食事・レストラン

味の素、調理で野菜の魅力と栄養素を引き出す「ラブベジ」プロジェクトを推進、地域ごとに生活者の野菜摂取量向上に貢献すべく野菜がおいしいレシピなどを提供

2021.03.02 20:07 更新

 味の素は、「野菜をもっととろうよ!」をスローガンに、国(厚生労働省 健康日本21)が推奨する「野菜の摂取目標1日350g以上」の実践を応援する「ラブベジ」プロジェクトを展開。旬の野菜をふんだんに使い、“調理”で野菜の魅力や栄養素を引き出した野菜がおいしいレシピ・献立で、野菜に興味を持ち、好きになることで、たくさん野菜を摂取できることを目指している。また、時短調理や使い切りにも工夫をしているという。「ラブベジ」は、「Love(愛)」+「Vegetable(野菜)」の造語となっている。日本の生活者は野菜をたくさんとりたいと考える一方で、実際には一日の目標摂取量350gには達していないとのこと。厚生労働省のスマート・ライフ・プロジェクトでは「1日あと70gの野菜をプラス」を呼びかけている。同社では、調理を行うことで野菜の量も栄養もしっかりとれる「ラブベジ」プロジェクトを通じて、生活者の野菜摂取量向上に貢献していくべく、2月25日にオンラインセミナーを開催した。セミナーでは、女子栄養大学 栄養学部 食生態学研究室 女子栄養大学大学院 研究科長の武見ゆかり先生が「日本人の野菜摂取量の現状と必要な対策」について講演を行った他、「ラブベジ」プロジェクトの地域ごとの取り組みや、野菜がおいしいレシピなどを紹介した。

 「当社グループビジョンは、アミノ酸の働きで食習慣や高齢化にともなう食と健康の課題を解決し、人々のウェルネス(心と体の健康)を共創すること。創業以来一貫した事業を通じて、社会価値と経済価値を共創する取り組み『Ajinomoto Shared Value』(以下、ASV)を推奨している」と、味の素の西井孝明社長が挨拶。「具体的な取り組みとして、2030年までに、10憶人の健康寿命を延伸すると同時に、事業を成長させながら、環境負荷を50%削減する」と、あらゆる年代の毎日の食生活を改善していくと訴える。「おいしい減塩とたんぱく質摂取に焦点をあて、栄養バランスの良い食事を妥協なき栄養として広く普及させる」と、おいしさ、食へのアクセス、地域の食生活を妥協しないことで、栄養バランスの良い食事を目指すと力説する。「食と健康の課題解決活動として、地元の食材・食習慣を活用した健康増進施策『勝ち飯』や、農家・流通業・堆肥製造業等60社の地域内連携によるエコシステムを構築して『九州力作野菜・果物』を展開している。そして、野菜の摂取目標1日350g以上の実践を応援するプロジェクト『ラブベジ』も推進中だ」と、同社が取り組む課題解決活動について紹介した。「『ラブベジ』では、旬の野菜をふんだんに使い、調理で野菜の魅力や栄養を引き出した野菜がおいしいレシピ・献立で、野菜に興味を持ち、好きになることで、たくさん野菜を摂取できることを目指している」と、プロジェクトに取り組む理由について解説した。

