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矢野経済研究所、スポーツ用品市場に関する調査、2021年は前年比110.7%の1兆5504億7000万円の見込

2022.05.30 17:57 更新

 矢野経済研究所は、国内のスポーツ用品市場を調査し、製品セグメント別の市場動向や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。その結果、2021年のスポーツ用品国内出荷金額は前年比110.7%の1兆5504億7000万円の見込であることがわかった。2ケタ成長の見込みながら、コロナ禍前の2019年出荷実績には届かなかった。

 2021年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷額ベース)は、前年比110.7%の1兆5504億7000万円を見込む。2020年の市場は同89.8%と新型コロナウイルス感染拡大によって、各種スポーツイベントが中止や延期に追い込まれたことから大幅減となったが、2021年はその反動増で2ケタのプラス成長となる見通しである。一部で活動制限はあるものの、各スポーツイベントや学校部活動の再開によってスポーツ用品の需要が喚起された。また、感染リスクが低いとされるゴルフやアウトドア、釣り、サイクルスポーツといったアクティビティに注目が集まり、エントリー層の増加によってこれらスポーツ用品が市場の成長を牽引する役割を担った。

 ただ、これらのカテゴリー(分野)を除く、多くのスポーツ用品がコロナ禍前の2019年の出荷実績には届いておらず、本格的な市場回復には至っていない。また、東南アジアをはじめとする主要生産国におけるロックダウンの影響もあり、スポーツ用品はサプライチェーンが寸断される事態に陥っている。サプライチェーンの正常化には時間を要す見通しで、今後の市場回復にブレーキがかかることも予測する。

 2022年7月に創業50年を迎えるスポーツ用品大手リテーラー(小売事業者)のアルペンが、4月1日に東京・新宿に旗艦店「Alpen TOKYO」をオープンした。地下2階から地上8階までの全10フロア構成で、総延べ床面積は3721坪の国内最大規模となるスポーツ用品売場が誕生した。

 出店場所は新宿駅東口から徒歩1分の場所で、主要幹線道路となる新宿通り、靖国通りが交差するところに立地し、売場は「スポーツデポフラッグシップストア新宿店」、「アルペンアウトドアーズフラッグシップストア新宿店」、「ゴルフ5フラッグシップストア新宿店」で構成される。いずれのショップも、他のアルペングループ店舗に入っていないブランドまで取り揃えるほか、新たなサービスも導入して特徴を打ち出すという。

 今後の焦点は、新宿、渋谷、池袋に立地するゼビオグループをはじめ、他のスポーツ用品リテーラーが増床やリニューアル、新規出店といった対抗措置を仕掛けるかどうかだろう。大手スポーツ用品リテーラーが、大型店の新規出店を追随する可能性もあり、新宿を中心とする都心エリアで競争が激化することも考えられる。将来的には、東京・神田小川町を超えるスポーツ用品店街が都心エリアに生まれる可能性もある。

 スポーツ用品市場は少しずつ消費回復への明るさを取り戻しており、2022年のスポーツ用品国内市場規模は、前年比104.7%の1兆6226億7000万円と2年連続でプラス成長を予測する。今後の下振れ要因となるリスクを挙げると、新型コロナウイルス感染症の再拡大、サプライチェーン正常化の遅れ、原材料価格の高騰によって一部スポーツ用品メーカーが製品値上げを検討していることである。

[調査要綱]
調査期間:1~3月
調査対象:スポーツ関連企業・メーカー・卸売業・輸入商社・小売業等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに郵送アンケート調査併用
[小売価格]17万500円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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