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矢野経済研究所、国内のスポーツ用品市場の調査、2020年の国内出荷金額は前年比89.2%の1兆3738億円の見込

2021.06.02 20:17 更新

 矢野経済研究所は、国内のスポーツ用品市場を調査し、製品セグメント別の市場動向や参入企業の動向、将来展望を明らかにした。その結果、2020年のスポーツ用品国内出荷金額は前年比89.2%の1兆3738億円の見込みとなった。新型コロナウイルス感染症拡大による各種部活動の休止や店舗の臨時休業などで大きなダメージになった、一方で三密になりにくいアクティビティは好調に推移した。

 2020年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷額ベース)は、前年比89.2%の1兆3737億8,000万円を見込む。新型コロナウイルス感染拡大により、2020年東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決定したほか、各種スポーツイベントが中止や延期を余儀なくされ、スポーツ用品市場にとって大きなダメージとなった。また、急速に新規出店が進んだスポーツ用品メーカーの直営店をはじめ、各スポーツリテーラーも臨時休業や営業時間短縮など、新型コロナウイルス感染拡大防止策をとったことで売上は激減、学校の部活動も一時的に休部となり、競技環境が整わなかったことも大きな痛手となった。

 一方、巣ごもりによる運動不足を解消する狙いから、三密にならないアクティビティが注目を集めている。ゴルフ用品、アウトドア用品の2020年出荷金額は、コロナ禍でも最小限の落ち込みにとどまる見込みの他、釣用品やサイクルスポーツ用品に至っては前年からプラス成長を果たす見込みである。このように、コロナ禍によって市場成長に弾みのついた分野も存在し、2020年のスポーツ用品市場はカテゴリーによって明暗が分かれる結果となった。

 2020年のスポーツ用品小売市場はECがより存在感を強めている。コロナ禍で巣ごもりを余儀なくされていることもあり、EC需要が急増していること自体に驚きはないのだが、特筆すべきところは利用者が中高年層にまで及んでいることである。主要なリテーラーによると、中高年層の間でインターネットショッピングに対し抵抗感がなくなりつつあり、EC利用が大幅に増加しているという。

 これまで、ECを不得手とする中高年層の間では、EC利用を避けるデジタルデバイドが生じていると見られてきた。しかし、コロナ禍による巣ごもり状況の中で、インターネットショッピングは中高年層の間でも必要不可欠なもののひとつになろうとしている。

 重症化リスクの高い中高年層は、当面、不要不急の外出自粛を続けるはずで、巣ごもりで利便性の高さを実感したECの利用はさらに加速していくと思われる。

 2021年のスポーツ用品国内市場規模(国内出荷額ベース)を前年比110.5%の1兆5179億8000万円と予測する。2020年のコロナ禍に伴う反動増によって、2021年はプラス成長を果たす見通しである。但し、新型コロナウイルス感染が再度拡大局面に入れば、各種スポーツイベントの中止が予想され、スポーツ用品市場への影響が懸念される。東京オリンピック・パラリンピックも無観客での開催となった場合、スポーツ用品国内出荷市場への波及効果も限定的にとどまる可能性が高い見込みである。

[調査要綱]
調査期間:2021年1月~3月
調査対象:スポーツ関連企業・メーカー・卸売業・輸入商社・小売業等
調査方法:同社専門研究員による直接面談、ならびに郵送アンケート調査を併用
[資料名]2021年版 スポーツ産業白書
[発刊日]3月26日
[体裁]A4 517ページ
[小売価格]17万500円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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