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アイリスオーヤマ、災害発生時の課題解決を目指して飲料水事業へ本格参入し生産を開始、天然水と強炭酸水を富士小山工場(静岡県)から順次出荷

2021.02.19 18:29 更新

 アイリスオーヤマは、今後想定される首都直下地震、南海トラフ地震といった大規模災害発生の際に、被災各地に生命と衛生環境維持に必要不可欠な飲料水を供給する体制を早期に構築できるよう、富士小山工場(静岡県駿東郡小山町)の一部を改修して、新たに飲料水事業に参入する。そして、天然水と強炭酸水の本格生産を2月18日付で開始し、富士小山工場(静岡県)から順次出荷(2月18日に生産した飲料水は、アイリスオーヤマ角田工場に向けて出荷される)する。同製品は、全国のスーパーマーケット、ホームセンター、インターネットサイトを中心に販売を開始した。同日、富士小山工場で行われた発表会では、飲料水事業へ本格参入する経緯や今後の展開などについて説明した。

 「日本の課題として、毎年、自然災害の脅威にさらされている。特に、地震は甚大な被害をもたらし、10年前の東日本大震災では、今なお郷里を離れ避難生活を余儀なくされている人たちがいる」と、アイリスオーヤマの大山晃弘社長が挨拶。「宮城に本社を置く当社においても、東日本大震災で被災した」と、同社の角田工場の屋根や壁が崩落するなど、甚大な被害を受けたと振り返る。「そんな中、いち早く復旧・復興に向けた活動を実施。灯油の無料配布や省エネ需要を見越してLED照明の増産を行った」と、被災した翌日には復旧・復興活動を行っていたと説明する。「また、震災発生時には断水が発生、インフラが止まってしまった。震災の経験からライフライン復旧までの備えと迅速な対応が必要と感じた」と、ライフラインの重要性を再認識したと訴える。「そして、2月13日には福島沖地震が発生。宮城県、福島県を中心に断水となった。被災企業としてライフライン確保に向けた取り組みが急務と感じた」と、先の福島沖地震の発生でさらなる危機感を募らせたのだという。

 「そこで震災10年を機に、被災企業として災害支援への取り組みとして、飲料水事業へ参入する。災害時、早急に首都圏へ供給するべく富士小山工場の一部を改修して天然水を製造する」と、富士小山工場から全国の物流網を活用し地域の災害に対応していくと語っていた。「富士小山工場で製造する天然水は、何層もの玄武岩層によって磨き抜かれ、すっきりと飲みやすいのが特長だ」と、高品質な飲料水であるとのこと。「初年度は50億円の売上を計画し、2025年には300億円にまで成長させたい」と、短期間で大きな事業に育てていきたい考えを示した。「当社では防災用品の取り組みを強化してきた。今後も防災用品やレトルト・缶詰といった災害時に欠かすことのできない商品の品揃えを拡充し、様々なシーンや需要に対応できるようにしていきたい」と、今回の飲料水事業の本格稼働を機に自然災害に備える防災食・防災用品のラインアップ強化を推し進めていくとアピールした。

 同社の富士小山工場は、1997年に国内6番目の工場として竣工。敷地面積約2万3000m2、1万9000パレットの自動倉庫を有す。飲料水ができるまでには、採水したものをろ過して生産。この生産した水を検査後梱包し、保管・出荷。この工程すべてを富士小山工場で行うという。さらに、富士小山工場では天然水を入れる容器も生産するとのこと。

 では、富士小山工場で生産される「富士山の天然水」および「富士山の強炭酸水」の全工程をみてみよう。ペットボトルの基であるプリフォームを、ブロー成型機という機械によって、原料からオリジナルのペットボトルを成型していく。

 空ボトル検査機では成型されたペットボトルに不良品がないかもチェック。リンサーでは検査が済んだペットボトルを洗浄後、フィラーで水・炭酸水を充填する。キャッパーではキャップを装着。これらの工程はすべてクリーンルームで行われるという。炭酸水については、炭酸が入った水の状態でペットボトルに充填するとのこと。バッファーコンベアでは、ラインがスムーズに流れるように時間を調整しているという。

 この後、エアを吹きかけペットボトルについた水滴を除去する水滴除去装置を経て、ラベラーで製品ラベルを貼り付ける。そして、実ボトル検査機でキャップの締まりや角度、ラベルに不備がないかを検査。金属探知機で水に金属の混入がないかをチェックし、キャップに賞味期限を印字する。ラップラウンドケーサーでは、自動整列された後に24本をまとめて自動梱包。3階から1階に運ばれて、重量をチェックし、生産されたケースをパレットにロボットが積み込む。これらの工程を経て全国に出荷していくのだという。

 同社は今後も、自然災害に備えて、国内における生産拠点等の整備を進め、生活必需品の安定的な供給体制を構築することで、一層の社会貢献を目指すとしている。

[小売価格]
富士山の天然水
 500mL:98円
 2L:158円
富士山の強炭酸水 500mL:128円
(すべて税別)
[発売日]2月18日(木)

アイリスオーヤマ=https://www.irisohyama.co.jp/


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