働きたい意志を持っている女性もとても多い。そうした企業と女性の意志をつなげられるような活動にも取り組んでいきたいと考えている。LIFULLでは、この『わたしの日』の活動を、鯖江市発のプロジェクトとして、お母さんを支えるムードとともに広めていきたいと考えている」と、お母さんたちが新しいことに踏み出せるような環境を作っていきたいと意気込みを語った。

 続いて、ゲストを招いたトークセッションが行われた。前半は鯖江市出身でFrancfrancの高島郁夫社長、後半はエッセイストとして活躍している犬山紙子氏と鯖江市のお母さん代表として酒井友季子さんを招き、それぞれの視点から、お母さんが活躍しやすい社会づくりや「わたしの日プロジェクト」について意見を交わした。

 Francfrancの高島社長は、「当社も女性の就業率が80%を超えるほど多くの女性社員によって支えられている会社となっている。女性が働きやすい職場環境をつくるためには、女性の視点に立ってその環境を見つめ直すことがとても大切だ。また、企業が女性の働きやすい制度を作るだけでなく、働く女性自身も、例えばメガネ作りでは、ただ『メガネを作っている』ではなく『ファッションシーンを支えている』という気持ちを持つ。つまり自分の仕事が社会にどうつながっているのか、役立っているのかの位置づけを考えることも大切だと感じている。鯖江市出身としても、引き続き『わたしの日プロジェクト』を応援していきたいと思う」と、働く女性の視点に立って、その環境を見つめ直してあげることが大切なのだと述べた。

 エッセイストの犬山氏は、「お母さんたちの現在の問題は、『孤独』である。『お母さん』という『性別で押し付けられる役割』や、苦労したことを下の世代に押し付ける『負の連鎖』がまだ世の中に強く残っていると思う。また、産休や育休に対しての『理解の重要さ』や、男性の育休取得率が極めて低いことからもわかるように、女性が育児も仕事も兼任しなければならない現状の『制度』も変えていく必要があるのではないか。お母さんたちが『孤独』になってしまうような相談しにくい現状の環境は深刻な問題だと思う」と、お母さんが抱えている問題を指摘。「『わたしの日プロジェクト』は、そのような現状の解決策になるのではないかなと考えている。私は、令和は『寄り添いの時代』だと思うので、お母さんに寄り添う同プロジェクトを通して、『わたし』は『お母さん』ではなく『わたし』でいいんだと思う余裕をつくり、その先の女性のさらなる活躍につながってくれればいいなと思っている」と、お母さんたちに寄り添う社会で女性がさらに活躍していくことを願っていた。

 鯖江市のお母さん代表の酒井さんは、「女性は、結婚したら『夫のため』に、出産したら『子どものため』になってしまい、『わたしのため』の時間をついつい忘れてしまいがち。そこでいかに自分がやりたいことを見つけて、それを実現させていくかが重要だと思っている。私は横浜出身なのだが、横浜に住んでいてできないことが、鯖江市では実現可能だなと実感している。私が主催しているハンドメイドイベントでは、家族みんなで楽しく参加でき、それは鯖江市ならではだと思っている。今回のプロジェクトのように、鯖江市ではお母さんの気持ちにまっすぐ向き合ってくれる人がたくさんいるので、これからもお母さんを応援し続けるまちであってほしいと思っている」と、「わたしらしく」を実現できる場所「鯖江市」でこれからも暮らし続けたいと話していた。

 なお、記者発表終了後には、LIFULL FaMの秋庭代表による「お母のためのキャリアプランワークショップ」が行われた。会場には16名のお母さんたちが集まり、自分自身が将来どうなりたいかを熱く語り合った。4人1組のグループワークでは、過去から現在までの経歴と1・3・5年後の未来を描き、明日からのアクションプランをそれぞれシェアした。様々な過去の経験と将来に向けた意見が飛び交い、「わかる。それ大事!」などの共感の声とお互いをリスペクトし合い、各テーブルで拍手が起こっていた。

 最後に、1人ずつアクションプランを宣言。「子育てが結構大変なので、まずは自分の時間を作る」「子育ても立派なキャリアだと応援してもらったので、子育てと仕事のキャリアをどちらも築いていきたい」「今の仕事が楽しいので、その姿を子どもに見せて、働くことの楽しさを教えていきたい」など、明日からの行動を正々堂々と発表する力強いお母さんたちの様子が印象に残るワークショップとなった。

 秋庭代表は、「お母さんが“わたしらしく”自信をもって生きていることが、子どもにとっても良いことだと思うので、ワークショップをきっかけに是非アクションを起こしてほしい」と、お母さんたちにエールを送っていた。

LIFULL=https://LIFULL.com/
鯖江市=https://www.city.sabae.fukui.jp/
LIFULL FaM=http://lifull-fam.com/


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