 次に「ラブベジ」プロジェクトの具体的な取り組みについて、同 名古屋支社 家庭用第2グループの出口桂氏、同 九州支社 家庭用第1グループの坪井将希氏、同 大阪支社 家庭用第2グループの萩原恵氏が紹介した。「『ラブベジ』は、東海エリアの野菜摂取量が少ないという課題を解決するため、名古屋支社で生まれたプロジェクト」と出口氏。「問題を解決するべく、地元の野菜に注目。愛知県のキャベツが全国屈指の出荷量を誇ることに着目し、ホテルナゴヤキャッスルの鈴木シェフにメニュー開発を依頼した」と、事例を紹介する。「また、地元のママ達が集うNPO団体の人々と座談会を開催。子どもに野菜を食べてほしいという想いに気づくことができた」と、地元の生活者とのコミュニケーションも積極的に図ってきたのだという。「この意見から、子どもたちが思わず手に取ってしまうような絵本仕立てのメニューブックを作成した」と、子どもへ向けた働きかけも実施。「メニューブックには、野菜のシールを貼って遊べる仕掛けも施した」と、野菜をもっと身近に感じてもらえるように工夫をこらしたのだと教えてくれた。「さらに、今や毎日の食卓に欠かせないカット野菜にも『ラブベジ』の輪を広げている」と、岐阜県津川市に本社を構えるサラダコスモ社とコラボした商品も展開していると教えてくれた。「地元メディアとタイアップし、発信の幅を広げていっただけでなく、地元情報誌で『ラブベジ』レシピコンテストを開催。多くの生活者にレシピを投稿してもらった」と、東海エリアで生まれた「ラブベジ」が様々なエリアに波及していることも紹介していた。

 「九州で一番野菜摂取量が低い長崎県では、独自の啓発ポスターを活用して野菜摂取を訴求していた」と坪井氏。「県下のスーパーと地元メディアに協力してもらい、たくさんの生活者に野菜の魅力を伝えてきた」と、情報発信を積極的に行ってきたという。「官公庁の食堂では、県庁と一緒に考案した『ラブベジ』メニューを提供した」と、様々な企業や自治体、団体と協力して「ラブベジ」プロジェクトを訴求していると教えてくれた。「2020年3月に神戸市民の健康課題解決に向けて連携協定を締結した神戸市においては、『KOBE野菜を食べようキャンペーン』×『ラブベジ』を展開。神戸市内のスーパー店頭121店舗で実施した」と、神戸市、神戸市内のスーパー、兵庫県栄養士会と同社が連携して健康課題の解決に取り組んでいるという。「青森県では、青森県立保健大学栄養科の学生と協働でレシピを考案。青森県知事と学生が参加したイベントを開催するなどした」と、野菜をおいしく食べる輪を広げていると強調した。

 「『ラブベジ』では、冬から春にかけて、旬の野菜がたくさん出回るこの時期を3月1日(サ・イ=菜)の語呂合わせで、『ラブベジの日』に制定した」と萩原氏。「JAグループなど各地の生産者と一緒に、野菜の魅力を発信している」と、和歌山県では和歌山特産の釜揚げしらすを活かした野菜のみそ汁を提案するなどしているとのこと。「大阪府が提唱する『健活10』とタッグを組んで、大阪府・大阪市と協働し、野菜摂取を訴求していく」と、地域連携の広がりについて紹介。「大阪府民の野菜を食べない理由は『面倒くさいから』。これを打破するべく、当社の製品を使った簡便メニューで解決していく」と、メニューブックなどを作成し、面倒ではない点などをアピールしていくと呼びかけた。「2017年から食と健康の連携協定を結んでいる三重県との新しい地域密着モデルも誕生している」と、三重県との事例を紹介する。「三重県の中で次々に共感の輪が広がり、面白い形でムーブメントが起こっている」と、三重高校ダンス部が「みんなでラブベジ」ダンス動画を撮影するなど、新たな取り組みが始まっていると述べていた。

 最後に出口氏は、「これからも地域の人々と一緒に地域に根差した方法で『ラブベジ』の活動を発展させ、日本中の人々に、野菜をおいしく、楽しく、たくさん食べてもらい、健康な食卓を届けていく」と、妥協なき栄養への挑戦に邁進していくと語っていた。

 特別講演として、女子栄養大学 栄養学部 食生態学研究室 女子栄養大学大学院 研究科長の武見ゆかり先生が、「日本人の野菜摂取量の現状と必要な対策」について説明した。「日本人の野菜摂取量は目標の350gには達していない」と、国民平均が280.5gとなっている点を指摘。「350g以上を摂取している人は、男性が30.1%、女性が26.5%となっている」と、目標量が摂取できている人は、男女とも半分にも満たないとのこと。「野菜摂取量の地域差も大きく、最多と最小の差は100g以上となっている」と、最多の長野県と最小の愛知県では大きな開きがあると強調していた。

