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富士経済、調味料・調味食品の加工食品2カテゴリーの市場調査、コンソメ・ブイヨンの2020年市場見込は149億円で2021年市場予測は140億円に

2021.04.04 14:13 更新

 総合マーケティングビジネスの富士経済は、新型コロナウイルス感染症流行の影響から市販用は伸長するも業務用が大幅減少している調味料と長引く内食化によって買い置き需要、簡便需要が増加している調味食品の市場を調査した。その結果を「2021年 食品マーケティング便覧 No.5」にまとめた。この調査では、調味料53品目と調味食品24品目の市場の現状を把握し、将来を予想した。その結果、コンソメ・ブイヨンは2020年市場見込が149億円(前年比:18.3%増)に達し、2021年市場予測が140億円(前年比:6.0%減)を見込む。めん用たれ・ソース(市販用)は2020年市場見込が32億円(前年比:10.3%増)に達し、2021年市場予測が35億円(前年比:9.4%増)を見込む。パスタソースは2020年市場見込が610億円(前年比:17.3%増)に達し、2021年市場予測が560億円(前年比:8.2%減)を見込む。中華メニュー専用合せ調味食品(市販用)2020年市場見込が439億円(前年比:6.0%増)に達し、2021年市場予測が438億円(前年比:0.2%減)を見込む。

 コンソメ・ブイヨン(調味料)は、2020年見込が149億円(前年比:118.3%)に達し、2021年予測が140億円(前年比:94.0%)を見込む。洋風スープ等の西洋料理のだしとして、水に溶かして使用する商品で、形状が固形、顆粒、粉末を対象とする。スープや西洋料理に欠かせない基礎調味料として家庭に常備され、業務用でも広く使用されているが、野菜の価格変動や冬場の寒暖に大きく需要が左右されている。2019年は味の素、ネスレ日本が新商品を発売し積極的な販促を行ったことや、値上げを実施したことによって、市場は拡大した。2020年新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、外食、給食業態が低迷し業務用は苦戦しているが、家庭内の調理需要を取り込んだ市販用は好調なため、市場は拡大するとみられる。2021年は市販用の急激な伸びによる反動減と業務用の回復の遅れから、市場は前年割れが予想されるが、汎用性や簡便性を訴求することで家庭内の調理需要を堅調に獲得していくほか、使用時に溶けやすい顆粒タイプや健康・安全志向を背景にした減塩タイプ、無添加タイプの需要の増加が期待される。

 機能性甘味料(調味料)は、2020年見込が139億円(前年比:105.3%)に達し、2021年予測が140億円(前年比:100.7%)を見込む。砂糖代替甘味料として、低カロリーやビフィズス菌増殖性を訴求している飲料や調理に用いられる商品を対象とする。糖尿病や肥満症の患者の増加に伴い需要が増え、市場は拡大が続いていたが、2018年は猛暑や暖冬の影響でホットコーヒーの飲用頻度が減少したため、市場は縮小した。2019年は「パルスイート おなかすこやかオリゴ」(味の素)が発売されたほか、「ラカントシリーズ」(サラヤ)も好調となり、市場は拡大した。2020年は在宅時間の増加から家庭内で菓子を作る機会が増えたことや、健康志向の高まりが追い風となり、市場は拡大するとみられる。増加している糖尿病や肥満症の患者の需要を獲得し、今後も市場は拡大が続くと予想される。

 めん用たれ・ソース(市販用)(調味料)は、2020年見込が32億円(前年比:110.3%)に達し、2021年予測が35億円(前年比:109.4%)を見込む。うどんやそうめん、冷や麦などに希釈しないで“かける”“あえる”タイプの具材や固形物入り商品を対象とする。具材のないめんつゆ、たれなど麺用調味料が主流だったが、レンジアップできる冷凍うどんや、流水につけるだけで食べられるチルドうどんなどの浸透、また、共働き世帯の増加で時短・簡便へのニーズが高まり、新商品の発売が増えたことで、2016年は市場が大幅に拡大した。2019年はTV-CMの効果で認知が高まったことや、 “汁なし担々麺”“まぜそば”など汁無しの麺メニューが外食店で流行したことで、家庭でも外食店メニューが再現できるものとして、新商品の発売が増え、市場が拡大した。2020年は在宅時間の増加により、3食を家庭で食する機会が増えた中、手軽な昼食としてうどんを中心とした麺類の需要が伸び、市場は拡大するとみられる。今後は“巣ごもり”による内食化が進み、昼食を中心に麺類の需要が伸びる一方で、夏季に需要が限定されることから、通期での商品展開や継続利用を促すことで市場の拡大が期待される。

