医療最前線

お酢でおいしさと健康を考える会、「コロナ禍の"巣ごもり肥満"と疲れ お酢でリセット」セミナーを開催、肥満や疲れの解消法を専門家が解説

2021.05.27 12:24 更新

 昨年から始まった新型コロナウイルス感染症の世界的大流行から1年が経過し、私たちの生活様式は日々変化し続けている。中でも、ステイホームによる運動不足と食生活の乱れから体重増の悩みが増加。またコロナ禍でのストレスから慢性的な疲労を訴える人も現れている。そこで、昨年末に「お酢でおいしさと健康を考える会」では、28日間、84名の人に「お酢でダイエットチャレンジ」を実施してもらった。その結果、お酢を継続して摂ることで多くの人が体重減少し、さらに体重減少した人ほど疲労感が解消したことが判明した。5月24日に行われたセミナー「コロナ禍の“巣ごもり肥満”と疲れ お酢でリセット」では、「お酢でダイエットチャレンジ」での結果を踏まえて、コロナ禍で蔓延する肥満や疲れの解消法を専門家とともに読み解いた。

 まず、コロナ禍における「巣ごもり肥満と疲労」について、東京有明医療大学 保健医療学部鍼灸学科 教授の川嶋朗先生が講演を行った。「昨年2月から5月までの期間、ステイホームによる体重の変化を聞いたところ、57%の人が体重が増えたと回答した」と、自宅での時間が増えたことで体重が増えている人が多いのだと指摘する。「また、減少傾向にあった自殺者も昨年は増えており、特に女性の人数が増えている」と、精神的に追い込まれてしまった人も少なくなかったと訴える。「巣ごもりによる肥満と疲労には、自粛生活や社会的不安などでストレスが増加。ストレスによって活性酸素も増え、代謝や免疫力の低下を招いている恐れが考えられる」と、コロナ禍でストレスが高まり、血行不良や低体温などによって、生活習慣病の悪化やうつなどに見舞われる人が増えていると力説する。「ストレスは、精神的な疲労の他に、睡眠不足や活性酸素の高まり等から、肉体的疲労も招いてしまっている。そして、コロナ禍によって運動不足に陥り肥満になってしまうだけでなく、ストレスによって過食に走り肥満になってしまう人もいる」と、精神的疲労はうつ、児童虐待、DV、自殺などをもたらし、肥満は生活習慣病になってしまう恐れがあるのだと警告していた。

 「肉体的疲労や精神的疲労、肥満にならないためには、感染対策をしっかり行うことはもちろん、毎日日光浴をしてセロトニンを合成させる必要がある」と、太陽の光を浴びてビタミンDの生成を促す必要があるとのこと。「適度な運動による基礎体力の維持の他に、バランスの良い食事や十分や睡眠、血行改善のための温活も効果が期待できる」と、運動、食事、睡眠、温活が大切なのだとアピールした。「そして、補完代替医療も対策になると考えられており、漢方薬や鍼灸といった伝統医学も補完代替医療とされている。漢方医学の五行には、五志の中に、『怒』が存在する。これは現代のストレスと考えられる。そして、五味の並びには、『酸』があり、ストレスには酸が有効なのだと昔から考えられていた」と、漢方医療では、古くからストレスには酸が有効であると伝えられていたようだ。

 次に、「お酢の健康機能について」と題した講演を広島修道大学 健康科学部 健康栄養学科 教授の多山賢二先生が行った。「食酢(酢酸)には、抗菌、調理、酸味、胃PGF2増大、胃液分泌促進、カルシウム・鉄の吸収促進、グルコースの吸収遅延、肝臓・筋肉のグルコーゲン休息補充、骨成形促進、RAA系の抑制など、糖新生の抑制、総コレステロール低下、内臓脂肪の低下、血流の増大が機能として挙げられる」と、食酢の健康効果について言及。「食酢中の特徴的主成分である『酢酸』は、本来はエネルギー源として利用される有機酸グループの中の一物質である」とのこと。「ところが、この酢酸はヒトの細胞にシグナルを与え、変化も起こす。まず、代謝される際に、ATPを利用する場面が最初にあり、これによってAMPが生成すると、AMPキナーゼが活性されてしまう。これによって、身体はまるで運動を始めた時のように反応することになる」と、脂肪酸の燃焼促進、肝臓での糖新生抑制、インスリン感受性の向上、肝臓でのアセチルCoA供給抑制が働くのだという。

