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富士経済、ファストフードやテイクアウトなど外食産業の国内市場調査、2022年市場見込ではハンバーガーが8631億円・回転ずしが7011億円に

2022.06.15 19:16 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、ハンバーガーやチキンが好調なファストフードや、巣ごもり需要やプチ贅沢需要を獲得しているテイクアウトなどの国内市場について調査した。その結果を「外食産業マーケティング便覧2022 No.1」にまとめた。トピックスとして、2022年市場見込(2021年比)では、テイクアウトやデリバリー需要の獲得で市場は続伸、新規企業の参入で市場活性化したハンバーガーが8631億円(4.4%増)に達する見通しだ。コロナ禍における非接触ニーズの獲得と積極的な出店で市場拡大した回転ずしは7011億円(4.1%増)と予測する。

 この調査では、ファストフード、テイクアウト、ホームデリバリー・ケータリング、交通機関、レジャー施設、給食の6カテゴリー64業態の市場について現状を捉え、将来を展望した。

 ハンバーガーでは、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行によって外食産業全体が苦戦を強いられる中で、家庭内での喫食需要を獲得したほか、非接触ニーズの高まりによってデリバリーやモバイルオーダーなどデジタルの活用が進んだことで、2020年に続いて2021年の市場も拡大した。2021年は、前年に引き続き各社のテイクアウトやデリバリー施策が進んだことに加えて、居酒屋など異業種からの新規参入によるチキンバーガー専門店の出店がみられるなど市場が活性化し、二桁増となった。2022年も、テイクアウトやデリバリーのニーズは高く、各社が引き続き注力しているほか、上位企業やチキンバーガー専門店など積極的な出店戦略によって、店舗数増加が予想されることから、市場は前年比4.4%増が見込まれる。

 回転ずしは、ラーメンやスイーツ、コーヒーなど他業態の主力メニューを提供したことで、客層や利用シーンが広がり、市場拡大してきた。2020年は新型コロナの流行によって、市場は縮小したものの、以前から顧客の利便性向上のため配送レーンの設備やタッチパネル、皿回収といったシステムのデジタル化が進んでいたことから、コロナ禍において非接触ニーズの獲得に繋がった。2021年は、料飲店など他業態からの需要シフトや新規顧客の獲得が進み、上位チェーンを中心に積極的な新規出店がみられたほか、非接触ニーズや客席配置の安心感からイートイン需要も堅調となり、市場は拡大した。2022年は、引き続きコロナ禍での非接触ニーズが高いことに加え、時短営業の解除による客数の回復も期待できることから市場は前年比4.1%増が見込まれる。

 セルフ式うどんは、うどんをメインに販売し、立ち食い、カウンター席またはテーブル席によるセルフサービスを主体とするチェーンを対象とする。2020年は、ロードサイド店舗が堅調な需要を獲得したものの、都市型店舗は客数減少によって苦戦を強いられた。各社がテイクアウトやデリバリー対応を進めたもののマイナスをカバーするには至らず、市場は前年割れとなった。2021年は、丸亀製麺が“うどん弁当”を投入したことでテイクアウト需要を獲得したほか、デリバリーの取り組み強化によって、市場は前年比二桁増となった。2022年は、引き続き各社がテイクアウトやデリバリーに注力することから市場拡大が予想される。

 高齢者福祉施設給食は、厚生労働省が定める介護保険施設(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、介護療養型医療施設)、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームにおけるカフェテリア形式、対面、テーブルサービスによる給食を対象とする。2020年は、一部施設でクラスターの発生がみられたものの、入居者の食事提供は継続して行われたため、コロナ禍の影響は軽微であり、施設数も増加したことから市場は拡大した。2021年は、前年に引き続き既存の施設では食事の提供が継続されたほか、有料老人ホームを中心に新規開設が進み、市場は前年比2.5%増となった。2022年は、有料老人ホームや介護老人福祉施設の施設数の増加が市場拡大に寄与するとみられる。

 2021年のファストフードは、テイクアウトやデリバリーと親和性の高いハンバーガーやチキンが続伸したほか、テイクアウト需要を獲得したセルフ式うどんや、新規出店の強化からステーキの市場が回復したことなどにより、市場全体は前年比7.2%増となった。2022年は各社のテイクアウトやデリバリーへの継続的な取り組みに加えて、イートインの需要回復がみられることから、市場は引き続き拡大すると予想される。

 2021年のテイクアウトは、コロナ禍における巣ごもり需要やプチ贅沢需要の獲得や、前年と比較して百貨店などの出店先で客数回復がみられたことにより市場は微増となった。2022年はデリカショップや量販店デリカ、スイーツ店などで付加価値商品の展開によって需要獲得に努める動きがみられるものの、店舗数の減少やファストフードや専門店業態のテイクアウト参入による競合激化もあり、市場は微増にとどまり、2019年水準まで回復するには時間がかかるとみられる。

 2021年のホームデリバリー・ケータリングは、宅配ピザは好調だったものの、宅配ずしは前年の需要増加の反動や、他の外食業態によるデリバリー強化で競合が激化したことから前年割れとなり、法人需要が大きい仕出し弁当やケータリングも続落したことから、市場は縮小した。2022年は、新型コロナの感染状況の改善などから法人需要の回復が期待される仕出し弁当やケータリングは前年を上回り、市場は前年比7.1%増が見込まれる。

 2021年の交通機関は、緊急事態宣言が解除された10月以降に利用客が回復したものの、出張者や旅行客の利用は低調で、列車内食や機内食が続落したことから市場は引き続き縮小した。2022年は、ワクチン接種の進展などから前年に比べて出張者や旅行客の増加が期待され、大幅な市場拡大が予想される。

 2021年のレジャー施設は、カラオケボックスなど屋内レジャー施設は新型コロナの感染リスクの観点から利用者に敬遠される状況が続き苦戦したものの、ゴルフ場やレジャーランドなどは休業期間の短縮や来場制限の緩和などにより回復したことから、市場は前年比5.5%増となった。2022年は、運営上の制限が緩和され、市場は引き続き拡大が予想されるが、依然としてインバウンド需要の消失や店舗閉店による収益基盤の減少などマイナス要因は多く、2019年の水準まで回復するには時間がかかるとみられる。

 2021年の給食は、高齢者福祉施設給食が有料老人ホームを中心とした施設数の増加によって続伸したほか、幼稚園・保育所給食が保育ニーズの高まりを背景とした幼保連携型認定こども園などの新設や、前年に比べ休園が減少したことから高い伸びとなった。また、学生食堂が対面授業の一部再開による食堂の利用機会増加によって伸長したこともあり、市場は前年比2.7%増となった。2022年も、高齢者福祉施設給食や幼稚園・保育所給食、学生食堂がけん引し、市場は前年を上回ると予想される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2月~4月
[小売価格]
書籍版:12万1000円
書籍/PDF+データ版セット:16万5000円
ネットワークパッケージ版:24万2000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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