 レトルトカレー(調味食品)は、2020年見込が903億円(前年比:102.4%)に達し、2021年予測が925億円(前年比:102.4%)を見込む。レトルトパウチ包装の調理済みカレーを対象とする。簡便調理・個食ニーズの高まりを背景に需要が増加しているほか、味のレベルアップや低価格帯から高価格帯まで商品バラエティの多様化が喫食頻度増加につながっており、新商品の発売が相次ぎ、市場が活性化している。2019年はスパイスカレーやカレーの名店監修商品など外食店の味を訴求した中高価格帯商品や、複数パック商品が好調だったほか、市販用は備蓄需要が増加し、業務用も人手不足による時短ニーズや食品ロス抑制から需要が増え、市場は拡大した。2020年は個人レストラン、喫茶店などを中心に業務用の需要が激減したが、市販用は備蓄需要や在宅時間の増加による内食需要を獲得したことで、市場は拡大するとみられる。今後は保存性と簡便性が評価され買い置き需要を獲得していくとみられる。特に低価格品と付加価値型商品の需要が増えるほか、具材がソースに溶け込んだタイプの商品はトッピングアレンジがきくことで夕食需要を獲得し利用シーンが広がると予想される。

 パスタソース(調味食品)は、2020年見込が610億円(前年比:117.3%)に達し、2021年予測が560億円(前年比:91.8%)を見込む。パスタ専用の調理用ソースを対象とする。家庭でのパスタメニューの喫食頻度向上や少人数世帯の増加を背景とした個食需要の高まりから、簡便性が支持されて市場は拡大している。定番フレーバーは価格競争に陥るなか、高付加価値ブランドや新奇性の高いフレーバーの登場により、市場が活性化している。2019年はあえるタイプが好調となったほか、レンジアップタイプも簡便性の高さから需要を獲得した。高付加価値ブランドも好調だったことから、市場は拡大した。2020年は休校やテレワーク普及により在宅時間が増えたことでパスタメニューの喫食頻度が増え、内食需要を獲得したため、市場は大幅に拡大するとみられる。今後は在宅時間の増加により自宅で喫食する時間や人数が増えることで買い置き需要が増えるほか、付加価値ブランドの定着が進み、また、簡便性を高めた商品が発売されることによって、市場が活性化すると予想される。

 中華メニュー専用合せ調味食品(市販用)(調味食品)は、2020年見込が439億円(前年比:106.0%)に達し、2021年予測が438億円(前年比:99.8%)を見込む。麻婆豆腐、青椒肉絲、回鍋肉などの中華メニューで具材を加えて調理する市販用のドライ商品を対象とする。共働き世帯の増加などから、ファミリーユースを中心に簡便・時短ニーズを取り込み、市場は拡大している。野菜価格の高騰時には野菜をメイン食材としない麻婆豆腐用の需要が高まるなど、野菜の相場に左右されてきた。2019年は野菜価格の下落を背景に青椒肉絲などの野菜をメインに使うメニューが好調だったが、麻辣ブームが落ち着いたことで麻婆豆腐用が落ち込み、市場は縮小した。2020年は家庭内調理頻度が高まったことを背景に需要が増加したほか、中華メニューに使う基礎調味料は揃えや配合が難しいこともあり、簡便性が支持され好調となり、市場は拡大するとみられる。今後は中華メニューを手軽に調理できることで、主力となるファミリーユースの需要獲得が進むが、和風・洋風メニューなど他のメニュー専用合せ調味食品との競合により、市場は微減が予想される。

 調味料は2020年見込が1兆6832億円(前年比:98.5%)に達し、2021年予測が1兆6,953億円(前年比:100.7%)を見込む。調味食品は2020年見込が5036億円(前年比:102.9%)に達し、2021年予測が5030億円(前年比:99.9%)を見込む。調味料は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により在宅時間が増加し、基礎調味料など汎用性の高い調味料を用いて家庭内調理を行う機会が増えたため市販用が好調、加工用も市販用加工食品の伸長に伴い好調となっている。中でも、メニュー汎用性の高さが支持されたその他調味酢や白だし、また“コロナ太り”や免疫力向上など健康意識の高まりから機能性甘味料が、野菜を手軽に摂取できることから鍋つゆなどが好調となっている。しかし、業務用は外食業態が営業自粛や時短営業により客数減の影響を受け苦戦を強いられているため、市場は前年割れするとみられる。調味食品は、在宅時間の増加で内食化が進みレトルト食品やメニュー専用合せ調味食品など簡便性の高い商品の需要が堅調となっている。中でも、保存性と個食タイプで評価されているレトルトカレー、パスタソースが好調なほか、食パンの喫食頻度が高まったことなどからピザソースが伸びるなど、市場は前年を上回るとみられる。

[調査方法]富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
[調査期間]2020年11月~2021年1月
[体裁]A4判 352頁
[小売価格]
書籍版:10万円
書籍/PDF+データ版セット:14万円
ネットワークパッケージ版:20万円
(すべて税別)

富士経済=https://www.fuji-keizai.co.jp/


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