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クラシエ薬品、"冬場の養生"をテーマに「冬場の身体」の考え方や春先に向けた冬の過ごし方について解説、胃腸トラブルのタイプに応じた漢方処方も

2021.12.21 20:34 更新

 クラシエ薬品は、“冬場の養生”をテーマにしたオンラインセミナー「第3回クラシエ漢方セミナー」を、12月20日に開催した。同セミナーは、「わかりにくい・選びにくい」「何に効くのかわからない」「品質が心配」といった声も聞かれる“漢方”について、より多くの人々に漢方薬を身近な存在として理解してもらうために開催するもので、今回で3回目となる。当日は、“冬場の養生”をテーマに、中医学視点で見る「冬場の身体」の考え方や、春先に向けた冬の過ごし方について同社学術部員が解説した。さらに、年末年始の多忙によるストレスや睡眠不足に加え、忘年会・新年会などで胃腸にも負担がかかりやすい時期でもあることから、胃腸トラブルのタイプに応じた漢方処方についても紹介。また、「2021年の漢方振り返りと2022年の展望」と題し、今年1年間で売り上げを伸ばしたヒット漢方やコロナ禍における漢方需要の変化、来年に予想される漢方需要などを説明した。長引く新型コロナウイルス感染症の流行下において、新たに生まれた漢方需要や、伸びを見せた漢方処方など、同社の販売データを基に紹介した。

 まず、クラシエ製薬 薬品経営企画室長の草柳徹哉副社長が2021年振り返りと2022年の展望について発表した。「2021年度漢方薬市場規模の見込みでは、2019年度水準まで後退した。漢方風邪薬の急激な縮小が原因とみられる。一方、シリーズ漢方は新規需要を取り込んで拡大は継続している」と、マスク着用が常態化したことで、風邪をひく人が減少し漢方風邪薬の市場が縮小したと分析する。

 「漢方セラピーブランドは、5ヵ年連続で拡大が継続している。ストレスカテゴリの拡大が全体の伸長をけん引、直近2年は特にその傾向が強い」と、ストレスに悩む人が漢方を利用する傾向が年々高まっていると述べていた。

 「売れ筋は、今年も継続して半夏厚朴湯が好調だった。気象病関連も上位にランクインした。昨年に外出規制等の影響を受けた芍薬甘草湯は回復傾向がみられた」と、ストレス・のどのつかえに効果的な半夏厚朴湯へのニーズが今年も高かったようだ。「今年は昨年に引き続きウィズ・コロナの年となった。その一方で、前年に見られた異常値は緩和。長引くストレスによる“疲れ”が目立つ処方動向となった」と、ストレス・ささいな事が気になる人が利用する桂枝加竜骨牡蛎湯の伸長が大きかったと解説した。

 「昨年『免疫力』関連需要の高まりを受けた補中益気湯も、今年には落ち着きを見せた。また、同じく需要が急拡大したストレス・不眠カテゴリは、やや勢いを落とすも『ストレス不調』の変化を映す処方傾向が見られた」と、ウィズ・コロナにおける処方動向について分析。「変化に直面した前年は『イライラ』が優勢であったのに対し、今年度は『疲れやすい』需要が拡大した。巣ごもり期間中に蓄積した『体力低下』に起因する不調は今後も拡大すると見込んでいる」と、不眠については「イライラ」から「疲れやすい」を訴える人が増えていると述べていた。

 「昨年、生活様式の変化で需要縮小の見られた“足のつり”“鼻炎”“胃腸”の3カテゴリは、生活行動の回帰を背景に、鼻炎以外は今年、回復基調となった」と、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたことに比例して、足のつり、胃腸を訴える人が増えたようだ。

 「生活様式の変化を最も良く映し出したのは、芍薬甘草湯。外出機会の増加にともない、回復が見込まれると同時に巣ごもりによる筋力低下によって、需要は拡大を見込む」と、外出機会の増加によって、芍薬甘草湯を求める人が増えると予測。「アレルギー性の鼻炎は、マスク習慣が無くならない限り回復の見込は薄い」と、マスクの着用が常態化していることが、鼻炎の苦しみを緩和させると話していた。

 「日常生活に戻りつつある中で胃腸カテゴリ全体も2019年水準まで回復した。特に、昨年から今年にかけては、ストレス起因の胃腸症状への需要が拡大している。また長引くウィズコロナ生活による新たなストレス症状の可能性も考えられる」と、働き方の変化やおうち時間の拡大によるストレスから胃腸症状を訴える人が増えていると説明する。「来期は、日常生活が戻ってくることで生まれる不調もみられるものと考えられる。そして、疲れ・ストレス・マスクによるトラブルが拡大すると見込んでいる」と、「日常に戻る過程」の不調を中心に需要が拡大すると予測した。

