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富士経済、料飲店や喫茶など8カテゴリー68業態の外食産業国内市場調査、2022年ではクラフトビールレストランが2021年比59.3%増の215億円に

2022.06.30 13:16 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、コーヒーショップや喫茶店・コーヒー専門店などで回復がみられる喫茶、やきとり専門店やクラフトビールレストランをはじめとした専門性の高い業態を中心に客足が戻りつつある料飲店など外食産業の国内市場について調査した。その結果を「外食産業マーケティング便覧2022 No.2」にまとめた。トピックスとして、2022年市場見込(2021年比)では、クラフトビールレストランは、通常営業の再開に伴うディナー需要の回復によって、市場は拡大し215億円(59.3%増)に達する見通しだ。韓国料理は、上位チェーンによる新規出店の増加や、商業施設内店舗を中心とした客数回復によって伸長し、675億円(25.0%増)を見込む。

 この調査では、料飲店、ファミリーレストラン、喫茶、西洋料理、日本料理、東洋料理、エスニック料理、宿泊宴会場の8カテゴリー68業態の市場について現状を調査し、将来を予想した。なお、ファストフードやテイクアウトなど、6カテゴリー64業態の市場調査結果については「同 No.1」でまとめ、6月10日に発表した。

 クラフトビールレストランは、ビールの中でクラフトビール、地ビールの売上構成比が70%以上のビアレストラン店舗を対象とする。2010年代前半より、店舗増加や大手ビールメーカーの参入などから市場は拡大してきた。

 2021年は複数回にわたる緊急事態宣言の発出による営業時間の短縮や臨時休業の影響が大きく、上位企業をはじめ参入企業が軒並み売上を落としたことから、前年に引き続き縮小が続いた。2022年は、一部では休業を継続している店舗もみられるが、通常営業を再開している店舗ではディナーの需要が回復していることから、市場は大幅に拡大するとみられる。

 韓国料理の2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う商業施設やショッピングモールなどの店舗を中心とした上位チェーンの休業や営業時間の短縮、路面店の客数減少などから、市場は大きく縮小した。2021年は、映像配信サービスなどによる韓流ブームを背景とした韓国料理人気や、若年層を中心とした韓国旅行の代替で韓国料理店の利用が増えたことなどにより需要が高まったことで客数は回復に向かい、市場は前年比7.1%増となった。2022年も前年に引き続き韓流ブームの影響により好調で、上位チェーンが新規出店を進めているほか、商業施設内店舗を中心に客数が回復していることから市場は前年比25.0%増が見込まれる。

 プレミアムハンバーガーの2020年は、新型コロナ流行の影響による来店客数の減少から、市場は前年比17.3%減となった。2021年は、観光需要を多く取り込んでいた店舗でコロナ禍以前の人流が戻らず客数が回復しなかったほか、営業時間短縮に伴いディナーが苦戦したものの、テイクアウトやデリバリーの好調やランチの需要回復により、市場は前年比6.9%増となった。2022年は、ランチがコロナ禍以前の水準に回復に向かうほか、少人数利用が多いことからディナーやイートインの需要回復も加速するとみられ、市場は前年と同程度の伸びが予想される。

 ステーキ・ハンバーグレストランの2021年は、上位チェーンが不採算店舗を整理したことから店舗数は減少したものの、ランチを中心に需要が回復したほか、各社のテイクアウトやデリバリーの取り組み強化により店舗外での喫食需要を獲得し、市場は大きく落ち込んだ前年と比べて3.4%増となった。2022年は、引き続き各社がランチやテイクアウト、デリバリーに注力していることから、市場は前年を上回る伸びが予想される。近年はステーキブームが市場をけん引してきたが、原材料が高騰しているほか、引き続きテイクアウト・デリバリーの販売が重要になっていることから、ハンバーガーなどテイクアウト・デリバリーに適したメニューの強化が進むとみられる。

