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富士経済、不妊治療剤など産婦人科関連の医薬品市場調査、2025年の不妊治療剤市場は2021年比44.4%増の208億円と予測

2022.07.22 18:51 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、4月から不妊治療の保険適用の拡大によって注目が集まる、産婦人科関連の医薬品市場を調査した。その結果を「保険適用で注目される産婦人科関連市場のトレンド分析と将来予測」にまとめた。トピックスとして、2025年予測(2021年比)では、保険適用によって、新規患者数が増加し市場拡大する不妊治療剤市場は208億円(44.4%増)に達すると予測する。疾患への認知が広がり市場拡大が見込まれる産婦人科関連の医療用医薬品市場は945億円(15.8%増)と予測する。

 この調査では、医療用医薬品の子宮筋腫・子宮内膜症治療剤、避妊薬、月経障害治療剤、不妊治療剤(男女含む)、切迫早産治療剤、陣痛促進剤、更年期障害治療剤の7つの薬効領域に加えて、一般用医薬品3品目、健康食品では葉酸を取り上げ、市場動向と今後の方向性を明らかにした。

 不妊治療剤では、2022年4月に、人工授精(AIH)と生殖補助医療が保険適用となったことによって、新規患者数が増えるとみられるほか、月経障害治療剤や更年期障害治療剤の一部製品について生殖医療ガイドラインで推奨度A、Bとなっている治療剤が保険適用となったことから伸長するとみられ、市場は前年比17.4%増の169億円が見込まれる。

 2022年4月から人工授精や体外受精が保険適用となり、新規患者数は増えるとみられるが、受診者が43歳未満であることや1子当たり6回までとする条件があるため、自由診療が中心である状況が続き、2025年でも保険診療での販売高は30%程度が予想される。

 子宮筋腫・子宮内膜症治療剤は、子宮筋腫、子宮内膜症の治療で処方されるホルモン療法薬を対象とする。対象とする治療剤はすべて保険適用となっている。

 患者数が増加しているため、市場は拡大を続けている。「レルミナ」(あすか製薬)、「ヤーズフレックス」(バイエル薬品)、「ジエノゲスト「モチダ」」(持田製薬)で市場の6割以上を占めており、それらが引き続きけん引するとともに、産婦人科領域内では開発品が多いことから、今後も市場拡大が予想され、2025年には2021年比8.7%増の311億円が予測される。

 産婦人科関連の医療用医薬品市場では、2020年は新型コロナウイルス感染症の流行の影響によって、不妊治療は一時的に受診が減少したが、同年後半には回復した。また、子宮筋腫・子宮内膜症や月経障害、更年期障害など継続的な受診が必要なケースが多く、市場はプラスとなった。

 2021年から2022年にかけて、ジェネリック医薬品の品薄状況が問題となっているが、産婦人科関連では大きな影響は受けておらず、需要増加によって市場は拡大するとみられ、2022年は前年比6.0%増の865億円が見込まれる。

 産婦人科領域において、月経困難症や避妊薬の潜在な患者となる若年層は少子化の影響から減少しているが、不妊治療や更年期障害の潜在患者となる中高年層は増加している。また、女性の社会進出や働き方の変化と共に疾患への認知が広がっている。これまでは人知れず我慢する対象であった心身の症状を、治療薬によって改善していくという認識が、マスメディアやソーシャルメディアを通じた情報提供によって浸透しつつあることから、市場拡大は続くと予想される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]5月~6月
[小売価格]
PDF版:33万円
ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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