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サッポロ、オンラインで香味バランスなどディスカッションしながらブレンドを行った「オンラインブレンド」などボージョレ・ヌーボーを発売

2021.10.31 13:53 更新

 サッポロビールは、ボージョレ・ヌーボーをはじめとするフランス産新酒を解禁日の11月18日に発売する。10月28日にオンラインで行われた説明会では、解禁日を迎えるボージョレ・ヌーボーについて、国内市場の動向や、同社取り扱いアイテムについて説明を行った他、ラブレ・ロワのブリジット・プッツ チーフワインメーカーと、サッポロビール マーケティング本部 ワイン&スピリッツ事業部 マーケティング統括部 第1グループの久野靖子マネージャー兼ワインメーカーが登壇し、今年のヌーボーの作柄や、オンラインで香味バランスなどディスカッションしながらブレンドを行った「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー」と「マコン・ヴィラージュ・ヌーボー」について説明を行った。

 まず、今年のヌーボーの市場概況と同社の受注状況について、同 ワイン&スピリッツ事業部 マーケティング統括部の木暮文雄 第2グループリーダーが説明した。「フランスでは、初春の霜害や、天候不順がぶどうの生育に影響し、8月15日以降の日照によって十分な成熟度になった」と、難しい年ではあったが、ワイナリーの努力によって、コロナ禍による人員確保や天候不順による困難を克服して、クラシックなスタイルの味わいのヌーボーが完成したとのこと。「一方日本では、コロナ禍によって、受注期の営業活動制限があったが、ワクチン効果による経済再開の期待や酒類提供制限解除で外食需要の回復の兆しもある中、家飲みが定着しヌーボーを楽しめる環境が整った」と、家飲み・外食、それぞれのスタイルで楽しめる環境にあると力説する。

 「こうした中、今年の当社のヌーボー・ラインアップは、華やかさを演出するデザインや、環境意識の高まりに応える、ヴィーガン対応などのヌーボーをそろえた『青山フラワーマーケットコラボヌーボー』を求めやすい価格帯で展開する」と、環境に配慮した商品設計とラベルデザインが特徴のヌーボーであると紹介する。「また、樹齢100年以上のぶどうで造る日本限定品や、有機栽培のぶどうを使用したヌーボーなど高価格帯の『プレミアムシリーズヌーボー』も販売する」と、こだわりを表現したヌーボーもラインアップするという。「さらに、新たな試みとして、リモートブレンドの『ブリジット・プッツ氏と久野靖子 ワインメーカーのコラボヌーボー』を展開する」と、日本の食事に合わせやすいしっかりとした味わいヌーボーも発売するなど、消費者の多様なニーズに応えるため、個性豊かな付加価値提案型のヌーボーを各種展開すると説明する。

 「ラブレ・ロワは、1832年創業のブルゴーニュ ニュイ・サン・ジョルジュ村を拠点とするネゴシアン・エルヴール。単なるワイン商ではなく、契約農家や契約ドメーヌへの栽培・醸造指導も行い、醸造・瓶詰め済のワインをドメーヌから買い付ける一般のネゴシアンとは一線を画す存在となっている。リモートブレンドでは、ラブレ・ロワの醸造責任者 ブリジット・プッツ チーフワインメーカーと当社の久野靖子 ワインメーカーがリモートでヌーボーのブレンドワインを仕上げた」と、新たな試みであるオンラインブレンドで仕上げたヌーボーに期待してほしいと述べていた。

 次に、フランスからラブレ・ロワのブリジット・プッツ チーフワインメーカーが、今年のぶどうの生育などについて紹介した。「1~3月は、気温が高く、例年に比べて芽吹きが非常に早く始まったが、4月は、5~8日に歴史的な霜に見舞われ、最初の芽を破壊し、深刻な収量減を引き起こした」と、天候が不安定だったとのこと。「7~8月中旬は、冷涼で雨がちだったため、病害が発生し畑作業の増加とさらなる収量減が示唆されるものの、8月中旬以降は、太陽が出て天候は回復。収量は少ないものの、ぶどうの質は良好に保てた。そして9月13日が収穫解禁日で、期間は3週間ほどだったが、好天のおかげでよいぶどうが収穫できた」と、気象条件が複雑な年で、素晴らしいワインを造るには厳しい選果を畑でし続ける必要があったと振り返る。「ワインの質に関しては、ここ数年に比べて、アルコールや骨格においては軽やかに仕上がり、アロマが綺麗に出ている」と、上質なワインになったと目を細めていた。

