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オーガニック野菜に豊富に含まれる植物性栄養素「サルベストロール」に注目、栄養不足にならない「野菜の食べ方新常識」とは!?

2022.09.15 20:00 更新

 食べ過ぎからくる肥満、贅沢病といわれる糖尿病など、飽食時代を生きる現代人は栄養過多と思われているが、実は、がんなど日本人の死因の上位である病気の原因の1つは栄養不足といわれている。ではなぜ、飽食時代の中で栄養不足が起こってしまうのか。群馬県の農場で小松菜の有機栽培を行うだけでなく、オーガニック野菜の重要性を広めているプレマ・オーガニック・ファーム(プレマ)の飯野晃子代表は、「生産効率を重視した慣行農法でつくった野菜を食べていると、必要な栄養が不足する可能性がある。化学合成農薬や化学肥料によって、本来の野菜の植物性栄養素が失われ必要な成分が不足してしまう。今、現代人に必要なのは、野菜が本来持つ“生命エネルギー”にあふれるオーガニック(有機)農法による野菜である」と指摘する。そこで今回、栄養不足にならないための野菜の食べ方新常識を専門家に聞いた。

 飯野代表が今注目している植物性栄養素は、英国を中心に研究が進んでいる「サルベストロール」。植物は真菌(カビ)に攻撃されると、抗菌作用のある成分を生成し、真菌から身を守る。その抗菌成分がサルベストロールとのこと。慣行栽培の植物は化学合成農薬によってカビから守られ、抗菌成分を作る必要がなくなるため、サルベストロールの含有量は大幅に減少するといわれている。そのため、サルベストロールを摂取するには、オーガニック野菜を選ぶことがポイントになる。

 サルベストロールは、人間の体内に入ると、細胞の自然なライフサイクルを助ける働きをするとのこと。損傷を負った特定の細胞には、特殊な酵素(CYP1B1)が出現する。サルベストロールはこの酵素により活性化され、損傷した細胞を体内から排除するために働くという。健康な細胞にはCYP1B1が存在しないため、影響はないとされている。

 飯野代表は、「プレマ・オーガニック・ファームでは、オーガニック農法で小松菜を栽培している。抗酸化成分が多いアブラナ科の小松菜には、サルベストロールが豊富に含まれている。通年栽培ができる小松菜は、青菜の中では珍しく東洋医学的に中庸で、バランスがよく、血流をよくするとされている。オーガニック小松菜は苦みが少なく、食べやすく何よりもおいしいと評判を得ている。過剰症になる成分は含まれていないので、毎日食べてほしい」と、オーガニック小松菜にはサルベストロールが豊富に含まれているとアピールした。

 感染への防御反応として生成されるサルベストロールは、本来ほとんどすべての果実や野菜に含まれており、黒い斑点となって現れることもあるという。一見傷んでいるように見えるが、有機の果物の皮にみられる暗い斑点の部分などには、特にサルベストロールが多く含まれているとのこと。食材を選ぶ時にはなるべくキレイな形・色の物を選び、斑点がついた物は避ける傾向にあるが、実は斑点のある植物の方がサルベストロールが豊富に含まれている野菜といえそうだ。

 野菜の栄養素に注目が集まる一方で、国産の野菜は、オーガニックを選ばなくても安心と思っている人も多いはず。「実は日本は“主要国における農薬集約度ランキング”第3位(農薬工業会ホームページより(2017年4月))の農薬大国である」と解説するのは、日本オーソモレキュラー医学会 代表理事の柳澤厚生先生。「日本の農薬の使用量は耕地面積あたりの農薬の使用量が、中国、韓国に続き世界第3位。農薬は、私たちの知らないところで身近に存在している。農薬を完全に避けて生活するのは難しいのが現状だが、できるかぎりオーガニック野菜を選ぶことが大切」と、オーガニック野菜を選ぶことは心身の健康のためにも重要なのだと訴える。

 「サルベストロールは小松菜などのアブラナ科の野菜に特に多く、パセリやバジルなどのハーブ類、ベリー系などの果物類にも含まれる。しかし、サラダとして加工されている野菜には注意してほしい。殺菌してある野菜にはサルベストロールがほとんど含まれていない」と柳澤先生。サルベストロールは熱に強く、調理法を選ばないため、スープや温野菜サラダなど、熱を加えることで量を多く摂ることができるという。「サルベストロールを摂ってから、血中濃度が上がるまでに3時間ほどかかる。CYP1B1の活性が高い15時までにサルベストロールの濃度を上げるためには、朝食・昼食にオーガニックな食事を心がけることがオススメ」と、サルベストロールを摂取する時間帯は、昼食までが適していると教えてくれた。

 栄養豊富なオーガニック野菜は、値段が高いのが現状だが、将来病気になったときの治療に関わる費用は、さらに高額になることが予想される。オーガニック野菜を予防や治療に取り入れる「アクアメディカルクリニック」院長で「ガンが嫌なら野菜を変えなさい」(キラジェンヌ)の監修を手掛けた石黒伸先生は、「医学は進んでいるのに、がんをはじめ生活習慣病など病気が増えている。これは食べ物が一部影響しており、現代の食事スタイルでは確実に必要なものが不足している。オーガニック野菜は将来への投資と考えてほしい」と説明する。「私は高齢者の在宅診療を行っており、日々高齢者の病気と向きあい食事について指導している。がん・認知症・心不全、すべて体内の炎症が元になっている。抗酸化成分を積極的に摂取し、炎症を抑える食事をすることが重要になる。有機野菜は多種多様な抗酸化成分を豊富に含むことが多く、必ず生活習慣病予防に役立つものと考えている」と、生活習慣病予防のためにもオーガニック野菜を積極的に摂ってほしいと述べていた。

 では、オーガニック野菜が入手困難な場合や、野菜を大量に摂取することが難しい場合にはどうすればよいのか。飯野代表、石黒先生ともに、サプリメントを利用するのも手段の1つだと話す。特に、安心できる製法で作られたサルベストロールのサプリメントの積極的な利用を勧めており、石黒先生は日頃から予防や治療に厳選したサプリメントを活用しているとのこと。飯野代表は、「サプリメントは足りないものを補うことに適していると思う。製法や含有成分をきちんと把握して選ぶことが重要で、いいものなら食事の補完として、積極的に活用することが心と体の健康につながる」との考えを示した。


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