データ・リポート

富士経済、土産菓子の国内市場調査、新型コロナ流行の影響で交通系チャネルは苦戦続くも量販店は積極的な展開で伸長

2021.08.25 11:38 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う、旅行や出張機会の減少や、インバウンド需要の消失の影響を大きく受けている土産菓子(地域特性などの限定性を訴求した商品、菓子メーカーの地域限定のご当地菓子商品を対象とした)の国内市場を調査した。その結果を「コロナ終息後に向けた土産菓子市場のネクスト戦略分析」にまとめた。トピックスとして、2021年国内市場見込(2020年比)では、土産菓子が2430億円(5.7%増)と予測。2020年は新型コロナ流行によって大幅縮小したが、2021年も苦戦は続くが回復へ向かう見通しであることがわかった。量販店は54億円(20.0%増)と予測。外出自粛を受けた消費者の需要を取り込み拡大が続くと見られる。

 この調査では、駅ナカ・駅ビル、空港、高速道路SA・PAなどを中心とした土産菓子市場の現状を捉えるとともに、主要メーカーの販売動向や取り組み事例、大手小売業の店舗展開やECとのすみ分け意向などの戦略事例、アフターコロナの土産菓子市場の変化についても整理した。

 土産菓子の国内市場では、訪日外国人の増加によるインバウンド需要の好調や、旅行や出張機会の増加などから、2019年まで市場は順調に拡大してきた。しかし、2020年は新型コロナの流行に伴う、海外からの渡航制限によるインバウンド需要の消失や、旅行や出張機会の減少のため駅ナカ・駅ビルや空港などの交通系チャネルが苦戦したことから、市場は前年比43.0%減となった。

 交通系チャネルが苦戦する一方、2020年は量販店で催事展開による土産菓子の販売が急増した。特に後半から各量販店チェーンにおける日配売り場や銘店・催事売り場などでの展開が活性化し、2020年は前年比2.0倍と大きく伸びた。中でも、全国的に知名度が高いブランド商品は引き合いが急増している。商品によっては量販店での継続販売によるブランド力低下を懸念し、菓子メーカー側が出荷を絞るケースもみられる。そのため、各量販店チェーンは全国的なブランド商品だけでなく、差別化のためご当地のみで支持されている商品の展開を強めており、地場菓子メーカーにとっては販売機会の増加につながっている。

 2021年も新型コロナの流行による外出自粛や移動制限などによって、空港や駅などの交通系チャネルは苦戦が続いている。一方、土産菓子に対する需要は増加しており、量販店は土産菓子に関する催事を積極的に開催し、引き続き好調である。ワクチン接種の拡大による公共交通機関の利用増加とともに交通系チャネルは回復が予想され、また、量販店における催事での土産菓子の販売強化も継続されるとみられる。

 市場は新型コロナの流行により大きな打撃を受けているが、菓子メーカーは新工場の稼働による人気商品の製造強化やEC専用商品の開発、新ブランドの育成など新たな取り組みを進めていることから、今後は従来の観光需要だけでなく、自家消費をはじめとした幅広い需要の獲得が期待される。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]4月~6月
[小売価格]
PDF版:33万円
ネットワークパッケージ版:49万5000円
(すべて税込)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


このページの先頭へ