 サッポロビール マーケティング本部 ワイン&スピリッツ事業部 マーケティング統括部 第1グループの久野靖子マネージャー兼ワインメーカーは、オンラインブレンドについて紹介した。「日本人醸造家とフランス人醸造家が共同開発を行うことで、その年ごとの特徴や、長所を生かしながら、日本人の味覚に合致した、日本の食事に合わせやすいヌーボーを造り上げるべく、2019年にフランスでブレンディングを実施した」と、共同ブレンドを行った背景について語る。「今年は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、フランスと日本をオンラインでつなぎ、ブレンド比率を検討、確定することにした」と、リモートによる共同開発を行ったのだと説明する。「畑やぶどう、発酵の状態によって、香味が異なるロットのワイン(原酒)を混ぜ合わせ、より品質の高いワインや消費者に合わせたワインをつくるべく、まず、発酵直後のサンプルを空輸で日本へ送付。ブレンド当日に事前にテイスティングし、特徴を掴むことにした」と、前代未聞の試みだったと振り返る。「オンラインブレンドでは、互いの原酒のコメントを出し合い、品質を確認。日本から最初の比率を提案。互いに混ぜ合わせ、テイスティングして、コメントを出し合い、修正すべき点から次の比率を検討した。この作業を繰り返し、これ以上品質が向上する見込みがなく、コンセプトと相違ないことを確認して確定した」と、オンラインブレンドの工程について詳しく教えてくれた。

 「フランス現地での実施と比較して、チャレンジングだった点は、事例がなく、品質管理等の課題が不明だった。また、原酒のコンディションが現地と日本でそろっているかわからない中で実施。原酒と試飲環境の差異を抑えることも苦労した」と、様々な困難を乗り越えてオンラインブレンドは誕生したのだという。「その一方で、ヌーボーのラインアップのバリエーションを豊かにできた。また、現地に行かなくてもオンラインでブレンドができることがわかった。さらに日本の環境下でブレンドできたことは良かった」と、自身の体調管理や消費される日本の気候の中で香味調整ができたことはメリットであったと語っていた。

 商品特長について、プッツ チーフワインメーカーと久野ワインメーカーにそれぞれ聞いた。「マコン・ヴィラージュ・ヌーボー by ラブレ・ロワ&久野靖子」についてプッツ チーフワインメーカーは、「リンゴやレモンの香り、そしてフレッシュさ、新酒としてのダイナミックさをもたらすことができた。味わいとしてはとても生き生きしているが、一方で十分丸みのあるテクスチャーに支えられている。フレッシュで活力のあるワインとなっている」と、テイスティングをコメント。久野ワインメーカーは、「フレッシュな果物、中でもレモン果汁の香りが特長となっている。溌溂とした酸味、余韻までしっかりと持続する味わいがあり、シャルドネの新酒らしさを味わえるワインとなっている。おすすめ料理は、ハムやサラミ、スモークサーモン、刺身、カキフライ等が合う」と、テイスティングについて話していた。

 「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー by ラブレ・ロワ&久野靖子」について、プッツ チーフワインメーカーは、「香りは、はじめは黒い果実の香りが豊かとなっている。そしてスパイシーな香りが出てくる。味わいは美しいストラクチャーで、渋味は柔らかく、フルーティさがある。とてもエレガントなワインで、素晴らしい複雑性と将来性を感じさせる良い酸を併せ持っている」と、テイスティングについて述べていた。久野ワインメーカーは、「エレガントなワイン。カシスやフランボワーズ、スミレの香りといったヌーボーらしい香りが特長的となっている。上品なフローラルな香りもある。口中では様々な要素があり、密度の高いしっかりとした味わいを感じられる。おすすめ料理は、焼鳥、チャーシューや北京ダック、スパイシーな料理も合う」と、テイスティングについて語っていた。

 今年は2021年の新酒14アイテムをラインアップした。そのうち、4品種5アイテムは今年もヴィーガン対応(ヴィーガンとは一般的に、肉・魚・卵・乳製品など、動物系素材を避けた生活様式を実践することを指す。この商品は、ワインを清澄する際、動物性由来の物質を使わず、非動物性由来の物質を使用したワイン)となっている。また、3品種4アイテムは、サステナブルな環境づくりに配慮したことをフランス農業省に認められたHVE認証の商品で、近年のサステナビリティを重視する消費者の意向に応えるラインアップとなっている。また「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー」と「マコン・ヴィラージュ・ヌーボー」の他、製造工程で約15%しか取れないプレス果汁だけで造られる凝縮感のある味わいが特長の「リッチ・プレス」や、温度管理を徹底することで醸造中の酸化を防ぐ製法を採用した「酸化防止剤無添加」を発売。さらに、ぶどうの古樹から収穫した凝縮味のある果実のみで仕込み、低圧力のろ過で仕上げた飲食店専用商品「ボージョレ・ ヴィラージュ・ヌーボー・ヴィエイユ・ヴィーニュ」も引き続き発売する。

[小売価格]オープン価格
[発売日]11月18日(木)

サッポロビール=https://www.sapporobeer.jp/


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