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日本腎臓病協会と協和キリン、慢性腎臓病(CKD)の疾患認知度に関するアンケート調査、疾患認知度は全体で55.9%に

2022.03.03 11:50 更新

 日本腎臓病協会と協和キリンは、2019年5月に締結した「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、腎臓病に対する啓発活動の一環として、慢性腎臓病(CKD)の疾患認知に関するアンケート調査を継続的に実施している。今回は昨年11月に実施した最新の調査結果について発表した。その結果、疾患認知度は全体で55.9%だったものの、生活習慣病としての認知度が依然として低いことが明らかとなった。

 CKDは脳卒中、心臓病、認知機能障害とも関係しており、国民の健康寿命を損なう要因となっている。日本では1330万人の患者がいるといわれている(エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018(編集 日本腎臓学会)から)。これは成人の約8人に1人という計算になり、特に高齢者では有病率が高いとされている。

 今回は、20歳から50歳代の一般市民1606名を対象に、慢性腎臓病(CKD)に関する認知度について、インターネットによる全国アンケート調査を実施した。

 その結果、慢性腎臓病(CKD)を「症状も含めてよく知っている」あるいは「病名だけは知っている」と回答したのは全体の55.9%で、2019年の初回調査結果より5.2ポイント上昇した。年代別にみると、いずれの年齢層でも認知度向上が認められており、2019年時にはいずれも43.5%だった若年層(20及び30歳代)においても、40%後半まで上昇している。また、生活習慣病としては「糖尿病」「高血圧性疾患」がいずれも50%以上の高い認知度を示す一方、「慢性腎臓病」は27.4%と、生活習慣病としての認知度が低いことがわかった。

 慢性腎臓病(CKD)を認知している回答者のうち、健康診断における腎機能検査と尿検査項目の中で、この疾患とつながりの深いものを問う設問で回答が多かったのは、「尿蛋白」で51.4%となり、2019年の調査結果から5.9ポイント上昇した。その一方、臨床でCKDの重症度の指標として利用されているeGFR(推算糸球体ろ過量、腎臓にどれくらい老廃物を尿へ排泄する能力があるかを示す)は15.5%となり、非常に認知度が低いことがわかった。 さらに「タンパク尿」や「血清クレアチニン高値」を放置することで起こりうるのは何かという設問では、「人工透析による継続的な治療」が最も多く、58.6%だった。

 今回の調査結果について、日本腎臓病協会理事長、川崎医科大学副学長 腎臓・高血圧内科学 主任教授の柏原 直樹先生は 「糖尿病や高血圧、高脂血症、肥満症は生活習慣病として広く認知されています。慢性腎臓病(CKD)はこれらの疾患とも関連が深く、20代、30代といった若年期からの生活習慣が発症に大きく影響している。2019年から継続している調査結果から、慢性腎臓病(CKD)自体の認知は向上しているが、生活習慣病としての認知は他疾患に比べて低い状況に変化がないことが分かった。今後、疾患の予防に向けた対策を進めていくうえで、年代に応じた適切な情報発信を継続し、腎臓病の克服を目指してゆきたいと思う」と述べている。。

 日本腎臓病協会と協和キリンは今後も「腎臓病の疾患啓発活動に関する連携協定」に基づき、慢性腎臓病に関する疾患認知度調査の実施をはじめ、医療連携に関する医師向け講演会や報道関係者対象のセミナーの開催など、腎臓病の疾患啓発と対策活動に協力して取り組みを進めていく考え。

協和キリン=https://www.kyowakirin.co.jp


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