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日本海老協会、「エビフェス!2021 in 二子玉川」を開催、海の命や水産資源の大切さを学べるステージイベントやトークショーなど実施

2021.10.21 19:46 更新

 日本海老協会は、海と食文化フォーラムが10月15日~16日に開催した「海のごちそうフェスティバル」において、「食品ロス」や「海の環境」の問題について学び、未来に豊かな海をつないでいくための取り組み「エビフェス!2021 in 二子玉川」を実施した。イベント初日の15日には、「お出汁の世界~専門店が語る本当のお出汁の取り方~」と「一尾で買うとこんなに楽しい!お魚解剖教室」の2つのステージイベントが開催され、親子連れなど多くの来場者を集めた。

 「エビフェス!」は、新しい海老食文化の普及活動と食品ロスや海洋ごみ削減を目的とした取り組み。未来の子どもに豊かな海と美味しい海の幸を引き継いでいくために、海洋ごみや海洋環境の変化による生態系への影響、まだまだ食べられるのに捨てられてしまう水産フードロスなどの問題を解決したい。このような想いから、すべての人が「海と日本」の関係を「自分ごと」と考え、日々の生活を少しずつ変えるきっかけとなるよう、様々なイベントを開催している。今年の「エビフェス!2021 in 二子玉川」では、「水産フードロスを減らそう!」をテーマに、海の命や水産資源の大切さを学べるステージなどを実施した。

 会場では、海老を丸ごと無駄なく使用した海老料理をキッチンカーで販売するとともに、出汁の取り方や魚の捌き方についてのステージイベント、「丸ごと夢の海老料理」の表彰状授与式、トップシェフによるトークショーなどを通じ、「海と日本」のより良い未来に向けたメッセージを発信した。

 イベント初日には、特設ステージで、「お出汁の世界~専門店が語る本当のお出汁の取り方~」と「一尾で買うとこんなに楽しい!お魚解剖教室」の2つのステージイベントが行われた。「お出汁の世界~専門店が語る本当のお出汁の取り方~」では、日本昆布協会と日本鰹節協会の協力のもと、出汁のプロが誰でも家庭で簡単にできる出汁の取り方を実演し、子どもたちから寄せられた出汁に関する素朴な疑問に答えた。最近では、市販の粉末パックで出汁を取る人が増えたことで、実際に昆布や鰹節から出汁を取る機会が減っている中、海に囲まれた日本で古来から伝わる出汁の取り方に触れられる貴重な機会となった。

 日本昆布協会の吹田勝良副会長は、「昆布は、日持ちがよく長期間保存できるので、食品ロスの心配はない。その意味で、古来からの食材でありながら、今の時代に適した食材であると考えている。出汁の取り方にはいろいろあるが、基本的に失敗はなく、どんな方法でも美味しい出汁が取れる。また、昆布の出汁には、健康に役立つ栄養分がたっぷり入っているといわれている。特に、天然の昆布出汁は、とても香りがいいので、薄めの味付けでも料理が美味しくなり、減塩にもつながる。和食はもちろん、どんな料理にも合うので、ぜひ試してみてほしい」と、昆布出汁を様々な料理で活用してほしいと話していた。

 日本鰹節協会の稲葉泰三氏は、「鰹節の出汁も、誰でも簡単に取ることができ、便利に使うことができる。決められた方法はないので、好きなように出汁を取ってほしい。鰹節1本の価格は高めだが、1回に削って使う量は少ないので、市販の粉末パックなどを買うよりも経済的といえる。目先の値段で判断するのではなく、高価でも価値のあるものにお金を使うようにしてほしい。また、鰹節には賞味期限がなく、10年でも20年でも保存できる。これは、食品ロスのない次世代の食料にもつながると考えている。鰹節を長期保存する際には、冷蔵庫に入れずに常温で保存してほしい。冷蔵庫に入れると乾燥が進み、味が落ちてしまう」と、鰹節から削って出汁を取る魅力をアピールした。