 「野菜から摂取が期待される主な栄養素は、ビタミン、ミネラル、炭水化物など多岐にわたり、循環器疾患や高血圧症、2型糖尿病、肥満、一部のがんなどのリスク低減が期待される」と、野菜摂取のメリットについて語る。「健康のために望ましい1日の野菜摂取量を知っている人は、男性が44%、女性は56%となっている」と、全体の半数程度しか知らないのだという。「野菜料理の皿数では、1日『5~6皿』が目標となる」と、350gの量の目安を紹介。「サラダ・生野菜、汁物、和え物で野菜を食べている傾向が高い。それだけに、野菜摂取が少ない人は、こうした野菜料理をプラス1皿加える必要がある」と、プラス1皿を意識してほしいと訴えた。

 「野菜摂取量が多い地域上位10県のうち6県が、食塩摂取量も上位だった」と、食塩摂取量が多い人は、野菜摂取量も多いことがわかったとのこと。「野菜の摂取頻度が高い人は、尿中ナトリウム排泄量も多い」と、研究データで相関関係を解説する。「食塩の高摂取は、日本人死亡のリスク要因の第5位となっている」と、野菜を食べることで食塩過多になってしまっても、リスクは抑えられないと説明する。「野菜から食べて満腹感を出したり、調理法や食べる時に使う調味料で、減塩に配慮するなどしてほしい」と、食べ方、作り方といった食行動の工夫で野菜を摂取してほしいと話していた。

 具体的な食行動について、武見先生は、「主食・主菜・副菜を組み合わせた食事は、栄養バランスのとれた食生活と関係している」とのこと。「ただし、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事が毎日2回以上、ほぼ毎日の人は4~5割と少なく、特に20代~40代で低い」と、警鐘を鳴らす。「特に、一番そろわないのが副菜(野菜料理)」と説明する。「汁物を副菜(野菜料理)として上手に活用してほしい」と、汁物で野菜を補ってほしいとのこと。「野菜に含まれるビタミンは、ゆで汁への流出分も考慮して、上手にとってほしい」と、ゆで汁まで飲み干すことで、栄養分を余すことなく摂取できると述べていた。「新型コロナウイルス感染症対策として、免疫力を高めるためにも、栄養バランスのよい食事は必須となっている。主食・主菜・副菜(野菜料理)を基本に、果物、牛乳・乳製品も組み合わせて、バランスの良い食事を心がけてほしい」と、免疫力を高めるためにも、バランスのとれた食事を行ってほしいと呼びかけた。

 「調理」でふんだんに、おいしく野菜の栄養を得るべく、管理栄養士で料理研究家の柴田真希先生が、レシピを紹介してくれた。「『鶏肉と3種の野菜の具たっぷりみそ汁』は、『生のレタス、ゆでかぼちゃのサラダ』と量を比べてみても、見た目は半分程度の量でありながら、全く同じ量の野菜を摂取することができる」と、汁物にすることで、多くの野菜を摂取しやすくすることができるとのこと。「『玉ねぎとにんじんのだし煮』は、洋風ではコンソメ、和風ではほんだし、中華では丸鶏がらスープの素を使っている」と、だしを変えることで、マンネリ化しやすい汁物をアレンジメニューにすることができると教えてくれた。

 「『たまご入り青椒肉絲』は、肉と野菜をしっかり食べることができるメニュー。Cook Doを使うことで、失敗することなく調理することができる。またピーマン嫌いの子どもには、ご飯にかけてどんぶりメニューとして食べさせるのもおすすめ」と、野菜嫌いの子どもに食べさせる工夫についてもアドバイスしてくれた。

味の素=https://www.ajinomoto.co.jp/


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