医療最前線

日本イーライリリー、円形脱毛症と向き合うプロジェクト「見る目を、変えよう」の公式アンバサダー「リカちゃん」が専門医にインタビュー

2022.09.07 19:00 更新

 日本イーライリリーは、円形脱毛症に対する、“思い込み”を“思いやり”に変えるために円形脱毛症と向き合うプロジェクト「見る目を、変えよう。」を進めている。今回、同プロジェクトの公式アンバサダーになった「リカちゃん」(発売元:タカラトミー)がインタビュアーとなり、脱毛症を専門としている浜松医科大学 皮膚科学講座 准教授・病院教授の伊藤泰介先生に円形脱毛症について話を聞いた。

 円形脱毛症は、老若男女を問わず、誰もが発症する可能性のある病気で、医療機関の皮膚科を受診する脱毛疾患の中では最も頻度が高い疾患とされている。日本イーライリリーが行ったアンケートでも、10人中3人の割合で「周囲に円形脱毛症の人がいる」という回答をしている。このように、円形脱毛症はとても身近にある病気だが、この病気に対する世の中の理解は必ずしも十分ではなく、円形脱毛症になってしまうのは「心が弱いからだ」という“思い込み”が明らかになった。

 髪を失い外見が変化してしまうことでの心理的な辛さは計り知れず、さらに、このような世の中の“思い込み”から「心が弱いせいだ」と自分自身を責めてしまう患者も少なくないという。こうした実情を受け、日本イーライリリーでは、円形脱毛症への“思い込み”を解き、世間からの視線に苦しむ患者を取り巻く社会を、少しでも“思いやり”のある環境に変えていきたいという思いから「見る目を、変えよう。」プロジェクトを立ち上げたとのこと。そして今回、プロジェクトの公式アンバサダーを務めるリカちゃんが、脱毛症を専門としている浜松医科大学の伊藤先生に円形脱毛症についてインタビューを行った。

 まず、円形脱毛症とはどんな病気なのかを聞くと、伊藤先生は、「円形脱毛症は、髪の毛、ときには体の毛が抜けてしまう自己免疫疾患。人によって重症度も様々で、髪の毛が10円玉程度に抜けるといった、一部分だけが抜けてしまう人もいれば、頭全体や、眉毛やまつ毛、そして全身の毛が抜けてしまう人もいる」と、わかりやく説明。「新型コロナウイルス感染症が流行したことで、『免疫』という言葉をニュースで耳にする機会も増えたと思う。実は、円形脱毛症にも『免疫』が深く関わっていて、本来自分の体を守る免疫が、自分の髪の毛の細胞を攻撃してしまうことで脱毛が生じてしまうと考えられている。このように免疫が自分の細胞を攻撃してしまう病気を自己免疫疾患という」と、自己免疫疾患についても解説してくれた。

 本来は自分を守るための免疫が、自分自身を攻撃してしまうことにリカちゃんが驚くと、「円形脱毛症は、『免疫』が原因で発症する病気だから、誰にでも起こる病気であることに加え、予防や根本的な治療が非常に難しい病気ともいえる。この病気の発症のメカニズムを正しく理解するためには、『原因(体質)』と『きっかけ(環境要因)』という考え方が重要。この考え方により、『アトピー性皮膚炎の人が肌が荒れやすい』のと同じように、円形脱毛症を発症した患者は、『髪の毛が抜ける症状が出やすい』体質だと捉えることができると思う。ただ、円形脱毛症の発症には『原因』と『きっかけ』の様々な要因が複雑に絡み合っているのだが、患者本人、そして患者を取り巻く社会の中では、『円形脱毛症の原因はストレス』だと強調され、そのような“思い込み”が患者を苦しめてしまうこともあると感じている。だからリカちゃんには、ストレスはあくまで円形脱毛症を発症する『きっかけ』のひとつでしかないということをちゃんと覚えておいてほしいと思っている」と、円形脱毛症は必ずしもストレスだけが原因ではないのだと強調した。

 これを聞いたリカちゃんは、「『原因』と『きっかけ』の関係を正しく理解しないことで、どのように患者を苦しめてしまうのか」と質問。伊藤先生は、「円形脱毛症を発症して髪の毛を失うという、見た目の変化で落ち込む患者は多くいる。それだけではなく、患者自身が円形脱毛症になった原因をストレスだと思い込んでしまい、(円形脱毛症になったのは)『自分の心が弱いせいだ』と自分を責めてしまう人も多いことが、この病気のとても辛いところ。例えば、日本イーライリリーの調査では、円形脱毛症患者の7割近くが、『円形脱毛症はストレスが原因』だと思ってしまっているという回答をしている」と、円形脱毛症を自分のせいだと思い込み、自分を責めてしまう患者も多いと話していた。

 こうした患者に対するケアについて聞くと、「私が医師として必ずしていることは、まず患者が自分自身を責めないよう、円形脱毛症を発症する原因のすべてが、ストレスや心の弱さではないことを伝えている。免疫の異常な働きによって引き起こされていることだと正しく知ってもらうことで、気持ちが少しだけ楽になったと言ってくれる患者もいた。ただ例えほんの一部の脱毛症でも、それをすごく気にして、外出を控えてしまったり、悩んでしまったりする人が多い実情もある。それに一度、円形脱毛症になると、治療を開始しても、髪が生えそろうまでには約半年以上かかる場合が多いため、生えそろうまでの長い期間においても、患者が辛い思いをしないように、医師の立場からできることを考え、患者に寄り添えるサポートをしていくことを心がけている」と、円形脱毛症の原因について正しく理解してもらえるよう努めていると語った。

 「治療を受け、髪が伸びて生えそろうまでの間に大切なイベントがある場合には、何かいい方法があるのか」というリカちゃんの質問には、「私の患者の中では、自身の結婚式に、ウイッグを付けて臨んだ人もいた。またスカーフやバンダナでオシャレを工夫している人も多い。日本イーライリリーの調査結果にあるように、円形脱毛症を発症して美容院に行きづらくなったという人もいるので、円形脱毛症に理解のある美容師を紹介する活動もしている。でも部活動だったり受験会場だったり、スカーフやバンダナの使用が認められない場面も世の中にたくさんあって、そのたびに診断書を見せなければならなかったりと、患者にとっては大きな負担になっている」と、治療の間にできる工夫について教えてくれた。

 最後にリカちゃんは、「もし身近な人が円形脱毛症になってしまったら、リカにできることはあるか」と聞くと、伊藤先生は、「一番大切なことは、周囲の理解と共感だと思う。まずは『円形脱毛症は、心の弱さが原因』という“思い込み”をせず、患者が望む形で支えてあげてほしい」と、周りの人が円形脱毛症に対する「見る目を変える」必要があると訴えた。

 また、日本イーライリリーでは、今回のインタビューにあわせて、円形脱毛症への“思い込み”を“思いやり”のある社会に変えていきたいという思いから、今まで多くの円形脱毛症の患者を取材し、自身も円形脱毛症を発症した経験のある漫画家・小豆だるま氏に、円形脱毛症のエピソード漫画を寄せてもらった。

日本イーライリリー=https://www.lilly.co.jp/
「見る目を、変えよう」プロジェクト特設サイト=https://www.lilly.co.jp/news/stories/mirume-wo-kaeyou


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