医療最前線

ロッテ、キシリトール摂取を習慣化させ歯の健康維持に貢献する「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」を始動、第一弾として会津若松市で歯と口の健康啓発を実施

2020.10.23 18:56 更新

 ロッテは、キシリトールを通じた歯と口の健康維持を全国に啓発する取り組み「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」を始動する。同プロジェクトでは、予防歯科の先進国であるフィンランドにならい、国内の地域において、自治体の理解や地元歯科医師会など関係機関の人々からの協力を得ながら、キシリトールをはじめとしたむし歯予防習慣を日本で普及させていく取り組みを実施していく。10月23日に行われた「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」第一弾「スマートシティ会津若松」における歯と口の健康啓発に関する取り組みのオンライン発表会では、日本フィンランドむし歯予防研究会 理事長、日本歯科大学生命歯学部 教授、日本私立歯科大学協会 専務理事の羽村章先生が甘味料・キシリトールについて詳しく説明した他、プロジェクト活動の第一弾として、「スマートシティ会津若松」における歯と口の健康啓発に関する取り組みを発表した。

 「キシリトールは、自然界にも存在する糖アルコールで、野菜や果物にも含まれ、人の体内にも存在する」と、羽村先生。「疫学的臨床研究では、キシリトールを使ったグループは、むし歯の発生が少ないことがわかった」と、キシリトールのむし歯予防効果を証明する研究が1975年から行われてきたのだという。「そして、食事に少量のキシリトールを追加。口腔保健行動にキシリトールを追加するとむし歯予防につながることがわかった」と、キシリトールは口の健康を守る素材なのだと説明する。

 では、なぜキシリトールはむし歯を防ぐのだろうか。「歯垢中のpHを5.7以下に下げない。またむし歯の原因となる酸の産生がない。さらに、唾液の分泌を促す」と、むし歯の原因にならない点を解説。「そして、むし歯菌の増殖を防ぎ、むし歯菌の伝播を遅らせる。むし歯原生が少ない細菌叢の形成を促し、歯垢の量と付着性を減少させる。また、脱灰を防ぎ、再石灰化を推進させる」と、むし歯の発生と進行を防ぐ点についても言及してくれた。

 「キシリトールはチューインガムやタブレットに含有され、菓子として販売されている。その際、シュガーレスである点と高濃度なものを選ぶようにしてほしい。摂取方法は、食後あるいは食間に1日3から5回程度。3ヵ月以上続けてほしい」と、キシリトールによる有効なむし歯予防法について教えてくれた。最後に羽村先生は、「歯を磨き、フッ素入りの歯磨き剤を使い、正しい食生活が口腔保健行動の基本となる。これに歯科定期健診を行うと共に、キシリトール習慣をプラスすることで、口腔内を健康に保つことができる」と、基本の口腔衛生を行いつつ、プラスアルファとしてキシリトールを摂取することが、むし歯を予防する上でとても大切なのだと話していた。

 次に、「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」第一弾「スマートシティ会津若松」における歯と口の健康啓発に関する取り組みについて発表した。「1997年に、甘味料キシリトールが食品添加物として指定されてから20年以上、当社はその普及に努めてきた」と、ロッテの牛膓栄一社長が挨拶。「むし歯の原因とならず、歯と口の健康に寄与するキシリトールの普及活動を継続してきたことは、社会課題でもある『むし歯』に対して、菓子メーカーである当社ができる、CSV(共通価値の創造)であったと自負している」と、キシリトールガムを上市したことで、人々の歯に対する意識を変えることができたと訴える。「そこで当社では、『その歯と100年。キシリトールプロジェクト』を始動し、歯と健康のためにキシリトールを摂取している人の割合を32%から2028年までに50%に増やしたい」と、国民の二人に一人が口腔内の健康のためにキシリトールを摂取する社会を目指すと意気込む。「人生100年時代。キシリトールはこうした時代の社会ニーズに貢献できる素材であり、創立72年を迎えた当社も100年以上続く企業であり続けたいと考えている」と、同プロジェクト並びに同社の今後の活動に注目してほしいと訴えた。

 「その歯と100年。キシリトールプロジェクト」の背景や目的について、ロッテ マーケティング部 キシリトールブランド課の小川貴昭課長が発表した。「キシリトールが日本に上陸してから20年以上が経過し、その認知率は約90%に達しているが、キシリトールの具体的な特徴を知っている人は約26%でしかなかった」と、大半の人々は「なんとなく歯にいい」という理解しかしていない状況にあるという。「実際にキシリトールを歯の健康のために利用している人は32%だった」と、キシリトールに対して具体的な知識がないことを表す数字であると小川課長は語る。

