データ・リポート

矢野経済研究所、スリープテック市場に関する調査、2022年の市場規模は60億円になると予測

2022.11.02 10:07 更新

 矢野経済研究所は、国内の睡眠関連ビジネス市場を調査し、関連する製品およびサービスの動向、参入企業の事業展開、今後の方向性などを明らかにした。ここでは、スリープテック市場予測について、公表する。2022年の国内スリープテック市場規模は60億円になると予測した。多様化するセンシングを基盤とした睡眠改善サービスが拡大するとみられる。

 さまざまな産業や業種などで、人工知能(Artificial Intelligence:AI)やIoT、VR/AR(仮想現実・拡張現実)、4K/8K、5G、ロボットなどのデジタル技術や最新のICT技術を活用するトレンドが活発化している。こうした動きは、産業や業種を超えて最新のテクノロジーを活用したソリューションを提供することで、新しい価値や仕組みを提供している。このようなトレンドを○○×Technologyと表現し、その総称として「X-Tech」(クロステックまたはエックステック)と呼ばれている。

 スリープテックとはSleep(睡眠)とTechnology(技術)を合わせた造語であり、センサーやアプリなどのIT・AIなどの技術を活用し、生体活動データを収集することにより、睡眠状態を分析したうえで、睡眠の改善を目指す装置、システム、サービスである。

 睡眠においても上述したようなトレンドがみられており、睡眠状態の計測および可視化をベースとして、睡眠の質の評価や、睡眠改善へのアドバイスなどを行うサービスが増加している。睡眠状態の計測には、センサーを利用して、体動や呼吸、心拍数、いびき音、体温、寝床内の温度、脳波、筋電などの様々な指標が用いられている。

 さらには、IoTとして空調機器や家具、照明器具、オーディオなどと連携させ、光・温度・音の観点から入眠および深睡眠、覚醒を促し、睡眠の質を改善する製品・サービスが登場している。また、近年では、個人向けだけではなく、健康経営を目指す法人向けサービスも参入各社から展開されている。

 ソリューション型の睡眠環境を整えるサービスとして、照明やカーテンを自動で操作し、入眠および覚醒を促進する”光”を観点とするものや、音楽を流すことで、入眠前の心身のリラックス、深睡眠の持続時間を長くする“音”を観点としたもの、”温度”を観点として、エアコンとマットレスやマット等の寝具に搭載された計測デバイスを連動させることで室温を調整するサービスなどがある。海外のメーカーでは、マットレス内に水を循環させ温度を変えることで、寝床内の温度調節するものも発売されている。

 このような睡眠計測をベースとして、睡眠改善および行動変容を促すサービスが展開されている。スマホアプリを通じて日々の睡眠状態をスコアリングし、そのスコアに合わせてAIや専門家が睡眠に関する知識、生活改善に関するアドバイスを提供するものである。この他、活動量計を展開する企業では、日中の運動状態のデータも合わせて分析、提案するサービスが提供されている。これらは、サービス開始当初、個人向けサービスとして展開されていたが、近年では、企業の健康経営および安全衛生などを支援するサービスとして導入が広がりつつある。

 スリープテックに関連する、寝具・家電等の製品、アプリ使用料、サービス・システムの利用料などを対象とした市場規模を算出すると、2022年のスリープテック市場規模は前年比133.3%の60億円になると予測する。スリープテック市場は技術革新の激しい分野であり、数年で大きく進歩する可能性がある。睡眠計測に関しては、専用デバイス型の装着感の進化、スマホやスマートウォッチ、リストバンドに内蔵されるセンサーの小型化がより進むことで、センシングされていることを意識しないレベルのデバイスの登場も近いのではないかと考える。研究開発では、ミリ波を活用した脳波測定する取り組みや、動画像の差分から呼吸をモニタリングするシステムの開発など “非接触” に計測するための技術開発が進む見込みである。

[調査要綱]
調査期間:7月~9月
調査対象:寝具類メーカー、食品・サプリメントメーカー、医薬品メーカー、医療機器メーカー、その他スリープテック関連システム・サービス事業者等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
[小売価格]17万500円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


このページの先頭へ