データ・リポート

矢野経済研究所、国内アパレル市場に関する調査、2021年のアパレル総小売市場規模は7兆6105億円で前年比101.3%に

2022.11.17 10:48 更新

 矢野経済研究所は、国内アパレル市場を調査し、品目別や販売チャネル別の動向、アパレルメーカーや小売業などのアパレル産業の現況を明らかにした。その結果、2021年のアパレル総小売市場規模は7兆6105億円、前年比101.3%となった。コロナ禍に伴う行動抑制が緩和され前年からはやや増加もコロナ前の水準には戻らなかった。

 紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子ども服・洋品を合計した2021年の国内アパレル総小売市場規模は7兆6105億円、前年比101.3%で前年をわずかに上回った。

 販売チャネル別でみると、百貨店、専門店が回復傾向にある。2019年から本格的に普及してきたECは、コロナ禍での行動規制等があった2020年にも外出せずに買い物ができることから引き続き需要が高まり、リアル店舗への集客は難化した。2021年は規制の緩和によって消費者の客足が戻り、リアル店舗の売り上げが伸びた一方で、EC販売の伸びは鈍化した。

 アパレル市場全体でOMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)戦略が加速している。EC販売・利用の拡大はあったものの、コロナ禍による影響は大きく、市場での流通量はコロナ禍以前の約8割に落ち着いている。この背景から、アパレル関連各社はコロナ禍で直接的な影響を受けたリアル店舗からECを強化してきたが、単にECを強化するのではなく、販売機会のロスを軽減すべく、リアル店舗との連動を図るように取り組んでいる。

 短期的にはアパレル関連各社がコロナ禍で伸び悩み、収益基盤の再構築ができた段階で広告や販売促進費を高めていく戦略で急激な伸びは見込めず、2022年に大きな市場拡大は見通せない。

 長期的には、国内人口の減少によって、市場の継続的な成長に期待することが難しい。

 さらに新型コロナウイルス感染症の新たな変異株の拡大がもたらす行動制限による販売面での影響、また世界情勢の影響による原油をはじめとする物価の高騰など、消費者の生活環境が脅かされる可能性や外部要因が、アパレル小売市場に好影響を与えるとはいえない。

​​ ただし、一品単価が上昇する可能性はある。現在アパレル関連各社が取り組んでいるサステナブル商品は従来に比べて単価が高く、消費者のサステナブル意識の高まりを追い風に拡大していくと考えられる。販売数量は減少するが、販売単価は上昇していく可能性がある。しかし、単価の上昇が市場全体の販売数量の減少分をカバーする程度になるとは考え難い。

[調査要綱]
調査期間:7~9月
調査対象:アパレルメーカー(総合アパレル、メンズアパレル、レディスアパレル、ベビー・子供アパレル他)、小売業(百貨店、量販店、専門店、その他)、業界団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、郵送によるアンケート調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]15万4000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


このページの先頭へ