健康食品・医薬品

太陽ファルマテック、企業と地域をつなぐ新しい福利厚生施設「T-LINKS」を開設、災害時の一時避難所としても活用

2022.11.22 21:47 更新

 太陽ホールディングスの子会社で医薬品製造受託事業を担う太陽ファルマテックは、11月24日から本社敷地内に福利厚生施設「T-LINKS(ティーリンクス)」を開設する。開設に先立ち、11月21日に行われた記者発表会および施設内覧会では、同施設誕生の経緯やコンセプト、施設の概要などについて説明した他、ツアー形式で内覧会を実施し、「T-LINKS」の全貌が公開された。

 「太陽ホールディングスは、グローバル化学メーカーとして、エレクトロニクス事業を中心に日本から世界へグループ拠点を展開している。その中で太陽ファルマテックは、エレクトロニクス事業に次ぐ第2の柱として注力する医療・医薬品情報において、医薬品製造受託事業を担っている」と、太陽ホールディングス/太陽ファルマテックの佐藤英志社長が挨拶。「太陽ファルマテックでは、注射製剤と固形製剤を主製品とする医薬品の受託生産を手掛けている。近年では、新規モダリティである再生医療・遺伝子治療分野の製造にも参入し、現在の医療では治せない病気や障害の治療に向けて取り組みを進めている」と、太陽ファルマテックの事業概要について紹介した。

 「今回、新たに開設する福利厚生施設は3階建てで、アリーナ(体育館)やマシンジム、カフェテリア(社員食堂)、ROOM(会議室)、Boardroom(大会議室)、和室などで構成されている。同施設を建設する狙いとしては、自律型人材を育成し、グローバル企業としてさらに飛躍するために、社員がより働きやすい環境を整備することが必要だと考えた。また、企業市民として、高槻市が掲げる災害に強い“強靭なまちづくり”に貢献し、地域・社会との調和を図る役割も担っていく」と、福利厚生施設の建設経緯を説明。「施設の名称については、地域住民にも親しみをもってもらうべく社員から募集し、応募総数103件の中から、企業と地域住民をつなぐ『T-LINKS』に決定した」と、社員公募から選ばれた施設名称を発表した。「また、同施設の開設に向けて、高槻市および近隣自治会と、災害発生時における協定を新たに締結した。これによって、大規模災害発生時には、高槻市内にとどまる帰宅困難者および近隣住民(高槻市・近隣自治体との協定に基づく人)に対し、同施設を一時避難所として提供し、迅速な災害対策に協力していく」と、有事などの際には、地域の災害対策として積極的に貢献していく考えを示した。

 続いて、設計を担当した大成建設 設計本部の川野久雄部長が、「T-LINKS」のデザインコンセプトについて説明した。「『T-LINKS』の設計にあたっては、『みんなのリフレッシュテラス=環境と人に優しい木陰の空間』をデザインコンセプトに、自然環境・地域環境・職場環境の3つの環境に配慮した。自然環境については、特徴的な庇屋根で建物全体を覆うことで日射軽減を図った。また、建物周辺に用いた潜在自然植生の蒸散効果などから、エネルギー消費を50%以上削減し、効率よく建物内の温度上昇を緩和する。このことで、経済産業省資源エネルギー庁認定の『ZEB Ready』の認証を取得した」とのこと。「地域環境については、新国立競技場などの施設設計経験を活かし、近隣住宅に圧迫感が少なく、街の景観を損なわない外観デザインを施した。職場環境については、コミュニケーションを喚起するカフェテリアや、リフレッシュができるテラス、マシンジムなどを設け、いろいろ場所で自分の働き方に合わせて、ON・OFFの切り替えができるようにした。また、一時避難所としても利用されることから、水害を考慮した床レベルの設定や開放性がありながらも地震に強い構造など、安心安全に運用できる機能を備えている」と、自然環境・地域環境・職場環境への配慮を徹底した施設設計になっていると訴えた。

 施設内装については、内装設計デザインの局所に携わったDRAFT Inc. 企画制作デザイン部の中村嶺介シニアディレクターが解説した。「施設全体の基調となる意匠から趣の異なるエリアのデザインを考えるにあたって、基本エリアとの調和を図りつつ、素材の質感を活かした品のある特別感を演出した。レセプションエリアには、社員だけでなく、訪れるすべての人々を温かく出迎えられるよう、包容力のあるデザインの大型ソファを設置した。カフェテリアには、様々な形状の家具を高さや配置にこだわって計画し、その日の気分によってシチュエーションを選べるようにした」と、「T-LINKS」仕様のオリジナル家具を設計したという。

 「3階のBoardroom前廊下には、回廊を思わせる連続性を持った意匠を施した。直線的な表現が多くなる通路エリアだが、天井に近い部分でリブに曲線の表現を加え、その先に間接照明の光を流すことで柔らかさと奥行き感を演出している。一方、和室手前の廊下については、無駄な装飾性を省いて壁面すべてをスムーズなテクスチャの左官仕上げとした」と、室内だけでなく廊下の意匠に至るまでこだわりぬいた内装デザインになっていると胸を張っていた。

