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キリン、新しい時代のお酒の楽しみ方「スロードリンク」を啓発、コロナ禍を受けた飲酒と「アルハラ」に関する実態調査では3人に1人が「お酒は飲めば強くなる」と誤解

2021.04.26 21:12 更新

 キリンは、「キリングループスロードリンクセミナー」を4月21日に開催した。同セミナーでは、国内外の酒類メーカーを取り巻く現状について解説した他、同社が実施した「コロナ禍を受けた飲酒と『アルハラ』に関する実態調査」について発表した。また、スロードリンクを楽しむキリングループの商品を紹介した。

 「WHOは2013年に『NCDsの予防と管理に関するグローバル戦略2013-2020』を策定。加盟各国に示した政策プランの中で“アルコールの有害使用を少なくとも10%削減”することをターゲットとした」と、キリンホールディングス CSV戦略部の藤田仁美氏が、WHOによるアルコールに対する規制の動向について解説。「SDGsターゲット3.5においても、アルコールの有害な摂取の防止と治療の強化を規定。指標として、年間一人当たりのアルコールの消費量に対する有害な純アルコール摂取量を制定している」と、SDGsターゲットにおいてもアルコールの有害摂取削減を目指していると説く。「IARDに加盟する世界の大手アルコール企業の危機感は非常に強く、酒類事業存続のために有害飲酒削減に向け、業界を挙げて積極的に取り組むべきとの認識で一致している」と、国際的な酒類業界の取り組みについても教えてくれた。

 「国際的な有害飲酒削減の動きに対して、当グループでは未成年飲酒を誘発しないよう、オンラインでの酒類マーケティングの自主基準の向上、批准を目指している。また、未成年飲酒のリスクが高いeコマース市場において、年齢確認の徹底等、製造のみならず販売、運送などバリューチェーン全体で連携し、自主基準の構築、運用改善を目指している」と、WHOの動きに対応した取り組みについて説明した。「世界の競合各社においても、アルコール問題への都度対応ではなく、ユーザーが責任ある飲酒を主体的に実施できるよう、啓発活動や情報提供に取り組むことを表明し、成果を発信している」と、海外のアルコール飲料メーカーの動向について紹介した。

 「我が国においては、20歳未満の者の飲酒の誘引防止の観点から、酒類企業のホームページにおいて年齢認証の仕組みの導入に努めている。また、電子広告などの新たな広告媒体においても、20歳未満の者や妊産婦などの飲酒すべきでない者、およびアルコール依存症の当事者に対して、飲酒を誘引しないよう配慮している」と、アルコール健康障害対策推進基本計画に基づいた広告を展開しているとのこと。「表示については、消費者への適正飲酒啓発活動と連動し、消費者が自身で適正な飲酒量を判断できるようわかりやすく表すため、アルコール度数だけでなく酒類の容器にアルコール量を表示することについて速やかに検討する」と、酒類関係事業者にはアルコール健康障害の発生、進行、および再発防止のため、自主基準の改定としてアルコール量を容器に表示することを検討していると述べていた。

 「アルコールに関連した社会課題に対して、国内外のステークホルダーは酒類業界に対して規制の強化を含め様々な要請をしながら解決を図っていこうとしている。また、当グループは酒類メーカーの責任として、アルコールの有害摂取の根絶に向け各種要請も踏まえながら、業界を挙げて問題解決を目指し積極的に推進していく」と、アルコールに関連した社会課題に関するキリングループの取り組みについて言及。「当グループが持続的に成長するためには、私たちの技術や知見を活用して社会課題を解決し、それを通して企業としての経済的価値を同時に高めることが重要だと考えている」と、同グループのCSVパーパスを紹介する。「“アルコール有害摂取根絶に向けた適正飲酒啓発プログラムの推進”“純アルコール量の製品ラベル表示”“ノンアルコール低アルコール製品の開発&販売数量の拡大”を柱に新しいお酒の楽しみ方『スロードリンク』の提唱や、お酒の正しい楽しみ方啓発プログラムの提案、スピード飲酒防止動画広告の展開、オンライン飲みでの多量飲酒注意喚起広告など行っている」と、啓発プログラムを設けて取り組んでいるのだと説明していた。「また、WHOは2010年採択の『アルコールの有害な使用を削減するための戦略』の一環として、『飲食店での飲み放題は過剰飲酒を招くため禁止』を提言している。『飲み放題』では、短時間で普段より多量に飲酒する傾向があるため、急性アルコール中毒など危険な状態に陥りやすいことが報告されている。当グループのキリンシティでは、新たな試みとして、消費者に適量のお酒を安心して楽しんでもらう環境を整え、スロードリンクを推進している」と、キリンシティでは3月17日から酒類の飲み放題を終了したのだと教えてくれた。

