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富士経済、外食産業国内市場の調査、2022年は前年比10%以上の伸びで27兆2420億円と回復に向かう

2022.07.14 10:12 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、テイクアウトやデリバリーの需要増加に加え、まん延防止等重点措置解除などの制限緩和からイートイン需要が徐々に回復している外食産業の国内市場について総合的に分析した。その結果を「外食産業マーケティング便覧2022 No.3」にまとめた。外食産業市場を総合的に分析した結果、2022年は前年比10%以上の伸びで回復に向かうことが明らかとなった。2022年市場見込(2021年比)では、外食産業総市場は、制限緩和により料飲店などディナー主体の業態で客数が回復。ファストフードは引き続き好調で27兆2420億円(10.6%増)の見通しだ。提供形態別市場ではデリバリーが、デリバリーに適したメニューが展開されているファストフードの好調や、ホームデリバリー・ケータリングの需要回復などによって、市場は拡大し、1兆2737億円(7.4%増)と予測する。

 この調査では、14カテゴリー132業態を対象とする外食産業市場について、カテゴリー別のコロナ禍影響度合のほか、時間帯や客単価、食材別の動向、テイクアウトやデリバリーなど提供形態動向、外食産業エリア動向など、総合的に分析した。

 外食産業総市場の2020年は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行による緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用に伴う外出自粛によって市場は急減した。2021年は、大きく落ち込んだ前年からの回復が期待されたものの、年初から複数回にわたる緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置の適用に伴う時短営業、アルコールの提供規制のほか、在宅勤務の定着による外食需要の減退が影響し、市場は前年比3.9%減の24兆6212億円となった。中でも、料飲店は新型コロナの流行を機に忘年会・歓送迎会などの宴会需要が消失したことから苦戦を強いられ、前年に引き続き大幅減となった。

 2022年は、3月のまん延防止等重点措置解除などの制限緩和から客数が戻りつつあり、ディナー主体の料飲店や専門料理店が回復しているほか、ファストフード各社がテイクアウトやデリバリーへの注力によって中食需要を継続的に獲得し、前年に引き続き好調であるものの、市場はコロナ禍前の2019年と比較すると約8割の回復にとどまる。外食産業全体が苦戦する中で、各業態では中食や内食需要を取り込む施策が図られており、今後は海外からの観光客の回復や、新型コロナ流行が収束に向かうことで2026年の市場は30兆3420億円が予測される。

 提供形態別市場におけるテイクアウト市場は、2021年は、百貨店や商業施設内の店舗の客数が回復したほか、スイーツ店などはコロナ禍の長期化による在宅需要の高まりやプチ贅沢需要を獲得した。また、セルフ式うどんは「丸亀製麺」の“うどん弁当”がテイクアウトで大きな需要を獲得するなど市場は前年比2.9%増となった。2022年はデリカショップや量販店デリカ、スイーツ店では付加価値商品の展開を強化しているほか、チキンやドーナツなどではドライブスルーなどコロナ禍のニーズを反映させた出店戦略を進めるなど、各企業のテイクアウトへの注力により市場拡大が予想される。

 ファストフードは2021年、カレーショップや天丼・天ぷらなどで不採算店舗を整理する動きがみられたものの、ハンバーガーやチキンが好調となったほか、セルフ式うどんがテイクアウトの強化から伸びたことから市場は前年比二桁増となった。2022年は、前年に引き続きハンバーガーやチキンがモバイルオーダーやドライブスルーなど注文形態の多様化を積極的に進め、需要を獲得しているほか、ドーナツやセルフ式うどんは引き続きテイクアウトに注力するほか、新規出店を行うことなどから市場は前年比4.3%増が見込まれる。

 デリバリー市場の2021年は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が複数回にわたり発出・適用され、イートインが苦戦を強いられたことから需要がシフトし、市場は前年比9.1%増となった。市場の6割以上を占めるホームデリバリー・ケータリングは前年に続き需要が低迷したものの、ファストフードやテイクアウト業態は対応店舗数の増加など各社の注力により好調となった。2022年は、仕出し弁当とケータリングが家庭向けサービスの拡充や法人需要の回復により伸長しているほか、デリバリー需要が定着したファストフードやテイクアウト業態などが好調である。3月にまん延防止等重点措置が解除されて以降、通常営業を再開する店舗が多くみられることや、人流が回復していることからイートイン需要が高まり、市場の伸びは前年よりも小幅になるとみられる。2023年以降はイートイン需要がより高まるとみられ、市場の伸びは鈍化すると予想される。

 ファストフードは、日常使いとして定着していることや、コロナ禍以前からデリバリーサービスに一定の実績があったことに加え、デリバリーに適したメニューが展開されていることから好調である。2022年も続伸するものの、イートイン需要の回復が期待されることから前年と比較して伸びは鈍化するとみられる。

 テイクアウトは、量販店デリカとCVSテイクアウトフード、テイクアウト弁当の3業態が市場の大半を占めている。デリバリー仲介サービス業者の採用増加に加え、量販店デリカのネットスーパー事業、CVSテイクアウトフードとテイクアウト弁当の店舗での宅配事業の好調が拡大に寄与し、2022年の市場は前年比16.0%増の645億円が見込まれる。

 時間帯別市場では、最も市場規模が大きいのはディナーで、ランチが続く。2021年は、いずれの時間帯でも需要回復が期待されたものの、複数回にわたる緊急事態宣言の発出、まん延防止等重点措置の適用に伴う時短営業と会食自粛により料飲店や日本料理などアルコール需要や、宴会需要の大きい業態が苦戦したことからディナーが前年比二桁減となった。2022年は、3月のまん延防止等重点措置解除などの制限緩和から料飲店などディナーを主体とする業態でアルコール需要が回復していることから、ディナーは前年比24.3%増が見込まれる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]4月~6月
[小売価格]
書籍版:12万1000円
書籍/PDF+データ版セット:16万5000円
ネットワークパッケージ版:24万2000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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