 「酢酸の血中への移行は、脂肪細胞にシグナルを送り、インスリンの作用を弱め、グルコースや脂肪酸の取り込みを抑制し、脂肪細胞の肥大化を抑制する」と、肥満を抑制する作用について解説。「小腸では、二糖類分解酵素の活性を抑制する一方で、カルシウムの取り込みを促進させる。また、血管細胞や腎臓細胞を正常化させる」と、酢酸が体内でもたらすメリットについて説明してくれた。「これらの結果として、肥満抑制、糖尿病予防、脂質異常症予防、高血圧改善、骨粗しょう症予防などの良い結果が出てくる。個人差があるため、食酢の効果は全員には期待できないものの、4ヵ月以上の継続摂取を行えば、やや不健康である人たちの半数は、終日、数値で実感できるレベルにまで改善させる可能性が大きい」と、食酢を摂取し続けると効果が実感できるのだと述べていた。

 この後、日経BP総研 メディカルヘルスラボの西沢邦浩氏をファシリテーターに迎え、「疲労太りとお酢」をテーマに、独自調査の結果を踏まえながらパネルディスカッションを行った。

 まず、独自調査から西沢氏が「28日間、お酢を摂取してもらい、体重が減った人は64.3%に達した」と、1ヵ月弱で効果が見られた人が半数を超えたという。この結果に川嶋先生は、「誰もが飛びつくような結果だと思う」と驚いている様子。

 「体重の変化別に、調査開始時のBMIを見てみると、肥満だった人の体重が減少していた」と、肥満の人ほど体重が減ったと西沢氏が紹介。これについて多山先生は、「太っている人ほど効果が得られるのは他の試験でも見られる。一方、体重に変化が見られなかった人でも、血流が良くなったり改善が見られることがある」と、体重の減少でなくても、その他の部分でプラスに作用している場合もあるのだと教えてくれた。

 「こころ・からだの疲労感はチャレンジ開始前と比べてどうだったか、という質問では、こころの疲労感改善が46.4%(とても改善した+やや改善した)、からだの疲労感改善が67.8%(とても改善した+やや改善した)だった」と西沢氏が紹介。多山先生は、「お酢を摂取すると、より健康を維持させることができる」とのこと。川嶋先生は、「お酢にはアミノ酸などを含むものもあるが、アミノ酸はストレスが悪さをすると、それをコントロールする役割もあり、精神的な安定につながるものと考えられる」と述べていた。

 「体重変化とこころの疲労感について、体重が減少した人の54%がこころの疲労感が改善したと回答した」と西沢氏が紹介。川嶋先生は、「体重が減ることで、体重が増えるというストレスも緩和される」と、体重増というストレスから解放された結果なのだと指摘していた。

 また、体重変化とからだの疲労感についても体重が減少した人の方が、改善した(とても改善した+やや改善した)と回答した。川嶋先生は、「からだの疲労感が減ると、運動をしようと思うようになる」と、からだの疲労感がなくなったことで、身体を動かそうとする意識が高まったのではないかと話していた。

 最後に、川嶋先生は、「ストレスによって食べる方に走ってしまうのではなく、メタボにならないように、うまくお酢を使ったり、睡眠をしっかりとるようにしてほしい」とアドバイスしていた。多山先生は、「間食を控えたり、夜食はとらないようにしてほしい。そしてタイミングよくお酢を摂取してほしい。夏場は、スポーツドリンクに入れたり、グレープフルーツジュースに入れて飲むと、酸味を抑えられて、美味しく飲むことができる」と、生活に取り入れやすいお酢の摂取法について伝授してくれた。

お酢でおいしさと健康を考える会=https://osuken.jp/


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