 引き続き、藤田氏がコロナ禍の飲酒実態調査について報告した。「今後のお酒の楽しみ方のスタイルとして、自宅でゆっくり自分のペースで飲みたい、家で珍しいお酒や食べ物を用意して気分転換し、少し贅沢に飲みたい、気心の知れた人達だけで好きなように飲みたいなど、世の中の状況変化に合わせた飲み方を楽しみたいという人が多い」と、約3人に1人がコロナ禍で飲酒頻度・飲酒量とも「増えた」と回答したとのこと。「コロナ禍が収束したら『プライベートな飲み会』は復活させたい一方、『仕事関連の飲み会』はこのまま復活せずの意向が強い」ことが明らかになったという。「コロナ禍が収束し、飲み会が再開した際の不安やストレスは、コロナ禍での大人数での飲み会自粛や『オンライン飲み会』を経験したことで、従来よりさらに高まっている」と、アルハラなどを懸念する声が多いと説明する。アルハラとは、アルコール・ハラスメントの略で、飲酒に関連した嫌がらせや迷惑行為、人権侵害を指す。飲酒の強要、イッキ飲ませ、意図的な酔いつぶし、酔った上での迷惑行為、飲めない人や飲まない人への配慮を欠くことなどとされている。この認知については、「3割程度で、アルハラが原因で飲み会に参加したくないという経験があるは4割程度だった。飲酒量の強要、酔った勢いでの恫喝やセクハラなど状況目撃は2.5割程度だった」と、アルハラに関する回答も紹介。「アルコールに対する耐性については、遺伝が関係することを、およそ9割近くの人が認識している一方で、3割以上は『訓練などにより飲み続ければ強くなる』と誤った認識を持っている」ことも明らかとなった。

 「この調査結果を受けて当グループでは、『適正飲酒』マナー広告を4月21日から約1ヵ月間展開する」と、お酒は鍛えても本質的に飲める体質に変わるわけではないことを「努力してもどうにもならないこと」として 、努力で上達するスポーツと比較しながら伝えたり、一人ひとりアルコール体質が違い、特に日本人は約半分がお酒に弱い体質であることを示すマナー広告を展開するという。「また、アルコールを全く受け付けない人や弱い人、健康等の理由で飲まないようにしている人への気遣いが大切で、無理に進めるのはアルコールハラスメントにつながる。そして、飲む人、飲めるけれど飲まないようにしている人 、全く飲めない人など多様な人々が集まっても、それぞれの体質に合わせた楽しみ方で豊かな時を過ごすことを提唱している」と、20代の若者に対し、普段から接触頻度の高い媒体を通じて、気づきを与え注意喚起するマナー広告になっていると話していた。

 次にキリンビール マーケティング部 ビール類 カテゴリー戦略担当の村井志帆氏が、「スロードリンク」を満喫する商品を紹介した。「ビール類が縮小する中、ノンアルコール・ビールテイスト飲料市場は拡大を続けている」と、コロナ禍での健康志向の高まりで2020年度は103%の成長だったと、ノンアルコール・ビールテイスト飲料市場動向について説明する。「消費者のノンアルコール飲料へのニーズは多様化。運転がある時などお酒が飲めないときに飲むニーズから、本格的なおいしさや健康機能を求める消費者が増えている」と、ノンアルコール飲料のニーズ変遷について解説。「そこで、当社ではノンアルコール飲料の“多様化するニーズ”を捉えた商品をラインアップすることによって市場成長を加速させていく」と、今年のノンアルコール戦略について言及した。

