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矢野経済研究所、国内のパン市場を調査、2020年度は前年度比96.7%の1兆5262億円の見込

2021.04.22 11:56 更新

 矢野経済研究所は、国内のパン市場を調査し、パンの市場規模、商品別や小売チャネル別の市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。その結果、2020年度の国内パン市場規模は、前年度比96.7%の1兆5262億円の見込みであることがわかった。新型コロナウイルスの感染拡大が大きな打撃、一方で巣ごもり需要の恩恵を受け、食事系パンの需要は急増の見込みだと分析する。

 2019年度の国内パン市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比100.0%の1兆5786億円となった。2018年度の同101.3%から鈍化したがプラス成長を維持した。

 戦後最長の好景気といわれたものの、パン市場を押し上げる家計所得の増加は認められず、パンを含む食品支出は伸び悩んでいた。しかし、「高級食パン」ブーム、大手ホールセールメーカーの「メガ食パン」リニューアルや「拘り商品」の展開などで、100円パンやPB食パンなど低価格志向に走っていた消費者のパン消費が変化した。しかし、2020年春先からの新型コロナウイルス感染拡大の影響は、パン市場に大きな打撃を与えており、その収束が見通せない中、アフターコロナを見据えた取り組みが徐々に動きだしている。

 パン業界においては、政府による全国一斉休校や外出自粛の要請から、また、民間企業を中心とした在宅勤務の浸透や出張自粛などを背景に、「在宅需要」が拡大している。これを受け、量販店やドラッグストアを中心に食パンや食卓パンなど、食事系パンの需要が急増した。

 一方、都市部のコンビニエンスストアにおいては、外出自粛や在宅勤務の広がりから、来店客数が減少し、菓子パン(惣菜パン、デニッシュ含む)や調理パンの需要が減少した。都市部のベーカリーに加え、百貨店やショッピングセンターなど商業施設、駅ナカや駅前の通勤・通学路においても、店舗の休業や営業時間の短縮、公共交通機関利用者の減少などが影響し、店舗の経営状況は厳しい状況となっている。

 今後も少子高齢化が予想される日本では、パン市場は長期的には縮小傾向が続く見通しである。また、新興国での需要拡大や世界的な天候不順で、小麦粉や油脂類などパンの原材料はタイトな状況が予想される。

 一方、高品質で高単価な付加価値商品やヒット商品の発売、フランスパンやバラエティブレッドに代表される食事系パンの夕食需要拡大など、市場拡大要素もある。また、海外労働者の受け入れや移民政策が積極化されればパン市場にプラス影響するであろう。なお、新型コロナウイルス感染拡大など不確定要素も想定されることから、これらを考慮すると、パン市場は今後も微増で推移する見込みである。2024年度の国内パン市場(メーカー出荷金額ベース)は1兆6225億円になると予測する。

[調査要綱]
調査期間:2021年1月~3月
調査対象:パン・調理パンの製造・卸、主要ベーカリー等
調査方法:同社専門研究員による直接面接調査、電話等ヒアリング、郵送アンケートならびに文献調査を併用

[発刊日]3月26日(金)
[体裁]A4 474ページ
[小売価格]14万円(税別)

矢野経済研究所=https://www.yano.co.jp/


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