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富士経済、ヘアケア・ヘアメイク商品やメンズコスメティックスの国内市場調査、ヘアケア・ヘアメイクの2022年市場見込は6665億円に

2022.06.10 15:44 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、ボタニカルやオーガニックなどを訴求する新興ブランドの好調や、おうち美容の一環で高機能・高価格な商品の需要が高まり、シャンプーやトリートメントなどの購入単価が上がっているヘアケア、黒髪用ヘアカラーが好調なヘアメイク、スキンケアやボディケア意識の高まりで好調なメンズコスメティックスの国内市場を調査した。その結果を「化粧品マーケティング要覧2022 No.2」にまとめた。トピックスとして、2022年市場見込(前年比)では、ヘアケア・ヘアメイクは、消費者のヘアケア意識が高く、トレンドのボタニカルや自然由来成分を訴求した商品発売が活発で6665億円(4.2%増)の見通しだ。メンズコスメティックスは、スキンケア意識が高まるなか、新商品展開やプロモーションによって未使用者の開拓が進み1583億円(2.1%増)と予測する。ヘアトリートメントは、リンス・コンディショナーからの移行やスペシャルケアアイテムの需要増加で拡大し1644億円(6.9%)を見込んでいる。

 なお「同No.1」ではスキンケアやフレグランスの市場を調査し5月18日に発表した。「同No.3」ではメイクアップやボディケアなどの市場を、「同総括編」では価格帯別やチャネル別の動向に加え、消費者調査でコロナ禍の長期化が化粧品の使用習慣に与えた影響などについてまとめ、今後発表する。

 ヘアケア・ヘアメイクの2020年は高齢化の進行による白髪染めユーザーの離脱や自然なヘアスタイルの流行といった消費者需要の変化に加え、コロナ禍での外出自粛やヘアサロンの休業が影響し、ヘアスタイリング剤や白髪用ヘアカラーなどのヘアメイクが縮小した。トリートメントなどのヘアケアは好調であったが、ヘアメイクの縮小を補うには至らず、市場は前年比1.6%減となった。

 2021年は外出機会の増加、ヘアサロンの営業状況改善により業務用が好調だったほか、家庭用では前年からマスクに隠れない髪の毛へのケア意識が高まり、高単価なシャンプーやヘアトリートメントが伸びた。またスペシャルケアアイテムを取り入れる消費者が増えたことで、購入単価・購入点数も増加した。さらに女性用スカルプケアの大幅な伸びもあり市場は前年比10.9%増となった。

 2022年もマスク生活が続いているため、ヘアケアへの意識は高い状態にある。メーカーは近年のトレンドであるボタニカルのほか、クレイ(泥)成分やハチミツ由来成分などの自然由来成分配合を訴求した商品展開を強化しており、市場は前年比4.2%増になるとみられる。

 メンズコスメティックスでは、近年は若年層を中心にスキンケア、ボディケアの意識が高まっていることを受け、メンズ整肌料やメンズボディケアが伸びて2019年まで市場が拡大してきた。

 2020年はわずかながら縮小したものの、2021年も新ブランド、新商品の投入が相次いだため市場は活性化した。またテレワークやオンライン会議が定着し、自身の容姿を確認する機会が増えたことで、中高年層でもヘアケアやスキンケア意識が向上し、中高年層向けのブランドも好調であったことから2021年の市場は前年比2.9%増となった。

 2022年はスカルプケアやスキンケアなどの関心が高く、新商品の投入やプロモーションによって未使用者の開拓が進んでいるほか、前年に発売された新商品の店舗への配荷増も期待できることから市場は前年比2.1%増が予想される。

 ヘアトリートメント(ヘアケア・ヘアメイク)は、リンス・コンディショナーからの移行や、へアスタイリング剤としても使用可能なアウトバストリートメントの増加により市場は拡大してきた。近年は新興ブランドを中心に1000円以上の商品が増えたことにより購入単価が上がり、市場拡大を後押ししている。コロナ禍以降は、おうち時間の増加やマスク生活が影響してヘアケア意識が高まり、週数回の使用を訴求したヘアマスクなど、スペシャルケアアイテムが需要を獲得している。

