データ・リポート

富士経済、調味料・調味食品の市場調査、2021年のレトルトカレー市場は2020年比2.8%増の932億円の見込み

2022.03.29 17:40 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、家庭での調理機会の増加と調理疲れなどから再び簡便性の高い商品の需要が高まっている調味料、調味食品の国内市場を調査した。その結果を「2022年 食品マーケティング便覧 No.5」にまとめた。「2022年 食品マーケティング便覧」では、27カテゴリー408品目の加工食品市場を6回に分けて調査・分析する。その結果、レトルトカレー市場の2021年見込では932億円(2020年比:2.8%増)に達し、2026年は1045億円(2020年比:15.2%増)を予測する。有名店監修、グランプリ受賞店のカレーなど高価格帯商品が好調で、2024年には1000億円を突破するものとみられる。レモン果汁(市販用)市場は、2021年見込が93億円(2020年比:8.1%増)、2026年は118億円(2020年比:37.2%増)を見込む。お酒や飲料の割材などで若年層の需要も獲得しており、安定した伸びが続くとみられる。

 レトルトカレーは、レトルトパウチ包装の調理済みカレーを対象とする。湯煎や電子レンジでの加熱など温めるだけで食べられることから、簡便性や個食ニーズの高まりによって、インスタントカレーから需要がシフトしている。味覚面での品質アップ、価格志向ユーザー向けの低価格帯商品や品質にこだわった高価格帯商品の投入など、ユーザーニーズに沿った商品展開によって、市場は拡大が続いており、2017年にはインスタントカレーの市場規模を上回った。2020年は、新型コロナウイルス感染症の流行による外食の落ち込みによって業務用は苦戦したが、休校やテレワークの増加で内食需要が高まり、簡便性と備蓄性の高さから市販用が好調で市場が拡大した。2021年は業務用が回復に向かっていることに加え、市販用は外食や旅行の自粛によって家庭でも外食店のメニューを味わえる有名店監修やグランプリ受賞店のカレーなど高価格帯商品が好調なことから、引き続き市場は拡大するとみられる。今後も市販用を中心にインスタントカレーからの需要シフトが進み、2024年には市場が1000億円を突破すると予測される。

 メニュー専用合せ調味食品は、肉や野菜を加えるだけで麻婆豆腐、青椒肉絲、回鍋肉などのメニューを簡単に作れるドライの調味食品を対象とする。共働き世帯の増加と若年層の調理離れなどから簡便・時短ニーズを取り込んでおり、中華メニュー以外に和風、洋風、アジアンメニューの商品化が行われたことでユーザー層が広がった。2020年は、家庭内調理需要が増加し、市場は拡大した。2021年は、和風メニューでは基礎調味料で調理していた層の調理疲れによるシフトがみられるほか、メニューバリエーションの豊富さからアジアンメニューも伸びている。定番商品や本格志向の商品、レンジ対応商品など商品の多様化が進んでいる。また、少人数世帯向けの商品展開も行われており、商品投入が活発化することで今後も市場の拡大が期待される。

 レモン果汁(市販用)は、市販用の保存料無添加のレモン果汁商品を対象とする。 生鮮レモンの代替として、主に揚げ物、肉料理、魚料理など幅広いメニューのトッピング調味料として使用されているが、調味料以外にもお酒や飲料の割材、製菓材料など幅広い用途がある。2016年以降はレモンサワーブームにより、高い伸びが続いている。 2020年は、家飲みの増加により使用量が増えたほか、家庭内でのスイーツの手作り機会増加により製菓材料としての利用も増えた。2021年は巣ごもり生活の継続に加え、消費者の感染症予防意識の高まりを背景に、クエン酸の持つ疲労回復効果やビタミンCの健康イメージによる需要獲得もあり、前年比で二桁近い伸びが見込まれる。 調味料は若年層の需要獲得が課題となっているが、レモン果汁はお酒や飲料の割材などで20代から30代の需要も獲得しており、今後も安定した伸びが期待される。

 調味料は、調理の簡便性や省力化につながる商品が伸びており、2021年は市場拡大するとみられる。 業務用ではテイクアウト、デリバリー、ファストフード、給食などの新型コロナの影響が少ない業態への展開をメーカーは強化している。市販用は、コロナ禍での健康ニーズの高まりを受けてアマニ油、米油、機能性甘味料、レモン果汁、塩麹などが好調である。2020年に好調だった基礎調味料は、調理疲れから2021年は減少するとみられるが、若年層の需要獲得を目的として、人気YouTuberやインフルエンサーを起用したデジタル販促の動きが活発化している。 調味食品は、巣ごもり需要の獲得により前年に高い伸びとなったが、保存がきく商品であることから2021年はわずかながら縮小するとみられる。新型コロナ以前から個食対応や温めるだけの簡便さからレトルトカレーが伸びており、外食の代替として高価格帯商品が好調である。また、家庭での調理頻度の高い状況が続き、簡便性の高い釜飯の素・炊き込みご飯の素、グラタン関連セット食品(市販用)なども伸びている。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2021年11月~12月
[小売価格]
書籍版:11万円
書籍/PDF+データ版セット:15万4000円
ネットワークパッケージ版:22万円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