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JTB、ふるさと納税と旅行に関する意識調査、ふるさと納税の返礼品で旅行をしたい人は約7割に

2021.12.01 13:39 更新

 ふるさと納税を通じた交流創造事業を推進するJTBは、「ふるさと納税と旅行に関する意識調査」を実施し、その結果をまとめた。トピックスとして、ふるさと納税の返礼品で旅行をしたい人は約7割だった。旅行クーポンは電子版より紙がよい(60.5%)ことがわかった。現地に行って応援できない代わりにふるさと納税するは21.6%だった。

 JTBは、2014年から、ふるさと納税サイト「ふるぽ」を運営し、約250の自治体にふるさと納税の運営業務を代行するサービスを提供している。同社は、ふるさと納税が地方部と都市部、地域と地域をつなぐ絆になり、交流人口や関係人口の拡大に寄与することができるものと考えてきた。寄付した地域を訪ねる旅は、その土地で様々な体験をすることで、地域への理解や共感を深めるだけでなく、宿泊・食事・観光・お土産など地域への支援につながる。JTBでは、寄付した自治体への旅行に使える「JTB ふるさと納税旅行クーポン」などの返礼品を開発するとともに、地域の魅力的な人・モノ・場所・体験を「ふるぽ」から全国に発信している。

 昨年度に全国の自治体が受け入れたふるさと納税の寄付額(総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和3年度実施)」から)は過去最高の約6725億円となり、前年度の約1.4倍とコロナ禍でも拡大した。旅行需要は減少したが、4月~9月に「JTB ふるさと納税旅行クーポン」を返礼品として提供する自治体数はコロナ禍前の2019年と比べて1.5倍、旅行クーポンの発行額も2倍に伸びている。そこで同社は、ふるさと納税を通じた地域への関心度や、返礼品としての旅行の利用意向について調査することにした。

 ふるさと納税を「利用したことがある・利用している」と回答した人は28.4%だった。一方、「利用したことがない」と回答した人は67.9%で、約7割を占めた。

 ふるさと納税の利用意向は、「利用したい」が60.9%で過半数を超えた。ふるさと納税の利用経験別にみると、利用経験者は95.8%が継続して利用意向を示した。 一方、利用経験がない人でも、46.4%が今後利用したいと回答している。

 ふるさと納税の返礼品に旅行があることを「知っている」と回答した人は39.3%で、「知らなかった」が過半数を超えた。

 ふるさと納税を利用している・してみたい理由は、「返礼品がもらえてお得感があるから」(62.2%)「税金が控除されるから」(56.1%)、「ふるさと納税ならではの返礼品があったから」(39.9%)の順で高い結果となった。

 ふるさと納税の返礼品でもらいたいものは、「肉類・海鮮類・果物・お米など、その地域の食料品」が75.1%と最も高くなっている。「ホテル・旅館の宿泊券や補助券など、その地域への旅行クーポン」は34.5%で、3番目に高い結果となった。

 ふるさと納税の利用経験者に、返礼品として旅行を利用したことがあるかを聞いたところ 「旅行をしたことがある」と回答した人は33.4%となった。

 ふるさと納税の返礼品として旅行を利用したいか聞いたところ、「利用してみたい、今後も利用したい」が68.2%と約7割を占めた。

 ふるさと納税を利用した旅行をしてみたいと回答した人に、旅行クーポンはどのような形態で配布されるのが好ましいかを聞いたところ、「郵送で届く紙の旅行券・旅行ギフト券」が60.5%で、電子クーポンに比べて高い結果となった。

 ふるさと納税を利用した旅行をしたいと思わない、分からないと回答した人に理由を聞いたところ、「コロナ禍でいつ旅行ができるか分からない」(30.2%)が最も高く、次いで「他に優先したい返礼品がある」(26.2%)、「ふるさと納税を利用しなくても旅行をする」(24.7%)となった。

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、ふるさと納税への気持ちや行動の変化があったかを聞いたところ、「より返礼品のお得感があるものを選ぶようになった・選びたい地に行って応援できないので、代わりにふるさと納税をした・したい」」(26.4%)が最も高く、次いで「現地に行って応援できないので、代わりにふるさと納税をした・したい」(21.6%)となった。なお、「特に気持ちや行動の変化はない」は36.3%だった。

 ふるさと納税を通じて、納税先の地域に興味を持ったことがあるか聞いたところ、34.5%が「ふるさと納税をしたことで、以前よりもその地域に親しみを感じるようになった」と回答した。「その地域に訪れてみたくなった」は24.7%で、「ふるさと納税をした後、その地域に実際に訪れたことがある」も13.6%となった。

 ふるさと納税で利用してみたいサービスは、納税者限定の「特産物セット」(37.1%)や「特別な宿泊プラン」(34.0%)など返礼品そのものに対するものの他、「旅行先でふるさと納税をし、その場で返礼品をもらう」(25.9%)、「自分で探さなくても、最適な返礼品をレコメンドしてくれる」(23.0%)サービスも2割以上となった。

 通常は利用できない施設への訪問や体験など、ふるさと納税を利用した旅行限定の特別なプランへの回答が多くみられた。具体的には、「返礼品の申し込み先への訪問」「地元の人しか知らないような場所に行ってみたい」などの他、「エリアを限定せずに使えること」や「自分で料金をプラスして、宿泊を豪華にしたい」などの意見もみられた。

 ふるさと納税の寄付額が増加しているのは、返礼品や税額控除が主な理由であることが調査結果から推測されるが、好きな地域や出身地を応援したいからという声もあることから、ふるさと納税の本来の趣旨も理解されつつあると考えられる。地方自治体の課題の一つに関係人口の創出があげられるが、ふるさと納税は、寄付者を非訪問系の関係人口ととらえれば、旅行返礼品の提供により直接的な交流人口、さらには定住人口の増加につながっていく可能性がある。今後のふるさと納税が規模の拡大だけでなく、地域の魅力の発掘・発信を通じて地域と寄附者をつなぎ、寄附者が地域に愛着を感じたり実際にその土地を訪れることで、新たなふるさととして持続的な関係を築く一助となることも地方創生の重要な視点であると考える。

[調査概要]
調査実施期間:11月12日~16日
調査対象:全国20歳以上の男女個人
サンプル数:事前調査 5881名 本調査 1030名(事前調査で「ふるさと納税を利用してみたい/今後も利用したい」と回答した人を抽出し本調査を実施)
調査内容:ふるさと納税の利用意向、ふるさと納税の旅行経験、ふるさと納税後の地域との関係性等について
調査方法:インターネットアンケート調査

JTB=https://www.jtb.co.jp/


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