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富士経済、27カテゴリー408品目の加工食品の国内市場調査、新型コロナの影響による減少から2021年以降拡大も2019年の規模まで回復せず

2022.06.02 19:46 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、2021年7月から6回に分けて行ってきた27カテゴリー408品目の加工食品の市場調査結果を総括・分析した。その結果を「2022年 食品マーケティング便覧 総市場分析編」にまとめた。その結果、新型コロナの影響による減少から2021年以降拡大も、2019年の規模まで回復しないことがわかった。

 この調査では、加工食品市場のカテゴリー別、温度帯別、用途別、チャネル別、パッケージ別の分析に加え、コロナ禍による需要変化や市場への影響についても分析した。

 加工食品(27カテゴリー408品目)の国内市場では、2020年は新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行に伴い在宅時間が増え、調理機会が増加したことで内食需要が活性化した。近年需要が停滞していた基礎調味料などでは市販用が伸びた。一方、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって、外食店の休業、営業時間短縮などが行われたことで、外食や給食向けを中心に業務・加工用が大幅に減少したことから、市場は前年比2.8%減の22兆1065億円となった。

 2021年の市場は前年比0.4%増の22兆1936億円が見込まれる。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が続いたことで、業務・加工用がわずかながら減少するが、市販用が引き続き好調であり、外出機会が増えたことで、前年に縮小したCVSも微増になるとみられる。また、内食需要の高まりが続いていることや、コロナ禍の長期化による調理疲れから、調理済商品など簡便性の高い品目へのシフトがみられる。

 2022年は、引き続き市販用の簡便性の高い品目を中心に2019年を上回る需要が予想されるほか、業務・加工用が拡大に転じると期待されており、市場は前年比1.3%増が予測される。原材料、物流費など多様なコストが上昇しており、価格改定を行う商品が増えていることから市場は回復に向かうものの、2026年の市場はコロナ禍前となる2019年の規模まで戻らないとみられる。

 冷凍食品市場は、温度帯がフローズンのみで構成される品目を対象とする。カテゴリー別では、冷凍調理済食品、フローズンデザート、ステープル、農産加工品に分けられる。

 2020年の市場はコロナ禍で業務・加工用が減少し一時的にマイナスとなったが、2021年以降は業務・加工用が拡大に転じることや、堅調な市販用の増加などにより、プラスが予想される。

 冷凍調理済食品は、業務用が人手不足を背景とした簡便ニーズを獲得しており、参入メーカーが中食や給食向けの提案を強化し需要獲得に努めているほか、市販用では夕飯の主菜となる食卓向け商品の需要開拓を進めている。フローズンデザートは、市販用でアイスクリーム類が年間を通した需要を獲得し、大人をターゲットにした中・高価格帯商品の投入が増えており、プチ贅沢需要獲得による拡大が期待される。

 ステープルは市販用がメインであり、コロナ禍で内食需要を獲得し、2020年も拡大が続いた。冷凍米飯類(バラタイプ)、冷凍パスタが個食ニーズの獲得により伸び、冷凍うどんはチルドめん、乾めんと比較しコシの強さや食感による差別化、高単価の具(つゆ)付きタイプの商品投入が進んでいる。農産加工品はポテト加工品を中心とする冷凍野菜がメインである。今後は冷凍野菜の伸びと、冷凍果実(市販用)が汎用性の高さにより需要獲得が進み拡大が予想される。

 注目市場では、新型コロナの流行によって健康志向が高まり、運動不足による体重増加対策商品や、感染症対策として免疫力アップにつながる商品の需要増加が顕著である。運動不足や体重増加対策には糖質オフ、タンパク質補給が可能な品目が好調である。このほか、より健康的なイメージのある商品に需要が移行しており、リアルフーズからオートミール、牛乳からアーモンドミルク、ヨーグルトから植物性ヨーグルトへの一部シフトがみられる。また、外出自粛期間が長引き、家庭でも外食店同様のメニューの商品を味わいたいというニーズが高まっている。レモンサワーはコロナ禍以前から人気が高かったが、市販用でも商品の拡充が進み、他のアルコール飲料からの需要シフトが進んだことが高成長の要因となっている。

 市販用は、2020年にコロナ禍での内食需要の高まりを受けて調理済食品や調味料・調味食品、ステープル、農畜水産加工品、乳油製品が伸長し、家飲みやプチ贅沢需要を獲得したアルコール飲料やデザートも好調だった。2021年は調味料・調味食品やステープル、農畜水産加工品、乳油製品が前年の反動で減少しているが、調理済食品は簡便ニーズを獲得して伸長し、前年減少した飲料が増加に転じるほか、アルコール飲料やデザートも伸長していることから、市場は拡大するとみられる。

 なお、市販用のチャネル別では、量販店は生鮮品やすべての温度帯の加工食品が揃っているため、食材購入チャネルとして高い支持があり、市場をけん引している。CVSは、2020年は在宅勤務の影響で都市部の店舗の客数減により減少した。2021年は出勤者の増加、プチ贅沢商品や付加価値商品の伸びによる客単価の増加によって伸びるとみられる。また、ドラッグストアは、低温度帯の売り場拡大による品揃え強化により、好調である。

 業務・加工用は、2020年にコロナ禍による外食業態の低迷によって、大幅に減少した。全カテゴリーが落ち込み、特に、アルコール飲料の減少幅が大きかった。2021年は調理済食品、ステープル、調味料・調味食品、農畜水産加工品が拡大に転じているが、ホテル、料飲店などの苦戦が続いていることで、アルコール飲料や飲料がさらに落ち込んでおり、引き続き市場は前年を下回るとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]1月~3月
[小売価格]
書籍版:11万円
書籍/PDF+データ版セット:15万4000円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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