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矢野経済研究所、国内の嚥下食・咀嚼困難者食・介護予防食市場調査、介護高齢者の増加や調理現場の人手不足で高齢者の低栄養に注目

2022.05.19 17:40 更新

 矢野経済研究所は、国内の嚥下食、咀嚼困難者食、介護予防食市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

その結果、介護高齢者の増加、調理現場の人手不足、高齢者の低栄養が注目され、市場は拡大するとみられる。今後は市販用ルートの拡大、在宅使用の増加がカギとなる。

 飲み込むことや噛むことが不自由な高齢者や患者を主な対象とした加工食品(嚥下食、咀嚼困難者食)、また、食べる量が少なくなり必要な栄養素が不足する高齢者向け加工食品(介護予防食)の市場規模は引き続き拡大しており、2020年度の嚥下食市場規模は前年度比104.5%の315.7億円、咀嚼困難者食市場規模は同109.7%の269.6億円、介護予防食市場規模を同102.5%の248.9億円と推計した。

 それぞれの傾向としては、嚥下食は入院患者が増加する病院や入所高齢者が増えている高齢者施設向けに、咀嚼困難者食は人手不足が深刻な調理現場の省力化ニーズから病院や高齢者施設向けに、介護予防食は高齢者の低栄養が問題視される中で在宅高齢者(在宅療養者、在宅健常高齢者に関わらず)向けに市場は伸びている。

 嚥下食は、今後、高齢化の進展や嚥下困難症状自体の認知度が高まるにつれ、嚥下困難者と認知される人の数も急速に増えるとみられ、病院や高齢者施設での使用が中心とは言え、市場規模は順調に拡大している。

 咀嚼困難者食は、要介護高齢者が670万人程度いて、しかも年々増加傾向にあり、その使用期間は4~5年程度と考えられることから、市場規模は約400億円までいくことは十分に可能と考えられる。

 介護予防食は、病院や施設向けの業務用市場では補食的に多く使われている。在宅市場については、農林水産省が音頭を取って介護食品「スマイルケア食」の普及に努めており、引き続き在宅の高齢者や障害者の方を対象に低栄養の解消を目指している。

 嚥下食市場は今後も順調に拡大するとみられるが、市場規模の拡大につれ伸び率は鈍化すると予測する。これは嚥下困難者の数自体に限界があることと、価格競争が益々激化することが原因である。

 咀嚼困難者食市場は年率数%の増加を予測する。やわらか食(きざみ食)の一般市販ルートは売場面積の拡大が見込まれ、徐々に伸びていくと見られる。これに対してブレンダー食(ミキサー食)は業務用途中心に伸び続ける見込みである。介護予防食市場は、低栄養を予防・改善する手段として、高齢者施設入居者の補食(おやつ・デザート)需要は安定的に伸び、同様に在宅高齢者(在宅療養者、在宅健常高齢者に関わらず)の取り込みで今後も順調に伸びる見通しである。介護予防食は「健康寿命の延伸」とどうリンクさせるかで、さらなる拡大が見込まれる。

[調査要綱]
調査期間:2月~4月
調査対象:嚥下食、咀嚼困難者食、介護予防食のメーカー
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話等ヒアリング調査、ならび文献調査併用
[小売価格]36万3000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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