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矢野経済研究所、コロナ禍における流通菓子市場に関する調査、2020年度は前年度比1.6%減の2兆232億円と予測

2021.05.28 17:56 更新

 矢野経済研究所は、国内の流通菓子市場を調査し、製品カテゴリ別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。2020年度の流通菓子市場規模を前年度比1.6%減の2兆232億円と予測した。コロナ禍で、自宅で消費される流通菓子はプラス、外出を伴う食シーンの製品群や土産向けの製品が大幅なマイナスの見込であることが明らかとなった。

 2019年度の流通菓子の市場環境は概ね良く、チョコレートやビスケット類、米菓、スナック菓子、キャンディ・キャラメル、輸入菓子と、ほとんどの製品カテゴリで前年度を上回って着地した。豆菓子、チューインガム、その他菓子製品は前年割れとなったが、いずれも前年度比90%台後半で微減にとどまったことで、2019年度の流通菓子市場(メーカー出荷金額ベース)は2兆566億円と、前年度越えとなった。

 2020年度は多くの企業にとって期初にあたる4月から、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が発出され、外出自粛となったことで在宅率が上昇、家庭内で食される流通菓子の需要は急増となった。本来であれば行楽シーズンであるこの時期に在宅率が上昇したことは、自宅で消費される菓子商品にとってはプラスとなったが、一方でポケット菓子や小箱菓子、カップ型、パウチ型などの容器形態の菓子、ご当地物の菓子など、行楽需要のお供となる商品群にとっては大打撃となった。

 また、都市部を中心にリモートワークが広がったことで、オフィスワーカーの需要を取り込んでいた商品群も打撃を受けている。お茶うけとされるおせんべいなどの米菓、甘納豆などは、帰省や友人同士の集まりなど人が集まる場で消費されることが多く、コロナ禍では苦戦傾向となっている。

 2020年4~6月緊急事態宣言下においては巣ごもり消費が急増し、流通菓子の商品販売上の観点からいうと、プラス影響が多かった。但し、食品スーパーなどで販売されている商品は概ね好調に推移したものの、CVSでの販売商品は外出自粛やリモートワークの広がりに伴うオフィス需要の減少から、利用者数が減少し苦戦を強いられた。

 その後6月下旬から学校が再開すると、製品カテゴリによって好不調が分かれるようになった。ビスケット類などは7月以降も好調に推移したほか、おつまみ需要を取り込んでスナック菓子や豆菓子も好調を維持した。一方で、スナック菓子の中でも、行楽需要やオフィス需要が多いカップ型、パウチ型などの容器形態の菓子は苦戦が続いたほか、人が集まる場所でよく食される米菓も苦戦した。また、外出のお供であるキャンディ・キャラメルは、年間を通して苦戦が続いた。

 2020年度、国内の流通菓子需要は在宅時間の増加を背景に概ね堅調に推移しているものの、ポケット菓子や携帯型スナック菓子など、外出を伴う食シーンの製品群が苦戦をしていること、また、土産向けの流通菓子製品が大幅な減少を余儀なくされていることなどが影響し、2020年度の流通菓子市場規模を前年度比1.6%減の2兆232億円と縮小を予測する。

 2021年度は、コロナ禍での需要拡大と土産菓子の市場縮小など、プラスとマイナスの影響が瞬間風速の中でどの程度みられたかによって、市場の拡大・縮小が左右される見通しである。また、東京オリンピック・パラリンピックについては、仮に開催された場合でも当初想定していたインバウンド(訪日外国人客)や観光客、競技観戦客の需要の多くは見込めないと判断しており、プラス影響はほぼ織り込まずに算出している。

[調査要綱]
調査期間:2020年11月~2021年1月
調査対象:流通菓子メーカー、卸売業、商社、関連団体等
調査方法:同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail等によるヒアリング調査および文献調査併用
[体裁]A4 466ページ
[小売価格]13万2000円(税込)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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