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富士経済、H・Bフーズの国内市場の調査、体調管理需要増で2020年市場は前年比0.8%増の2兆4482億円を見込む

2021.04.13 13:29 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響で需要が変化する健康志向食品(明らか食品・ドリンク類)と機能志向食品(サプリメント)を対象としたH・Bフーズ全体の国内市場を訴求効能別に21カテゴリーに分類し分析した。加えて、上記の21訴求効能軸では捉えきれない注目コンセプトの市場についても捉えた。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2021 総括・関連市場分析編」にまとめた。トピックスとしては、2020年市場見込(前年比)では、H・Bフーズの国内市場は、体調管理需要増で、免疫賦活作用やスポーツサポートが好調だったことから、2兆4482億円(0.8%増)に達した。免疫賦活作用は、体調管理や免疫力向上の重要性が認識され、需要拡大し1676億円(8.6%増)に達した。スポーツサポートは、コロナ太り解消需要を獲得し、プロテインを中心に好調だったことから1088億円(10.5%増)に達した。乳酸菌類は、家庭内需要、免疫向上需要獲得し拡大したため、4326億円(10.0%増)に達した。

 H・Bフーズとは、健康(Health)や美容(Beauty)に良いというコンセプトをもった商品と定義している。

 H・Bフーズの国内市場の2019年は、市場をけん引してきた機能系ヨーグルトがブームの沈静化に伴い伸び悩んだほか、冷夏の影響からドリンク類が苦戦し、サプリメントでも景品表示法違反などで行政処分が続いた酵素商品やフルーツ青汁の落ち込みからダイエットが大幅に減少するなどマイナス要因が見られた。しかし、スポーツ人口の増加によるプロテインブームを背景にスポーツサポートが伸長したほか、エナジードリンクも新商品投入などによって好調が続き、市場は拡大した。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の流行拡大によって、体調管理需要が高まり、乳酸菌関連やビタミン・ミネラル類など免疫関連の訴求成分配合商品が注目を集めて好調なほか、運動不足解消を目的としてプロテイン商品が需要を取り込んでおり、スポーツサポートの好調が続いている。一方で訪日観光客の激減によってインバウンド需要が落ち込んだほか、外出自粛によって量販店を除く店頭チャネルが苦戦、肝機能改善や美容効果の需要が縮小するなどマイナス要因も多くみられ、市場は微増に留まるとみられる。

 免疫賦活作用は、2012年に“R-1乳酸菌入り”ドリンクヨーグルト飲用によるインフルエンザ感染率の低減がメディアで取り上げられ市場は大幅な拡大が続いたが、2017年以降はヨーグルトの伸びが頭打ちとなったことなどから、市場の伸びは鈍化した。2019年は市場をけん引してきた主要ブランドがマイナスに転じたことで前年割れとなった。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、体調管理や免疫力向上の重要性が認識され需要が急増した。また、「キリン iMUSE」シリーズ(キリンビバレッジ、キリンホールディングス)が機能性表示食品として初となる“健康な人の免疫機能の維持をサポート”を表示する商品として発売されており、今後の市場拡大に寄与するとみられる。

 スポーツサポートは、プロテインやアミノ酸などの摂取を訴求し、スポーツブランドを冠してスポーツシーンで喫食される商品群を対象としている。スポーツ人口の増加や筋トレブーム、また、ダイエットのトレンドが特定成分の摂取や食事の摂取カロリーを抑えるものから、運動しながらボディメイクを行うものへと変化したことから、スポーツサポートの利用が増え市場は拡大を続けている。特にプロテインパウダーは、タンパク質摂取の重要性に対する理解進行と2015年以降のプロテインブームによって、ユーザーがアスリートだけでなく一般消費者にまで広がって大幅な伸びを続けている。

 2019年は国内ブランドだけでなく海外ブランドも急増するプロテインパウダーや、プロテインドリンクの「ザバスMILK PROTEIN脂肪0」(明治)の好調によって、市場は拡大した。2020年は外出自粛や即食需要の減少によってパウチゼリー飲料は減少したものの、在宅中のコロナ太り解消需要を獲得しプロテインパウダーが大きく伸びていることから引き続き市場は拡大するとみられる。

 乳酸菌類は、2018年はヨーグルトブームや乳酸菌ブームの落ち着きからヨーグルトを中心に不調であったが、「乳酸菌ショコラ」シリーズ(ロッテ)や「善玉菌のチカラ」(フジッコ)、「ボディメンテ ドリンク」(大塚製薬)などヨーグルト以外のカテゴリーにおいて新商品の発売が続いたことで市場は拡大した。2019年はブームの沈静化に加え、メディア露出の減少などによりヨーグルトや乳酸菌飲料、サプリメントの多くが不調となったが、主訴求を“大腸サポート”に変更した「ビヒダス」シリーズ(森永乳業)の好調によって、市場は微増となった。

 2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大から、外出自粛によるヨーグルトの家庭内需要が高まったことに加え、各メディアで乳酸菌・ビフィズス菌と免疫の関係について取り上げられたことが追い風となり市場は大幅に拡大するとみられる。免疫力を高める機能性が評価されていることから、今後も乳酸菌やビフィズス菌の機能研究は当面続き、新商品も継続的に発売されると考えられるため、市場は拡大が続くと予想される。
 CBDサプリメントは、CBD(カンナビジオール)を主成分として配合し、カプセルやオイル形状のサプリメントに加え、グミなどの明らか食品、リキッドタイプのドリンク類を対象とする。2017年にWHOがCBDの安全性などに対する認証を発表し、また、世界アンチ・ドーピング機関(WADA)がCBDを禁止薬物リストから除外したことによって、スポーツ界を中心に世界的に利用が増加している。米国では2018年末に産業用大麻が麻薬指定から除外され、産業用大麻の栽培、種子輸入などが可能となり、現在のグリーンラッシュと呼ばれるブームに至っている。日本では30~50代の健康意識の高いユーザーや、医療機関などからの推奨で睡眠や肌荒れに深い悩みを持つ人の使用や2019年はメディアに取り上げられる機会も増え、トレンド感度の高い若年層からの支持を獲得したことから、市場は7億円となった。

 2020年は、一部商品からTHC(テトラヒドロカンナビノール)が検出され、成分検査に伴う販売の停止期間の発生やTHC検出の発表によるイメージ悪化がマイナス要素となったものの、医療機関(市場集計対象外)での採用が進んでいることや、CBDを取り扱うカフェやレストラン(市場集計対象外)なども登場し、徐々に浸透していることから、市場は拡大するとみられる。

 1日分の栄養素は、“1日分のビタミン”や“1日分のカルシウム”など商品名に1日分の栄養素を配合していることを明記し訴求している商品を対象とする。野菜飲料以外のドリンク類でも“1日分の栄養素”訴求が活発化し、“1日分のマルチビタミン”や“1日分の鉄分”といった1つの商品で栄養素を簡便に摂取できることから需要を獲得し、市場は拡大を続けてきた。

 2019年は主力の野菜飲料が砂糖の過剰摂取に対するマイナスイメージから伸び悩んだことに加え、豆乳など“1日分の栄養素”以外の健康訴求商品へ需要が流出したことで、市場は微増に留まった。2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に消費者の健康や栄養補給に対する意識変化が追い風となって、新商品の発売も相次いだことから、市場は拡大するとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年12月~2021年2月
[小売価格]
書籍版:12万円
書籍/PDF+データ版セット:16万円
ネットワークパッケージ版:24万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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