 それでは、内覧会で公開された「T-LINKS」の施設内容について詳しく紹介しよう。施設の顔となる1階レセプションは、来訪者を温かく迎え入れるよう、外と内の空間が緩やかにつながるように、開放的なガラス開口の床面に近いところに植栽を配置した。そのため、ファサードと植栽からは木漏れ日が注ぐようになっている。レセプションの壁面には、京都を拠点に創作和紙を制作し、在日フランス大使館大使公邸や鎌倉長谷寺などにも作品を設置している堀木エリ子氏の光壁で、温かな空気感を演出している。家具については、完全特注の大型ソファを設置。縦方向へ開放感のある空間のため、その雰囲気を壊すことがないよう背は低く大きく広がった包容力のあるシルエットになっている。

 マシンジムには約7種類の器具を設けている。開放的で外の緑を楽しみながらリラックスできる空間となっている。マシンジム内はロールスクリーンで仕切ることができため、ヨガスペースなど少人数での利用も可能。また、アリーナ(体育館)とマシンジムの間を開放可能な建具(ガラス戸)にすることで、一体的な利用を可能とし、様々なニーズに対応した空間を提供できる。

 アリーナ(体育館)は、太陽ホールディングス所属でバドミントン女子シングルス日本代表の奥原希望選手が初めて監修を手掛け、世界卓球やバドミントンの国際大会が開催された東京体育館などと同じ、国際競技認定の床材を使用している。

 奥原選手は、「体育館の監修は初めてだったので不安もあったが、日頃の練習や大会でのプレー経験をもとにアスリート目線で監修を行った。バドミントンはもちろんスポーツ全般がしやすい開放的な体育館になったと思っている。安全面に留意し、緩衝作用のある床材を使用するなど、使う人たちの怪我や身体への負担を軽減する素材を活用した設計になっている。また、特徴的な傾斜屋根は、プレーの妨げにならないよう、体育館内の十分な高さを確保するだけではなく、近隣の住宅地に対し圧迫感の軽減や競技用の照明の光が公害とならないように配慮されている。将来的には、地元のバドミントンチームやいろいろなスポーツ団体との交流の中で、高槻市から世界へ羽ばたくアスリートが誕生してくれればうれしい」と、ビデオメッセージでアリーナに込めた想いを語ってくれた。

 アリーナとオープンに近隣したカフェテリア(社員食堂)では、昼休みにアリーナでスポーツを楽しみながら、ランチをピクニック気分で楽しむこともできる。

 また、リラックスの場であり、コミュニケーションの場でもあるカフェテリアは、自分に合った場所を選択できるように、「和紙のワーロンルーバーが特徴的な雲海エリア」「緑のアイランドエリア」「縦格子で軽く仕切られた木立のグループエリア」の3つのエリアを設けている。

 電源なども設置することで軽いミーティングにも対応でき、発想力を刺激できるような選択性の高いエリアとなっている。同じビッグテーブルでもサイズや輪郭に違いを持たせたり、窓際のカウンターテーブルにはペンダントライトを合わせたりと、空間が単調にならないよう計画している。

 2階の浴室は、災害時の一般利用を踏まえ、利用者が気持ちを安らげることができるようにした。プライバシーにも配慮し、天井に設けたトップライトが、浴槽の水面に光が反射するようになっている。

 また、社員更衣室内のパウダールームは、自らを整える場としてふさわしい空間を作るべく、機能面のみならず落ち着きを感じつつもある種の高揚感を覚えるような質の高い意匠を施している。

 アリーナを観覧できる2階ROOM(会議室)は、可動間仕切りにより、大部屋に変容が可能。アリーナで催しがある場合、観覧しながらパーティーを行える大部屋として利用できる。隣接したテラスは、木の天井と再生木材の床に包まれた木の温かみにあふれ、屋外のテラスでも打ち合わせや会議ができる多様な空間になる予定とのこと。

 3階の和室は、ふすまを収納することで一体の完全な大広間となり、和室に面した坪庭が落ち着きのある空間を演出する。壁面には淡路島を拠点に東京国立博物館や在日インドネシア大使館などにも携わった左官職人の久住有生氏による作品を施している。和室では、社員のリフレッシュ(休憩時間)や、座禅・瞑想などの利用が予定されている。

 特別感を持った会議室としてデザインされた3階Boardroomは、メインに据えたLEDモニターに対峙するように象徴的なU字の造形照明を設置。視界を邪魔することなく空間のアクセントとなり、柔らかく室内を照らす。エイジングされた真鍮のフレームをベースにレザーがまかれた造作照明となっており、年数を経るごとに異なった表情を見せながら施設と共に成長していけるような意味合いを持たせている。

 緑に囲まれた3階テラスには、グループ会社の食糧事業のノウハウを生かした水耕栽培エリアを設置している。リーフレタスやハーブといった葉物野菜を栽培し、カフェテリアのメニューに活用するという。なお、和室とテラスをつなぐ部分には、大きな水栓カウンターも設けているので、バーベキューなど社員同士の親睦を深めるアクティビティなども行えるとのこと。自然に触れることでリラックスでき、新たな発想の転換が生じるとともに、コミュニケーションが活発になると考えている。

[「T-LINKS」施設概要]
所在地:大阪府高槻市明田町4-38
竣工:11月21日(月)
開設:11月24日(木)
建築面積/延床面積:2670.89m2/4608.19m2
設計/施工:大成建設
階数:3階建て

太陽ホールディングス=https://www.taiyo-hd.co.jp
太陽ファルマテック=https://www.taiyo-pt.co.jp


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