 「一尾で買うとこんなに楽しい!お魚解剖教室」では、水産庁長官任命の“お魚かたりべ”の早武忠利氏と、さかなの会副代表・生き物コンサルタントの青木宏樹氏が先生として登壇。「自宅で魚を捌く」という体験がなくなる中で、実際に魚を解剖しながら、体の仕組みや、正しい魚の捌き方、美味しく無駄なく食べる方法まで、わかりやすいリアル授業を行った。魚の美味しさだけではなく、一尾丸ごとの鯛や海老の大きさや体つきを見てもらうことで、鯛や海老が海でどうやって生きていたかに思いを馳せ、命の大切さや命をいただく尊さ、「海の環境」保護の大切さを伝えた。

 早武氏は、「魚を一尾丸ごと買ったら、ヒレや鱗、目、口の中まで、魚の体をすみずみまで見て、触ってほしい。たとえば、鯛は頭から触るとつるっとしているが、尻尾から触るとヒレのトゲがささる。これにより、水の中でスムーズに泳げるような体つきになっていることがわかる。また、海老は、暮らす場所や育ち方によって色や体つきが異なり、敵から身を守っている。泳ぐタイプの車海老は、全方向が見えるように目が飛び出ている。歩くタイプでは、オマール海老は大きなハサミを持っており、伊勢海老には全身にトゲがある。また、ハサミもトゲもない蝉海老はとにかく体が堅い」と、いろいろな魚を一尾丸ごと買って、食べる前にじっくり観察してほしいと話していた。

 青木氏は、鯛を捌くポイントを実演でレクチャー。「鱗を取る際に、包丁を使うと鱗が飛び散って後片付けが大変になってしまう。そこでスプーンを使って、尻尾から頭に向けてすくうようにすると、飛び散ることなくきれいに取れる。内臓を取るときには、キッチンバサミを使うと便利。お腹を切って、エラを切り離せば、丸ごと内臓を取り出すことができる。取った内臓は、牛乳パックに入れて冷凍してしまえば、臭くならず、捨てるのも楽になる。また、尾頭付きの塩焼きにする場合は、竹串を使ってヒレを広げると形がきれいになる。そして、鱗を取った体をなでて表面を整え、ヒレに飾り塩を多めに振れば、かっこよく焼きあがる」と、捌いた鯛を丸ごと食べる尾頭付きの塩焼きのコツも教えてくれた。

 イベントの2日目には、「フレンチ」「中国料理」「西洋料理」「イタリアン」「和食」それぞれの料理業界を代表するトップシェフ5名(三國清三シェフ/フレンチ・脇屋友詞シェフ/中国料理・茂出木浩司シェフ/西洋料理・鈴木弥平シェフ/イタリアン・野永喜三夫シェフ/日本料理)が登場し、全国の小中学生から集まったアイデア料理の中から、各シェフが選出した「ベスト海老料理大賞」授与式を開催した。

 大賞に選ばれた5名の子どもには、選定したシェフから表彰状と海老一年分がそれぞれ授与された。受賞者とシェフからは、メニューへの思いや選定理由が語られた。なお、具体的な時期は未定だが、今回の「丸ごと夢の料理」をスーパーなどで販売する計画も進んでいるという。

 授賞式の後は、5名のシェフにより、「食品ロス削減のための工夫」や「水産資源を守るために子どもに心がけて欲しいこと」などをテーマにしたトークショーが行われた。各シェフは、「海老の殻や野菜の皮など、普段は捨ててしまうようなものであってもしっかりと調理をすればソースなどに活用できる」、「食品ロスが話題になっているが、食品を捨てることというのはお金や命を捨てることでもあると考えを変えてみよう」、「ゴミを流したり捨てたりという身近な行為が、すべて環境やひいては自分自身にもつながっているので、その発想から普段の行動を変えてほしい」など、環境に対して日頃から実践できることは何かについて、自身の経験なども踏まえて意見を交わしていた。

日本海老協会=https://ebikyoukai.jp/
エビフェス!2021 in 二子玉川 公式サイト=https://ebikyoukai.jp/ebifes


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