データ・リポート

富士経済、化粧品の国内市場調査、2021年は2020年比3.3%増の2兆8415億円を見込む

2021.11.11 18:54 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、スキンケア、フレグランス、ヘアケア・ヘアメイク、メンズコスメティックス、メイクアップ(ベースメイク・ポイントメイク)、ボディケアのカテゴリー別に調査を行った国内化粧品市場を、チャネル別、注目コンセプト別、価格帯別などの視点から横断的に分析したほか、消費者アンケート調査を行い、市場トレンドを捉えた。その結果を「化粧品マーケティング要覧 2021 総括編」にまとめた。トピックスとして、2021年見込(2020年比)の化粧品国内市場は、商業施設の営業状況の改善、ワクチン接種開始による外出機会の増加によって回復へ向かい2兆8415億円(3.3%増)と予測する。また、スペシャルケア市場では、オンラインカウンセリングの導入や美白訴求の商品が好調で3519億円(4.4%増)に達するものと見込まれる。

 化粧品の国内市場では、2020年は新型コロナウイルス感染症の影響によってインバウンド需要が消失したほか、4、5月には緊急事態宣言が発出され百貨店や駅ビルなどの商業施設が休業を余儀なくされた。また、消費者も外出自粛によってベース/ポイントメイクやクレンジング、サンスクリーンの使用機会が減少し、市場は前年比14.5%減となった。2021年は前年と比較して百貨店などの商業施設の営業状況が改善されているほか、ワクチン接種が開始されたことから外出機会が増加しており、前年比3.3%増が見込まれる。2022年以降、ワクチン接種が進みコロナ禍での生活様式への順応が進むことで市場は徐々に回復に向かうとみられる。

 価格帯別化粧品市場では、高価格帯は近年スキンケア、メイクアップで若年層の需要を取り込むなど、堅調に市場拡大してきたが、2020年はインバウンド需要の消失や、主要チャネルである百貨店、化粧品店の休業を受け、前年を大きく下回った。景況悪化によって低・中価格帯へシフトする品目もみられた。一方、“おうち美容”への関心の高まりによってスキンケアやヘアケアの予算を増やす消費者もみられ、新たな需要を取り込んでいる。2021年はインバウンド需要の回復は期待できないものの、ポイントメイクなど前年に大幅に縮小したカテゴリーが反動で伸長するため、市場は前年比3.3%増が見込まれる。

 中価格帯は2020年、在宅時間の増加によって通販で実績を伸ばすブランドがみられたほか、景況悪化による高価格帯からのシフトや、スキンケアでは在宅時間の増加によってスキンケアステップを見直す消費者が増え、スペシャルケアの需要が高まったものの、制度品系マスブランドのインバウンド需要の消失により市場は縮小した。2021年以降、市場は徐々に回復に向かうとみられる。

 低価格帯は2020年、シートパックやサンスクリーンのインバウンド需要が消失したほか、消費者のパーソナルユース志向が強まり、ヘアケアなどで中/高価格帯へのシフトが進んだことによって市場は前年比13.1%減となった。一方、マスク着用やストレスなどによって毛穴の開きやニキビなど肌悩みが生じやすい環境になったことで、低価格帯の中でもより高単価なスキンケア商品などは好調だった。2021年以降、市場は微増で推移するとみられる。

 スペシャルケアは、スキンケアの中で、オプションステップとして使用されるスポットケア、美容液、パックを対象とする。スペシャルケアは近年、シワ改善効果・効能のある医薬部外品による需要喚起やインバウンド需要の取り込みによって市場拡大してきた。2020年はインバウンド需要の消失や百貨店、化粧品店の休業によってカウンセリングの機会が減少したことから実績を落とすブランドが多くみられ、市場は前年比二桁減となった。一方、在宅時間の増加によってスキンケアに時間をかける消費者が増えたことからブースターや、マスク着用やストレスなどによる毛穴の目立ちに対応した美容液ブランドが好調だった。2021年はインバウンド需要の大きかったパックの需要回復は鈍いものの、スポットケアや美容液はオンラインカウンセリングの導入が進んでいるほか、前年は不調であった美白訴求の商品も外出機会の増加に伴い需要が回復することから、市場拡大が予想される。

 消費者アンケート調査の「新型コロナ流行前と比較した肌の状態(n=640/SA)では、「変わらない」と回答した人が全体の59.1%となった。「良くなった」「やや良くなった」と回答した人は12.7%で、30~34歳の回答率が最も高い。一方、「悪くなった」「やや悪くなった」と回答した人は28.3%で、20~24歳の回答率が最も高い。

 「新型コロナ流行後の肌の状態改善の要因(n=81/MA)」では、「良くなった」「やや良くなった」と回答した要因として回答率が高かった順に「スキンケアにかける時間の増加」「生活リズムの改善」「メイクアップ頻度の減少」となった。

 「新型コロナ流行後の肌の状態悪化の要因(n=181/MA)」では、「悪くなった」「やや悪くなった」と回答した要因として最も回答率が高かったのは「マスクの着用」で、8割を超えた。次いで「日常生活でのストレスの増加」「運動不足」となった。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]6月~8月

消費者アンケート調査
[調査対象]化粧品(スキンケア/ベースメイク/ポイントメイク)を購入したことがある20~59歳の女性640名
[調査期間]7月2日~4日

[小売価格]
書籍版:14万3000円
書籍/PDF+データ版セット:18万7000円
ネットワークパッケージ版:28万6000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