 2021年の料飲店は、営業時間の短縮や酒類提供時間制限や宴会需要の減退などにより都市部の店舗が苦戦したことや、上位企業の業態転換や不採算店舗の整理などで店舗数が減少したことから市場は大幅に縮小した。2022年は、大人数での利用制限は続いているものの営業時間が通常に戻りつつあることから客数が回復しており、居酒屋・炉端焼などが好調である。また、比較的少人数での利用が多いやきとり専門店やクラフトビールレストランなど、専門性の高い業態での需要獲得が進んでいることから市場は前年比69.3%増が見込まれる。

 2021年のファミリーレストランは、営業時間の短縮や臨時休業により都市部を中心に客数が減少し、特に客単価の高いディナーが落ち込んだ。イートインが苦戦する中、各社テイクアウトやデリバリーのキャンペーン実施やメニュー施策などを強化し、需要獲得に努める動きがみられたものの、市場は前年比二桁減となった。2022年は、総合ファミリーレストランを中心に不採算店舗の整理や他カテゴリーへの業態転換などにより店舗数は減少するものの、時短営業の解除で客数が回復に向かっているほか、ディナーのアルコール需要増加もプラス要因となり、市場は前年比5.8%増が見込まれる。

 2021年の喫茶は、前年の様な大規模な休業などはみられなかったものの、在宅勤務の定着により低価格型コーヒーショップを中心にオフィス街や繁華街立地の店舗で客数が減少したことから、市場は拡大したもののコロナ禍以前への回復には至らなかったものの、前年比8.4%増となった。2022年は、各社がコーヒー豆などの店頭販売やフードメニューの拡充による客単価の向上に取り組んでいるほか、新規出店も増加していることから、市場拡大が予想される。

 2021年の西洋料理は、ディナー比率の高いスペイン料理やシーフードレストランが落ち込んだ一方、テイクアウトやデリバリーでの利用が多いプレミアムハンバーガーやパスタレストランなど多くの業態でランチ需要が回復し、市場は拡大した。2022年は、消費者の自粛疲れに加え、時短営業やアルコールの提供制限などの営業自粛が緩和されることでディナーが回復に向かうほか、引き続きランチも好調なことから市場は前年比二桁増が見込まれる。

 2021年の日本料理は、すきやき・しゃぶしゃぶが郊外のロードサイド店舗の好調に伴い新規出店が相次いだものの、てんぷらなどはインバウンド需要の喪失により苦戦したほか、接待・会食利用の多い業態で客数が減少し、前年に引き続き市場は縮小した。2022年は、通常営業の再開に伴う客数の回復やアルコール需要の増加、人数制限の緩和などによって店舗の稼働率が向上していることから、市場は前年比38.0%増が見込まれる。

 2021年の東洋料理は、ランチの需要回復およびテイクアウト、デリバリーのユーザー獲得によって、伸長した業態もみられたものの、ディナー比率が高いため、営業時間の短縮や休業などによって引き続き集客に苦戦し、市場は縮小した。2022年以降は、各業態で客数の回復が期待されるほか、上位チェーンの新規出店によって市場拡大が予想される。

 2021年のエスニック料理は、時短営業や臨時休業を実施した店舗が多く、アルコール需要の高いディナーが回復に至らなかったほか、在宅勤務の定着などによる需要減退で、市場は前年に引き続き縮小した。2022年は、人流回復やイートインの好調に加え、アルコール提供制限の解除によるディナーの回復、さらにデリバリーの定着もみられ、市場は拡大するとみられる。

 2021年の宿泊宴会場は、ビジネスホテルが出張者の減少から苦戦したものの、前年に比べて人流が増えたことでその他の業態はプラスとなり、市場は前年比二桁増となった。2022年は、アルコール提供や観光施設の営業再開に加え渡航制限の緩和が進むとみられるほか、マイクロツーリズムやワーケーションなど新たな需要が創出されており、各社が従来の用途以外でのユーザー獲得に向けて取り組みを強化していることから、市場拡大が予想される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]3月~5月
[小売価格]
書籍版:12万1000円
書籍/PDF+データ版セット:16万5000円
ネットワークパッケージ版:24万2000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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