医療最前線

ノボ ノルディスク ファーマ、持効型溶解インスリンと超速効型インスリンを配合した「ライゾデグ配合注」を発売、シンプルな治療の効果を実現

2015.12.16 18:55 更新

 ノボ ノルディスク ファーマは、インスリン デグルデグ/インスリン アスパルト配合溶解インスリンアナログ注射液 ライゾデグ配合注 フレックスタッチを、12月1日に発売した。同剤は、世界で初めて1本のペンに持効型溶解インスリンと超速効型インスリンを配合した溶解インスリンアナログ製剤となっている。12月8日には、「ライゾデグ配合注」の製品説明会を開催。川崎医科大学 内科学 特任教授の加来浩平先生から、「ライゾデグ配合注」が、インスリン治療の臨床上のニーズにどのように応え、患者はどのようなベネフィットが得られるのかという点について解説してもらった。

 「当社は、インスリン治療と共に進化してきた。2001年には超速効型インスリンアナログ製剤を上市し、2003年には混合型インスリンアナログ製剤を、2007年には持効型インスリンアナログ製剤を発売した。そして、2013年には新世代の持効型インスリンアナログ製剤『トレシーバ』を販売している」と、ノボ ノルディスク ファーマ マーケティング本部のジョン・ドーバー本部長が挨拶。「今回、発売を開始した『ライゾデグ配合注』は、世界で初めて1本のペンに持効型溶解インスリンと超速効型インスリンを配合した溶解インスリンアナログ製剤となっている」と、新剤の概要について紹介した。「『ライゾデグ配合注』は、明確なピークを示す超速効型の『インスリン アスパルト』と平坦で安定した作用を示す持効型の『インスリン デグルデグ』の特徴を併せ持つ」と、同社が展開する製剤を1つにしたインスリンアナログ製剤なのだと教えてくれた。「『ライゾデグ配合注』の最大の特徴は、事前の懸濁が不要な点。また、無色澄明の溶液で、沈殿物の形成もない」と、これまでの混合剤のように混ぜ合わせ具合によって発生する、低血糖や高血糖のリスクがないのだと指摘する。「混合型インスリン製剤では、半数の患者が十分な懸濁を行っていないことも明らかとなっている。それだけに、『ライゾデグ配合注』によって、良好な血糖コントロールを実現できると考える」と、糖尿病患者のQOLを改善することができるのだと話していた。

 「一方で、半数以上の医師は、患者にとってインスリンの頻回投与は難しいと考えていることもわかっている」と、1日に何回ものインスリン投与が必要な治療では、患者が治療から離脱してしまう恐れがあると懸念しているという。「そして、インスリン療法については、70%以上の医師は、低血糖の心配がなければ、より積極的な治療を行うことができる」と考えていることも明らかになった。「こうした医師と患者双方にとって、『ライゾデグ配合注』はシンプルなインスリン治療の強化を可能にすると思われる。さらに、『ライゾデグ配合注』は、低血糖の発現頻度を高めずに、HbA1cの低下が期待できる」と、「ライゾデグ配合注」は、インスリン治療強化の新たな選択肢になると確信していた。

 次に、「インスリン デグルデグ/インスリン アスパルト(ライゾデグ配合注)の臨床上の意義と期待」と題して、川崎医科大学 内科学 特任教授の加来浩平先生が講演を行った。「糖尿病患者の生命予後改善および糖尿病合併症の発症・進展抑制には、できるだけ早期からの血糖管理が重要である。さらに、血圧・脂質管理を加えた総合的治療はより有益である、ということが大規模長期介入試験で明らかとなった」と、1日でも早く血糖コントロールを行った方がよいというのが定説になっているとのこと。「ただし、HbA1c改善による網膜症などの血管合併症のリスクは減るが、その代償として患者は生涯にわたり低血糖への恐怖や頻回注射による不備や苦痛など、日常生活上の制約がつきまとう」と、大規模長期介入試験によって、インスリン治療そのものが持つ問題点も指摘されるようになった。「そこで、重症低血糖や体重増加というリスクを減らし、管理目標の達成というベネフィットを得るには、患者ごとの管理目標の設定とHbA1cの量と質の改善を目指した良質な血糖管理の達成および早期介入による病態進行の抑制が挙げられる」と、リスクを減らしてベネフィットを最大化することが重要になると指摘していた。

 「インスリン療法のデメリット解消としては、低血糖の抑制と日常QOLの改善が挙げられる。そして将来的な課題は、ベネフィット・リスク比も優れた製剤、治療法の導入や非侵襲性製剤の導入が挙げられる」と、これからのインスリン療法はどうあるべきかを提起。「こうした中、新たに誕生した『ライゾデグ配合注』は、1つの製剤にインスリン デグルデグとインスリン アスパルトを7:3の割合で含有する配合溶解インスリンアナログ製剤であり、1つの製剤中に持効型画分と速効型画分を併せ持つ。日本人1型糖尿病患者における『ライゾデグ配合注』単回投与後24時間グルコース注入速度推移プロファイルは、インスリン アスパルトの明確なピークとインスリン デグルデグの安定した作用に区別された」と、「ライゾデグ配合注」の試験結果について教えてくれた。「第3相臨床試験では、『ライゾデグ配合注』の1日1回投与は、血糖コントロールを効果的に改善した。また、インスリン グラルギンの1日1回投与と比較して食後血糖コントロールを効果的に改善した。『ライゾデグ配合注』の1日1回投与の忍容性は良好であった」と、まとめていた。「さらに、『ライゾデグ配合注』の1日2回投与は血糖コントロールを効果的に改善した。空腹時血糖値の低下は、インスリン アスパルト30の1日2回投与と比較して『ライゾデグ配合注』の1日2回投与で統計的に優位に大きかった。『ライゾデグ配合注』の1日2回投与は、インスリンアスパルト30の1日2回投与と比較して空腹時血糖値を大きく低下させつつ、夜間低血糖の患者あたりの年間発現件数を33%減少させた。『ライゾデグ配合注』の1日2回投与の忍容性は良好であった」と、データを示しながら説明した。

 「『ライゾデグ配合注』は、生理的基礎インスリン追加とインスリン補充の役割が明確で、長い持続時間を有する。また個体内変動が少ないのが特徴だ。臨床上においては、安全かつ良好な血糖コントロールの達成と利便性の向上が期待できる」と、インスリン療法の新たな可能性を示唆していた。「『ライゾデグ配合注』は、シンプルに治療強化を望む患者に有効で、より良い血糖コントロールを提供する配合インスリン製剤でもある」と、簡便な治療の強化が可能だと力説する。「この新剤の誕生で、2型糖尿病治療の考え方が変わり、かなりのバリエーションが増えることになる」と、これまで以上に、インスリン療法による血糖コントロール管理がしやすい環境が整ったと話していた。

ノボ ノルディスク ファーマ=http://www.novonordisk.co.jp/


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