 「当社は、漢方セラピー15周年の施策として、10月に『人にやさしくなるゲーム』を企画。11月20日にオインクゲームズから発売。ゲームマーケット以降、各ECサイトでも販売している。『人にやさしくなるゲーム』は、1年分の目標販売数を1週間でクリア。漢方新規層への認知拡大に期待している」と、ゲームなど新たなツールで、漢方の認知拡大を図っているとアピールした。

 クラシエ薬品 ヘルスケア事業部 学術部の山本政春課長は、「冬の養生と漢方」について紹介した。「冬から春にかけて起こりやすい症状として、冷え症や血管の収縮による血行不良、寒暖差による疲労・自律神経の乱れ、食べ過ぎ・飲みすぎによる胃腸疾患、肥満症が挙げられる」と、冬にから春にみられる不調について解説する。「黄帝内経素問の四気調神大論では、“冬は閉蔵の季節”“体内の陽気を洩らさないように、寒い刺激を避け、体を暖かく包む”と記され、腎は精というエネルギーを蓄え、ホルモンバランスや老化をつかさどる臓器なのだと述べられている」と、腎臓に対する考え方を説明する。「冬から春にかけてみられる不調を回避するには、くるみ、やまいも、かぼちゃ、茸、韮、黒胡麻、松の実、羊肉、牛肉、エビ、シナモン、生姜、小茴香を食べてほしい」と、おすすめの食材を紹介してくれた。

 「年末年始は食欲過多になりやすく、宴会などで胃腸をこわしたり、肥満も生じやすい。年末年始は脾胃のバランスが左右する。脾胃のバランスを調えてほしい」と、消化器の消化・吸収・運搬・代謝の働きの脾(昇)と、消化器の蠕動運動の働きの胃(降)のバランスが重要だと語る。「胃腸のコンディションは気候や体調、食べ物などさまざまな影響によって常に変化し、それと連動するように舌苔の量と色も変化する。飲みすぎた後、舌が肥大し、舌の両側に歯型が残っていれば、余分な水分がたまってきているサイン。日頃の舌をチェックしてほしい」と、胃腸の弱り具合は舌でチェックしてほしいと語っていた。

 「七草粥は、正月休みの食べ過ぎ、飲み過ぎで疲れた胃を優しくいたわってくれる7種類の薬草粥。春の七草の行事は『正月の七日に春の七草を摘み、これを神前に供えてから食べれば、その年は病気にかからない』という考えで、もともとは中国から日本へ伝わった」と、七草粥を活用して胃腸を整えてほしいとのこと。「セリ(芹)は、健胃・食欲増進・解熱・利尿・去痰など。ナズナ別名『三味線草』は、止血・消炎・鎮痛・利尿・解熱・下痢止めなど。ゴギョウ(御形)別名『母子草』は、せき止め・去痰・扁桃腺炎・利尿など。ハコベラ別名『はこべ』は、利尿・乳汁分泌促進・歯痛・消炎など。ホトケノザ キク科の『コオニタビラコ』は、健胃・食欲増進・歯痛など。スズナ(かぶ)は、消化促進・解毒・せき止め・そばかすなど。スズシロ(大根)は、消化促進・せき止め・去痰・利尿など、となっている」と、七草の特徴について教えてくれた。

 同 ヘルスケア事業部 学術部の矢嶋浩平係長は、「胃腸と漢方」について説明した。「年末年始はストレスや食生活の乱れが生じやすい時期となる」と、胃の不調やストレスが起こりやすい時期でもあるとのこと。「胃の健康で大切なことは、胃のバランス。ストレスによる副交感神経と交感神経のバランスが乱れることで、胃酸分泌や粘液分泌、蠕動運動がうまく働かなくなる」と、ストレス、食事の影響、加齢などで胃の機能亢進や機能低下がみられるようになるのだと語る。「ストレスなどによる気の停滞や胃部に熱が停滞すると神経性胃炎や胃痛、みぞおちのつかえなどがみられる。こうした胃の機能亢進には半夏瀉心湯がおすすめ」とのこと。「疲労、加齢による気の不足や胃の働きが悪く、水はけも悪いことから、食欲不振、食後の膨満感、胃腸虚弱といった症状がみられるようになる。こうした胃の機能低下には六君子湯がおすすめ」と、胃腸病に最適な漢方薬をピックアップしてくれた。

 「また、年末年始の胃腸疲れには薬はもちろんのこと、食事のコントロールも大切となる。適度な食事生活を心がけ、胃腸の働きを助ける食材を積極的にとってみてほしい」と、食事にも気を使ってほしいと訴える。「漢方では味にも薬効があると考えられている。胃腸病において、胃部の停滞・詰まりを除きたいときには苦味・辛味、消化吸収力を高めたいときには甘味が重要となる」と、食べ物の味と薬効について紹介する。「胃の熱をとる食材は、チンゲン菜、トマト、豆腐、かぶなど。胃腸の機能を高める食材は、牛肉、さつまいも、イワシ、そら豆などとなっている」と、胃腸の疲れにおすすめの食材も教えてくれた。

クラシエ=https://www.kracie.co.jp/


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