 「コロナ以降、『脂肪』は気になるが気になり続けて早1年たってしまったという消費者の健康意識に対し、『お腹まわりの脂肪を減らす』ノンアルコールビール『カラダFREE』をさらにおいしくリニューアルする」と、“今”の消費者に嬉しいブランドで市場拡大を目指すとのこと。「新しくなった『カラダFREE』は、1日1本12週間飲み続けることで、多くの人が気にしている『お腹まわりの脂肪』を減らすことが臨床試験でも確認された」と、エビデンスがしっかりした商品なのだと紹介する。「当社が10年以上、そして100人以上が開発に携わった『熟成ホップ由来苦味酸』は、熟成させたホップに苦味が抑えられ、かつ体脂肪低減効果があることが明らかとなっている」と、「熟成ホップ由来苦味酸」が体脂肪低減に一役買っているのだと説明する。「今回、新技術の『加熱熟成技術』によって、熟成期間を従来の約100分の1(数日間)に短縮。さらに熟成ホップを水で抽出し、『熟成ホップエキス』の量産に成功した」と、同社独自の技術で「熟成ホップ由来苦味酸」をたくさん製造できるようになったのだと話していた。

 「リニューアルした『カラダFREE』では、『お腹まわりの脂肪を減らす』機能がよりわかりやすく伝わり、爽快なおいしさを感じるデザインに進化した」と、青色・白色・金色のコントラスト強化も行ったのだという。「中味は、原料配合を一から見直し、さらに後味すっきり、ゴクゴク飲める爽快なおいしさへ進化した。機能はそのままに、毎日飲み続けたくなる味覚になった」と、機能がありながら、圧倒的なおいしさに仕上がったと胸を張った。

 メルシャン マーケティング部 国産グループの永谷洋平氏は、ノンアルコールワイン商品について紹介した。「当社では『スロードリンク』を推奨し、低アルコール(カジュアルスパークリング)、ノンアルコール商品の拡充を図っている」と、今年のカジュアルスパークリング販売数量は26万ケースと前年比約2倍を計画しているという。「体質的にお酒が飲めるのに飲まない、という人は20~30代に多く、今後のノンアルコール市場拡大のカギは、20~30代のノンアルコール飲用需要を開拓することにあると考えられる」と、ノンアルコール商品の充実を図る経緯について解説。「注目を集めるノンアルコール市場は、年々伸長している。ノンアルコール飲料の中でもワイン系飲料の販売容量はブランド数も少なく、販売規模は小さいものの、市場拡大のチャンスがあると考えられる」と、市場をけん引していくことで、ノンアルコールワイン系飲料での確固たるポジションを確立したいと目論む。「ワインカテゴリの中でもサングリアは20~30代女性の認知・飲用意向が特に高く、ギュギュッと搾ったサングリアを例にとると、スティルワインと比べて20~30代の構成比が高いことから、『サングリア』が20~30代に受容されていることがうかがえる」と、「サングリア」で若年層を開拓したいと意気込んだ。

 「今回新発売するノンアルコールサングリア『MOCK Bar(モクバル)』は、“おいしい”も“楽しい”も両方叶えてくれる商品となっている」と、新商品について紹介。「『MOCK Bar』は、キリンビバレッジの技術とメルシャンの技術を活用した“新価値提案”商品となっており、今までにない“香り”“味覚”“テクスチャー”を実現した」と、ワイン×清涼飲料によってノンアルコールサングリアが誕生したとのこと。「『MOCK Bar』は、フルーツたっぷりでサングリアらしい贅沢感がありながら、ワインならではの複雑さを生みだすワインエキスを使っている。そして、隠し味のスパイス・ハーブが香る、大人の味わいを実現した。さらに炭酸でごほうび感・お酒感もアップしている」と、「MOCK Bar」の中味について教えてくれた。

[小売価格]オープン価格
[発売日]
カラダFREE:3月上旬製造品から順次切替
モクバル<オレンジ&マンゴーmix、洋なし&パインmix>:6月29日(火)

キリンホールディングス=https://www.kirinholdings.co.jp/
キリン=https://www.kirin.co.jp/
メルシャン=https://kirinproducts.jp/alcohol/wine/


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