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矢野経済研究所、国内の自然派・オーガニック化粧品市場調査、2020年度は前年度比94.5%の1330億円と推計

2021.11.24 13:28 更新

 矢野経済研究所は、国内の自然派・オーガニック化粧品市場を調査し、製品カテゴリー別や流通経路別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場は前年度比94.5%の1330億円と推計した。2016年の調査以来(2011年度以降)初めての前年度割れとなった。

 2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場(今回調査にあたり、過去に遡って2018年度、2019年度の市場規模を見直している)は、ブランドメーカー出荷金額ベースで前年度比94.5%の1330億円と推計した。2016年の調査以来(2011年度の市場以降)、初めて前年度割れとなった。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出自粛や緊急事態宣言下での店舗休業、時短営業などが市場マイナス要因となった。

 一方で、自然派・オーガニック化粧品に関しては、サスティナブルな環境を意識したライフスタイルを目指す消費者や、敏感肌と自覚する女性の増加に加え、イメージ先行の市場から、一般化粧品に求められる機能をも有するナチュラル・オーガニック化粧品が多く流通するようになったことで訴求力が高まっており、今後もその市場性を維持するものと考えられる。

 2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場において、コロナ禍で最も大きく変化したのは販売チャネルである。それはコロナ禍が収束しても、中長期的に影響を及ぼす見通しで、チャネル戦略そのものの方針転換にまでおよぶこととなった。

 これまで多くのブランドがブランドコントロールという視点から、直営店での販売を主軸としてきた。しかし、すでにブランド認知が進み一定の店舗網を構築したブランドでは、店舗数拡大施策が成長戦略から外れ、適正店舗の策定に基づく運営と効率化が妥当という考え方に移行している。加えて、コロナ禍を契機にECチャネルの重要性が一気に高まっていることから、企業規模を問わず、実店舗の出店とECルートを総合したチャネル戦略の再構築が喫緊の課題となっている。

 2020年度の自然派・オーガニック化粧品市場は、コロナ禍という特殊要因から市場縮小に陥ったものの、化粧品全体市場に比べるとその縮小幅は小さかった。その要因の一つは化粧品全体市場がインバウンド(訪日外国人客)消費に下支えされていたのに対し、自然派・オーガニック化粧品市場ではそれが僅かであったことである。2021年度は首都圏や大都市圏を中心に断続的な緊急事態宣言下にあったが、下期に入り収束の兆しが見えてきたことで回復が期待される。また、社会におけるサスティナブルやSDGsへの関心の高まりは、自然派・オーガニック化粧品市場には追い風とみる。

[調査要綱]
調査期間:9月~10月
調査対象:自然派・オーガニック化粧品メーカー、販売代理店、小売店、関連団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、eメールによる調査、ならびに文献調査併用
[小売価格]13万2000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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