 2021年は新興ブランドが増えて購入単価が上がったことに加え、ヘアケア意識の高まりで、トイレタリーメーカーのスペシャルケアアイテムやアウトバストリートメントが好調であったことから市場は前年比11.9%増となった。

 2022年は新興ブランドのラインアップ拡充がさらに進み、高単価な商品の店頭での存在感が高まっているほか、スペシャルケアアイテムの拡販が強化されており、市場はさらに拡大するとみられる。新ブランドを展開する際は、リンス・コンディショナーに代わりトリートメントをラインアップするケースが定着しており、今後も置き換わりが進むことで市場は拡大していくとみられる。

 ヘアカラー(ヘアケア・ヘアメイク)では、ヘアカラーは白髪用と黒髪用の双方を対象とする。白髪用がユーザーの離脱により縮小する一方、黒髪用は明度の高いヘアカラーがトレンドとなったことで業務用を中心に伸び、市場の拡大に寄与してきた。2020年はヘアサロンの営業休止や外出自粛によって業務用が苦戦し、市場は縮小した。

 2021年も新型コロナの影響が続き、白髪用は中高年層の外出機会減少にともない需要が落ちた。一方で黒髪用はマスク生活が続くなか、若年層を中心にヘアメイクを楽しむニーズが顕著となり、“派手髪”のトレンドも受けて市販用ではブリーチやヘアマニキュアが伸びた。また業務用でもヘアサロンの営業再開に加え、ブリーチオンカラーなどの高明度・高発色なカラーのニーズが新型コロナ流行前よりも高まり、市場は前年比7.5%増となった。

 2022年も新型コロナの収束が見通せない中、白髪用は苦戦が予想されるが、黒髪用では高明度・高発色なカラーのトレンドが続き伸長していることから、黒髪用が市場をけん引するとみられる。

 メンズ整肌料(メンズコスメティックス)は、洗顔料を除く男性用のフェイス(顔)用化粧品が対象であり、化粧水や乳液などのスキンケア商品、ファンデーションなどのベースメイク商品、アイブロウ、ネイルカラーなどのポイントメイク商品、顔拭きシートが含まれる。近年は若年層を中心に美容への関心が高まったことで、市場は拡大が続いている。

 コロナ禍以降はオンライン会議が定着したことで、自身の顔を確認する機会が増え、中高年層でもスキンケア意識が高まった。消費者の関心が高まる中で、TVCMやWebプロモーションで需要が喚起され、2021年の市場は前年比5.4%増となった。

 男性では肌悩みを自覚していない未使用者も多いため、2022年は前年に発売された新ブランドや新商品の配荷が進むことでさらなる需要開拓が期待される。またメイクアップに抵抗がある消費者に向けて、店頭やWebで使用習慣の提案活動が行われることで市場はさらに拡大するとみられる。

 メンズボディケア(メンズコスメティックス)は、男性用として販売されている洗浄・保湿・UVケアなどを目的としたボディ用化粧品を対象とする。市場はボディシャンプーが主体であるが、近年は若年層を中心とした身だしなみ意識の高まりから、除毛・脱毛料の需要が高まっている。

 男性の身だしなみ意識の向上や体臭ケアへの関心の高まりによって、市場は拡大してきた。2020年はUVケアやリップクリームの需要が減退したが、在宅時間の増加によってムダ毛ケアの需要が高まり除毛・脱毛料が伸びた。

 2021年は引き続き身だしなみ意識の向上でボディクリーム・ローションや除毛・脱毛料が伸びた。また外出自粛によって不快臭ケアへの意識が低下していたが、テレワークの長期化により家族間で身だしなみや臭いを指摘するケースが増え、不快臭ケア訴求のボディシャンプーの需要が回復した。また除毛・脱毛料は新商品の発売で引き続き伸び、さらに除毛・脱毛後のスキンケア用品として、全身用アフターシェーブローションが好調だったため、市場は前年比6.7%増となった。2022年は未使用者の需要開拓を目指した商品が展開されており、市場は拡大が予想される。

[調査方法] 富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2月~4月
[小売価格]
書籍版:14万3000円
書籍/PDF+データ版セット:18万7000円
ネットワークパッケージ版:28万6000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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