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富士経済、ルームエアコン・空気清浄機など家電製品39品目の世界市場調査、2025年市場予測では空気清浄機が3015万台と2020年比5.1%増へ

2021.05.24 13:11 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、衛生意識や自宅調理ニーズなどの高まりによって需要が増加した品目と、美容関連など外出を前提として使われることが多いため需要が低迷した品目で明暗がわかれた家電製品の世界市場を調査した。その結果を「グローバル家電市場総調査 2021」にまとめた。トピックスとして、2025年市場予測(2020年比)では、先進国を中心に在宅医療の推進や高齢化人口の増加で、市場拡大する血圧計が8490万台(17.9%増)を見込む。空気質への意識が高まり普及率の低い東南アジアや欧州でも需要増加する空気清浄機が3015万台(5.1%増)に達する見通しだ。外出制限や在宅勤務の長期化による巣ごもり需要獲得で、市場拡大するコーヒーメーカー/エスプレッソマシーンが1億307万台(9.0%増)を見込む。

 この調査では、衣住関連8品目、調理関連13品目、空調/給湯関連8品目、美容/健康関連10品目の国・地域別生産・販売動向の現状を分析し、将来を予想した。

 注目市場として、血圧計は、2020年が7200万台(前年比:118.9%)、2025年予測が8490万台(2020年比:117.9%)を見込む。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で通院が難しくなったことから、自宅などで血圧を測定する必要性が高まり、市場は拡大した。今後も北米や欧州などを中心とした在宅医療が進むことや、先進国を中心として高齢化や高血圧人口が増えることにより需要は増加するとみられる。特にIoT機能を有する製品ニーズが高まると予想され、市場は拡大が続くとみられる。

 空気清浄機は、2020年が2868万台(前年比:110.6%)。2025年予測が3015万台(2020年比:105.1%)を見込む。2020年は世界的に空気質への意識が高まったことから需要が増加し、市場は大幅に拡大した。一方、大気汚染対策として普及が進んできた中国では、新型コロナウイルス感染症流行による製造業をはじとめとした経済活動の停滞のため、大気汚染が一時的に沈静化したことにより需要が減少した。今後は一部の国・地域で反動減が予想されるものの、普及率の低い東南アジアや欧州などでも需要が増加していくとみられ、市場は微増すると予想される。

 コーヒーメーカー/エスプレッソマシーンは、2020年が9460万台(前年比:101.6%)。2025年予測が1億307万台(2020年比:109.0%)を見込む。2020年は巣ごもり需要を獲得し、先進国を中心に好調となっている。一方で、新興国では景気悪化によって、ブラジルをはじめ需要が減少した国・地域もみられ、市場は微増にとどまった。今後は外出制限の長期化や在宅勤務の定着によって、巣ごもり需要は続くとみられ、市場は引続き拡大するとみられる。

 ホームベーカリーは、2020年が1063万台(前年比:109.5%)。2025年予測が1013万台(2020年比:95.3%)を見込む。2020年は巣ごもり需要を背景として、主な需要地である日本、中国、北米、欧州を中心に需要が盛り上がり、市場は拡大した。今後の市場は反動減が予想されるが、将来的にはおよそ半数を占めている中国を中心に安定した需要が続くことで、2024年には1000万台まで回復するとみられる。

 ホットプレートは、2020年が2594万台(前年比:107.0%)。2025年予測が2493万台(2020年比:96.1%)を見込む。2020年は新型コロナウイルス感染症の流行によって、外食を控え自宅で食事を楽しむ機会が増えたことから日本と中国で需要が増加し、市場は拡大した。既存商品の好調に加えて新規商品の投入などから市場が活性化するとみられる。

 ジューサー/ミキサーは、2020年が5400万台(前年比:101.5%)。2025年予測が5825万台(2020年比:107.9%)を見込む。2020年は新興国などの景気悪化が深刻な国・地域では需要が減少しているが、先進国の多くでは巣ごもり需要を獲得し伸びている。中国では健康意識の高まりや感染症対策として免疫力を高めるために自宅で新鮮なジュースを飲むことがブームとなり伸びている。また、多くのメーカーがEC販売に注力していることで、消費者が手軽に購入できるようになり、今後も市場は拡大するとみられる。

 主要家電3品目の世界市場では、洗濯機/洗濯乾燥機は、2020年が1億1150万台(前年比:96.4%)。2025年予測が1億2052万台(2020年比:108.1%)を見込む。冷蔵庫は、2020年が1億1953万台(前年比:92.0%)。2025年予測が1億2947万台(2020年比:108.3%)を見込む。ルームエアコンは、2020年が1億4721万台(前年比:90.6%)。2025年予測が1億6232万台(2020年比:110.3%)を見込む。洗濯機/洗濯乾燥機の2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の対策で混乱が大きかったインドやブラジルの落ち込みが顕著だったため、縮小した。一方で、巣ごもり需要や清潔意識の高まりにより、ドラム式などの高機能機種が好調だった。冷蔵庫の2020年の市場は縮小となった。需要の3割を占める中国が新型コロナウイルス感染症流行の影響と不動産市場の低迷を背景に微減となった。また、東南アジアの需要減少に加え、感染が拡大したインドやブラジルで大幅に減少した。一方で、欧米は感染流行の影響は比較的少なく横ばいとなった。ルームエアコンは欧米で巣ごもり需要を獲得し好調だった一方で、インドやブラジルなどでは大幅に需要が減少したため、2020年の市場は縮小した。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年11月~2021年2月
[体裁]A4判 363頁
[小売価格]
書籍版:15万円
書籍/PDF+データ版セット:19万円
ネットワークパッケージ版:30万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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