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矢野経済研究所、国内の食品ギフト市場の調査、2021年の市場規模は前年比104.6%の4兆1300億円に

2022.04.20 16:34 更新

 矢野経済研究所は、国内における食品ギフト市場の調査を実施し、オケージョン別の動向、チャネル別の動向、アイテム別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2021年の国内食品ギフト市場規模は前年比104.6%の4兆1300億円に達する見通しだ。コロナ禍による打撃はありつつも、徐々に回復・市場拡大の兆しが見えていることが明らかとなった。

 2020年の国内食品ギフト市場規模は、小売金額ベースで前年比92.8%の3兆9500億円、2021年は同104.6%の4兆1300億円と推計した。

 人生の特別なシーンにおいて根付いているフォーマルギフト市場は規模縮小が続いている一方で、「ギフト」を贈るというコミュニケーション手段は今もなお現代社会に根付いており、より近しい間柄において重要度を増している。中元・歳暮といったフォーマルギフトからプチギフトといったカジュアルギフトまで、様々なシーンで選ばれることが多い食品ギフトは、ギフト市場において最も大きな部分を占めるアイテムカテゴリーである。しかし、2020年以降のコロナ禍では、外出自粛によって旅行や出張の土産、人が集まることで発生する冠婚葬祭などのギフトシーンが激減し、多大な影響を受けることとなった。

 一方、誕生日や母の日といった、より近しい間柄で贈られるカジュアルギフトは好調に推移し、縮小傾向にある中元・歳暮の落ち込みをカバーしている。また、インターネットを介して食品を購入することが急速に浸透したために、食品ギフトの購入チャネルやカテゴリーにも変化がみられており、食品ギフト市場は転換期を迎えている。

 近年、若年層を中心に環境問題やフードロス削減をはじめとするSDGsへの関心が高まっている。ギフト市場、特に食品ギフト市場では、ギフト事業者のみならずギフトを贈る個人や企業にもSDGsに対する動きがみられており、省包装や環境にやさしい素材の使用、生産者の利益保護や劣悪な労働環境防止など掲げたいわゆる“エシカル”を訴求する商品が増えている。

 ギフトは、贈り手の想いを伝えるツールでもある。そのため、これらのSDGsの観点を含んだアイテムやサービスをギフトとして贈ることは、個人のエシカル参加の意思表示を示す手段となる。また、企業にとっても法人ギフトにおいて顧客や従業員、取引先企業に対してSDGs実現に向けた取組み姿勢を発信するうえでも魅力的だ。食品ギフトに係る事業社は、個人・法人利用を問わずSDGsの意識を常に持つことが求められており、社会的責任を果たしながら市場の拡大を目指す風土が醸成されているといえる。

 2022年の食品ギフト市場規模は前年比101.7%の4兆2000億円を見込み、2023年は同101.6%の4兆2690億円と予測する。

 2022年以降の動向は、新型コロナウイルス感染症の収束する状況次第という側面が大きいものの、コロナ禍において大きく減少した「結婚祝い・返し」、「結婚式引出物」、「香典返し・法要返し」といった人が集まることで需要が生まれるギフトは、挙式・披露宴や仏事などのイベントが開催できるようになれば、ある程度回復分がプラスされると見込まれる。

 また、「手土産」「お土産」といった移動を伴うギフトオケージョンの需要回復も期待される。一方、コロナ禍で需要が増加したカジュアルシーンでのギフトニーズも維持され、2023年の同市場をコロナ禍以前の2019年比100.3%と予測しており、活気を取り戻していくものとみられる。

[調査要綱]
調査期間:2021年10月~2022年3月
調査対象:ギフト卸・メーカー、小売(百貨店・量販店・専門店・通販)等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、郵送・FAXによるアンケート調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]19万8000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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