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矢野経済研究所、OTC市場に関する調査、新型コロナの影響で2022年は薬効により需要に増減が見られ横ばいから微増傾向となる見通し

2022.08.02 13:02 更新

 矢野経済研究所は、国内OTC市場を調査し、市場動向、薬効別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2022年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、OTC市場は薬効によって需要に増減が見られ、横ばいから微増傾向となる見通しであることがわかった。今後の成長には国内需要の活性化が急務としている。

 2021年の、一般用医薬品と指定医薬部外品を合算した国内OTC市場は、メーカー出荷額ベースで前年比0.1%増の8380億円と推計した。内訳は、OTC医薬品が同0.4%増の6990億円、指定医薬部外品が同1.4%減の1390億円である。成長を継続しているが、全体としては低い伸びに留まっている。

 2020年以降は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、インバウンド(訪日外国人客)需要の比率が高かった目薬などが苦戦を強いられた。他方、ワクチン接種への対応として解熱鎮痛剤が好調に推移するなど、薬効ごとに製品需要の増減差が見られた。

 微増傾向にあったOTC市場であるが、国内需要に限定すると伸び悩み傾向から完全に脱却したとは言い難い状況にある。コロナ禍による入国制限などによって、インバウンド需要は2020年以降壊滅的な打撃を受けた。先行きが不透明な昨今、今後も市場成長を継続していくためには、国内市場の本格的な活性化が急務とされる。

 そのためには、(1)新領域へのスイッチOTC医薬品(医療用医薬品から市販薬へ転用された医薬品)投入、および新たな効能・効果を持つスイッチOTC投入による新市場の創出、(2)これまでにない切り口を持った新製品投入による新規需要の創出、(3)新たな訴求展開による既存薬効における潜在需要の掘り起こし、(4)販売店における情報提供と相談体制の整備、(5)異業態小売業など新規参入の増加に伴う販売機会の拡大、などの対応が必要とされる。

 新製品投入や情報提供の強化などを通じて、自身の健康を管理する習慣づけなど国民全体のセルフメディケーションに対する意識向上や行動変革を促す必要があると考える。

 2022年のOTC市場は前年比0.1%増の8390億円に留まるものと予測する。内訳は、OTC医薬品が同0.4%増の7020億円、指定医薬部外品が同1.4%減の1370億円である。 2022年については、各薬効において定期的なリニューアルによる新製品投入が図られている他、高付加価値品が好調な目薬や鎮痛効果を高めた製品が拡大している解熱鎮痛剤などで成長が期待される。また、コロナ禍の影響によるインバウンド需要減少は続いているが、入国制限緩和の兆しも見えており、動向が注目されている。一方で指定医薬部外品のドリンク剤・ミニドリンク剤、胃腸薬や水虫薬などは引き続き市場縮小のトレンド継続を見込む。したがって、OTC市場の成長は継続するものの成長率は前年同様、横ばいから微増傾向となる見通しである。

[調査要綱]
調査期間:2022年4月~6月
調査対象:OTC関連企業(メーカー・卸売業・小売業)等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、文献調査を併用
[小売価格]13万2000円(税込)

矢野経済研究所=http://www.yano.co.jp/


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