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矢野経済研究所、国内の美容家電・調理家電小売市場に関する調査、2020年の美容・調理家電小売市場は前年から大幅伸長

2021.07.13 12:38 更新

 矢野経済研究所は、国内の美容家電小売市場および調理家電小売市場の調査を実施し、アイテム別の動向、チャネル別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、おうち時間を豊かにする家電によって市場は活性化し、2020年の美容・調理家電小売市場は前年から大幅伸長となった。

 2020年の美容家電小売市場規模は前年比108.8%の1655億50百万円になるものと推計した。2020年は、おうち時間が増えたことで大手家電メーカーなどのプロモーションや美容雑誌等で“おうち美容”というワードが頻繁に登場することとなった。増加したおうち時間を自身のセルフ美容に充てる女性の動きが目立ち、美容家電小売市場全体は大きく伸長した。

 一方、2020年の調理家電小売市場規模は前年比119.5%の7319億円になるものと推計した。おうち時間の増加によって「内食」が増え、料理を作る機会が多くなったことや、政府が経済対策で1人10万円の特別定額給付金を配ったことも買い替えが進む要因となり、2020年の調理家電小売市場は二桁成長を遂げた。

 “サブスク”というキーワードが一般消費者に爆発的に広まったのは2018年のことである。すでにデジタル化が進んでいた音楽・映像配信サービスは、インターネットを通じて音楽や映像を視聴することに心理的なハードルが低いユーザーが多く、一気に普及が進んだ。一方で、直接肌につける美容家電や口に入れる料理を調理する調理家電では、衛生面や故障などのトラブルを懸念する消費者も多く、認知は進んでも利用までたどり着くことが難しかった。

 しかし、2020年4月以降、緊急事態宣言発出にともなってテレワーク化が進み、新たな住環境・仕事環境を整備するためにサブスクリプションサービスを導入する動きが加速した。家具や家電は比較的サイズが大きく高額であることも多いため、実際のサイズ感や使用感、室内に設置したときの雰囲気など、一度試してから自分に合うかどうか、続けられるかどうかを試したいというニーズは潜在的にあった。突然の在宅勤務に迅速に対応する必要性も追い風となり、月額定額制で気軽に始められるサブスクリプションサービスの利点が特にコロナ禍での消費者ニーズとうまくマッチしたようだ。

 しかしながら、多くのサービス提供会社によって流通される商品が、主に中古品である点には変わりなく、故障や衛生面のトラブルに対する懸念を完全に払しょくできていないのも現状の課題である。今後は、各サービス提供会社が消費者に安心して製品を使用してもらい、製品の認知や購入のきっかけを提供しながら、同時に各メーカーとの信頼関係も構築していくことで、今後の美容家電・調理家電の市場の伸長に寄与することが期待される。

 2021年の美容家電小売市場は前年比102.8%の1701億40百万円を見込む。一方、2021年の調理家電小売市場は同110.2%の8067億円になる見込みである。

 2021年も新型コロナウイルスの終息時期は不透明で、人々は落ち着いた生活を取り戻せずにいる。全国で引き続き発出される緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、外出自粛のムードは根強い。そのような中、前年から継続しておうち時間を充実させようという消費者のポジティブな意識も健在しており、2021年以降も美容家電・調理家電の売行きは好調に推移していくものとみられる。

[調査要綱]
調査期間:2021年4月~6月
調査対象:総合家電メーカー、美容・調理家電メーカー、小売等、家電に関係する企業
調査方法:同社専門研究員による直接面談(オンライン含)、電話によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
発刊日:6月29日(火)
体裁 A4 314ページ
小売価格:19万8000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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