医療最前線

ファイザー、子どもの日に向けて健やかな子どもの"成長"と低身長症の早期発見・治療を目指したセミナーを開催

2022.04.22 19:36 更新

 ファイザーは、5月5日の子どもの日を前に、健やかな子どもの“成長”と、低身長症の早期発見・治療を目指したセミナー「知っておきたい十人十色の子どもの低身長~身長を伸ばす生活習慣から成長障害の最新治療まで~」を、4月19日にオンラインで開催した。セミナーでは、低身長を中心とした小児内分泌疾患を専門とする希望の森 成長発達クリニック院長の望月貴博先生から、身長の伸びるメカニズムについて最新の知見を交え、低身長症の早期発見のヒントを話してもらった他、たなか成長クリニック副院長の曽根田瞬先生には、低身長症の中でも最も患者数の多い成長ホルモン分泌不全性低身長症に焦点を当て、患者における課題を交えながら、治療の現状と展望について話してもらった。

 子どもの成長に関する話題はさまざまなものがあり、古今東西を問わず、世の中の大きな関心事のひとつとなっている。その中で、子どもの低身長の原因の1つである成長障害や内分泌疾患は早期発見・早期治療が重要だが、発見が遅れて適切な治療のタイミングを逃すことも少なくない。一方で、低身長症の治療は日夜進化しており、子どもの患者とその家族の治療の負担軽減と、それにともなう治療を続けやすい環境が整いつつあるという。

 ファイザーは、すべての子どもの健やかな成長を願って、ヒト成長ホルモン製剤を通じ、低身長症の患者への貢献に長年取り組んできた。今回のセミナーでは、身長にまつわる科学的に正しい情報、低身長症の早期発見・治療につなげるための情報を、最新の状況を踏まえ人々に届けるべく開催したのだという。

 まず、望月先生が「知っておきたい、子どもの成長障害 身長のサイエンス 科学的に正しい知識と通説の違い」と題した講演を行った。「身長が伸びるのは、骨ではなく軟骨が増えることで伸びる。骨が伸びる機序は、成長ホルモンによるIGF-1が作用し骨が伸びる場合と、男性ホルモン、女性ホルモンが骨を伸ばすケースがあり、女性ホルモンにみられる骨端線閉鎖で骨の成長にブレーキをかけるケースもある」と、骨にはホルモンが大きく関わっていると説明する。「また、低身長症は疾患とされ、すでにICD-10 E34.3に分類され、疾病と認められて、個性、大丈夫、医療費の無駄遣いと揶揄されることもある」と、低身長症は病気なのだと断言する。「学歴、勤続年数、企業規模、親の学歴、育った家庭の生活水準などをコントロールしたとしても、男子は1cm身長が高くなると時間当たり賃金は約1.5%高くなる」と、身長と収入や仕事の関係について説明してくれた。

 「低身長症であるかどうかを判断するには、投射法や、思春期から成長の予測、骨年齢で成長を予測していく」とのこと。「一方で牛乳を飲めば身長が伸びるといわれているが、毎日飲み続けて1cm伸びたと実感できたかどうかの影響しかない。また、よく食べることが成長には不可欠とされているが、肥満度が上昇する恐れがあるため、コントロールする必要が出てくる。そして、身長を伸ばすサプリメントはこの世に存在しない」と、身長が伸びるといわれていることには、科学的な根拠等が乏しいと述べていた。

 次に、曽根田先生が、「低身長症と治療の最新動向」について講演を行った。「低身長は医学的に、身長が標準偏差から-2.0以下を指し、低身長の63.3%を占める家族性低身長や体質性低身長(特発性低身長)、思春期遅発型低身長は、病気とは分類されない。一方、それ以外は成長ホルモン分泌不全性低身長症などと診断される」と、低身長はすべてが病気というわけでなく、一部で病気が疑われるのだと説明する。「成長ホルモン分泌不全性低身長症は、ホルモンの分泌が弱くなり、成長が低下し低身長症となる」と、成長ホルモンが影響している病気なのだと教えてくれた。「成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断される場合は、持続的に標準偏差が-2を下回っており、あるところを境に急に伸びが悪くなったケースがほとんどとなっている。それだけに、成長曲線を描いておくことが重要となる」と、成長パターンに注意しているとわかる病気なのだと説明していた。

 「成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療は、ペプチドホルモンを注射。ペン型の注射器で簡単に扱えるのだが、1日1回の注射が必要となる」と、患者には負担が大きい治療法しか確立されていないと断言する。「治療することで最初の2年間は成長するものの、それ以降は平均と平行に成長していくことが多い。また、止めると伸びは弱くなることから、成長期が終わるまで、治療を継続することが望ましい」と、長い期間注射し続けなければならないのだと説明する。「成長ホルモンには、さまざまな代謝調節作用があり、成長期以降もある程度の分泌が必要である。成人期に成長ホルモンの重度欠乏があると、体脂肪が増加し筋肉や骨量が減少するなど、体組成が悪化し、疲れやすく、体力や気力が低下しやすくなる。また、代謝障害によって、コレステロールや中性脂肪が増加するため、一部の人は、大人になっても続ける必要がある」と、患者に大きな負担を強いる治療法しかないのだと訴えた。

 「この治療では、毎日、患者自身で注射を打たなければならない。さらに、使用手順の熟知、デバイスによっては充電も必要。製剤によっては、初回使用時に溶解作業が必要となる。また、ペン型注射器へのカートリッジ装填作業の他、冷蔵庫で保管し、使用前は冷蔵庫から出しておくことも必要だ。そして、痛みだけでなく、出血して痕が残ることがある」と、準備と保管の手間そして痛みがともなうのだと警鐘を鳴らす。「慢性で命に直結する病気ではなく、効果がすぐに出ない治療のため、アドヒアランスは低下しやすい」と、患者自身が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けるアドヒアランスが低くなりやすい治療なのだと嘆いていた。「患者へのアンケートによると、1度でも止めたいと思ったことがある人は53.3%に達し、その理由として、痛みの他、毎日するのが面倒が上位を占めた」とも紹介していた。

 「このように患者への負担が強いられる治療ではなく、せめて週1回の注射で良いということになれば、アドヒアランスは低下せずに済む。そんな望みを実現した治療薬『エヌジェンラ』が1月20日に承認された」と、注射は週1回で、これまでの治療と効果が変わらない薬剤が登場したのだと喜ぶ。「観察された有害事象のほとんどは注射部位疼痛で、従来の成長ホルモン製剤で報告されている以上の有害事象はなかった」と、重篤な副作用や死亡例などは認められなかったと述べていた。「長時間作用型成長ホルモン製剤の登場によって、治療の負担が軽減し、アドヒアランスの向上とともに、治療効果の向上も期待できる」と、成長ホルモン治療は、新しい時代を迎えようとしていると力説していた。

 「エヌジェンラ」(ソムアトロゴン)について、ファイザー 希少疾病領域メディカルアフェアーズ 嶋大輔氏が解説した。「ソムアトロゴンは、小児成長ホルモン分泌不全性低身長症(pGHD)患者に対して、 国内外臨床試験で有効性および安全性が確認され、承認された長期作用型の成長ホルモン製剤となっている。ソムアトロゴンは、従来の毎日投与製剤を1週間に1回投与にしたことによって、小児患者および保護者の負担を統計学的有意に軽減させることが示され、患者のニーズを満たすことが期待される」と述べていた。

ファイザー=https://www.pfizer.co.jp


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