 「世界一幸せな国といわれるフィンランドはかつて、むし歯の多い国だった。1972年に国民健康法が施行され、治療から予防中心の保健・医療制度が開始された。1975年にトゥルク大学のカウコ・マキネン教授らによる研究によってキシリトールのむし歯予防効果が明らかになると、家庭でのセルフケアの一つとしてフッ素の活用とともに、キシリトールの摂取もフィンランド全体に普及していった。これらの活動の結果、フィンランドでは国民のむし歯数が大きく低減し、むし歯予防先進国といわれるまでになった」と、キシリトールの摂取でむし歯数を大きく減らしたフィンランドの取り組みを紹介。「現在ではなんとフィンランド国民の94%が歯の健康のためにキシリトールを摂取した経験があり、18歳以下の子どもがいる家庭の67%が日常的にキシリトールを摂取している」と、セルフケアの基本である歯磨き・フッ素入り歯磨き剤の活用とともに、歯の健康維持にキシリトールが役立てられているのだと紹介した。

 「長年、キシリトールの素材研究を積み重ねてきた当社はむし歯のない社会を目指し、このフィンランドのセルフケア習慣に改めて注目。『歯磨き・フッ素・キシリトール』に『定期的な歯科健診』を加えた習慣を日本でも普及させるため『その歯と100年。キシリトールプロジェクト』を発足する」と、同プロジェクトを立ち上げた背景について説明する。「当社は、持続可能な社会の実現に貢献するため、事業活動を通じて取り組むべきマテリアリティ(重要課題)を設定している。そのマテリアリティに具体的に取り組むためのESG中期目標のひとつとして、2028年までに国内で歯と口の健康のためにキシリトールを生活に取り入れている人の割合を50%以上にすることを目標に掲げた」と、国民の二人に一人がキシリトールで口腔の健康に取り組む社会を推し進めていくという。「具体的な活動として、地域の歯科医師会と連動し、『歯磨き・フッ素・キシリトール』に『定期的な歯科健診』を加えた習慣の啓発や、教育機関(幼稚園・保育園)へのキシリトールサーバー提供、キシリトール入りタブレットの特別価格での提供などを行う」と、自治体や地域の歯科医師会の人々と協力して、むし歯のない社会の実現に向けた取り組みを拡大していくと訴えた。

 「そして、同プロジェクトの第一弾として、福島県会津若松市における歯と口の健康啓発に関する取り組みを行う。福島県会津若松市では、『スマートシティ会津若松』の推進を掲げ、健康や福祉、教育などさまざまな分野においてICT(情報通信技術)や環境技術を活用し、安心して快適に暮らすことのできるまちづくりを進めている」と、「スマートシティ会津若松」における歯と口の健康啓発に関する取り組みについて言及。「キシリトール摂取による幼児期からの口腔ケアを定着させたいと考える当社では、福島県の子どものむし歯保有率の高さに注目。中でも、スマートシティ機能を活用し、市民のさらなる健康増進に取り組む会津若松市において、同市による理解のもと、会津若松市内の保育園・幼稚園10園にキシリトール入りタブレットを提供した」と、具体的な活動内容について紹介する。「今後は、『スマートシティ会津若松』で実装しているオプトイン型のデータ活用方法を活かし、会津若松市の歯科医師会と連携のもと、キシリトール入りタブレットを摂取する園児たちのむし歯の保有率に関する情報を基に、罹患低減に向けた活動の実施も検討していく」と、「スマートシティ会津若松」における歯と口の健康啓発に関する取り組みを皮切りに、2023年までに全国10自治体への展開を目標に、キシリトールを通じて人々の歯の健康維持に貢献していきたい考えを示した。

 そして、会津若松市の室井照平市長が、「スマートシティ会津若松」の取り組みとビジョンについて発表した。「当市では、地域活力の再生に向けた取り組みの一環として、『スマートシティ会津若松』を推進している。この取り組みは、ICTや環境技術などを、健康や福祉、教育、防災、さらにはエネルギー、交通、環境といった生活を取り巻くさまざまな分野で活用し、将来に向けて持続力と回復力のある力強い地域社会と、安心して快適に暮らすことのできるまちづくりを進めていくもの」と、「スマートシティ会津若松」の概要について紹介。「今回、ロッテが、当市が推進する『スマートシティ会津若松』の理念に賛同し、数ある自治体の中から、先んじて会津若松市での展開をすることを大変嬉しく思う。ロッテの取り組みによって、市民の歯と口の健康のさらなる向上につながることを期待している」と、3歳児のむし歯有病率を29.9%(平成27年)から10.0%以下へ引き下げると共に、12歳児では54.9%から昨年29.6%と大きく下げたものの、継続して35.0%以下をキープしたいと目標を掲げた。

ロッテ=https://www.lotte.co.jp/


このページの先頭へ